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しあわせな日々/芝居

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しあわせな日々でしあわせな日々

2000/11/28 15:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tori__ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「しあわせな日々」はわたしはいちばん好きです。たとえば、不幸な気分のとき、ウィニーの陽気なおしゃべり※は、わたしを慰めてくれます。
 登場人物はウィニーとウィリー。といってもほとんどウィニーが一人でしゃべりつづけているので、たまにウィリーがしゃべると、まあウィリーいたの、とか、ウィリーってしゃべれるのね……、という気分になります。
 ウィニーは、五十歳くらいの女、ウィリーは六十歳くらいの男。ウィニーは「焼けただれた草原」にある中央が盛り上がった低い円丘のちょうどまん中に、腰の上までうずもれています。「まだ艶っぽい色香が残っている。できれば金髪。小太り、腕と肩をむきだしにし、胸を大きくあけたブラウス、豊満な乳房、真珠のネックレス」……だそうです。ちなみに二幕になるとウィニーは首まで地面に埋もれます。
 そんなシュールな設定のなかでウィニーは周囲にいろいろなものが入っている袋や日傘やピストルを転がしていて、おしゃべりしつつ、歯を磨いたり、日傘を差したり、日傘が燃えたり、爪に鑢をかけたり、オルゴールをきいたり、ウィリーにはなしかけたり、追憶にふけったり、名文句を思い出そうとしたり……そんなことをしつづけます。
 「しあわせな日々」というのは反語でもあります。ウィニーはしあわせな日について次のようにもいいます。「そしてもし、なにかはっきりしない理由でもう努力のしようがなくなったら、そのときはただもう目を閉じて──(目を閉じる)──例の日がやってくるのを待つだけ──(目をあける)──あの、肉体が摂氏何度だかで溶けて、月夜が何百時間だか続く、あのしあわせな日がやってくるのを。(間)わたしそう考えるととても気が安まるの、気がめいって、犬畜生がうらやましくなってきたりするとき。」
 「しあわせな日々」というタイトル、「目のくらみそうな光」という光あふれる場面設定、「ああきょうはしあわせな日だわ! きょうもしあわせな日になるわ!」とかの陽気なウィニーのせりふ……明るい光のイメージ、それらはたしかに反語的なニュアンスもありながら、またその明るいイメージ自体のニュアンスもやはりあわせもっていると思うのです。暗いだけではなく明るいだけではないという状況です。
 一方で、ウィニーのしあわせな日にする努力──「まあ、どうでもいいわ、そんなこと、これがわたしの口癖、」「ほんとにわたしすばらしいって思うの。」あるいは「きょうは地面がばかにきついわね、わたしが太ったのかしら。」というようなユーモア精神……があります。
 けれども一方では、「あなた行くんでしょ、ウィリー?」「先のことも考えなさい、言葉に見放されてしまう時のことを──」……とか、ウィニーの不安もありつづけます。
 「しあわせな日々」という作品には、これらの要素、光、しあわせな日々への努力、ユーモア、不安、シニカルさ……相反する明暗が交錯する微妙な味わいが全体にあふれています。
 ──そんなあたりがこの作品の魅力ではないでしょうか。他のベケットの作品と比べて明るいところは、暗いイメージでベケットにとっつきにくいと思っている人にもとっつきやすいかもしれません。
 この本には、ベケットの戯曲「しあわせな日々」の他に、「芝居」「言葉と音楽」「ロッカバイ」「オハイオ即興劇」「カタストロフィ」が収録されています。
 サミュエル・ベケット、1906-1989、アイルランド生まれ、ノーベル文学賞受賞。
 「しあわせな日々」初演は1961年。
 ※http://tori__.tripod.co.jp/tori__beckett.html

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2007/02/06 04:40

投稿元:ブクログ

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