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イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387154899.html)
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◆桜嫌い・・・桜の時期に起こった藤子先輩のアパートでの火事騒動。はたしてその真相は?
◆鬼・・・若い姉妹の家の周りをうろつく男。危険を感じた姉は、隣人にも気をつけてもらうように頼むが・・・
◆あっという間に・・・商店街の野球チーム・多田巻ファイターズのサインが相手チームに漏れているらしい。まさかあの人がスパイ?
◆箱の虫・・・ケーブルカーから消えた男の子は一体どこへ行ったのか。
◆消滅する希望・・・「抱いてください」とささやく”朝顔の幽霊”が夢に出てくると、友人はノイローゼ状態だった。
◆吉祥果夢・・・高野山の宿屋で隣の部屋に宿泊している女性と仲良くなったぼくは、彼女から霊体験話を聞かされる。
◆ラビット・ダンス・イン・オータム・・・取引先の広告部長との酒の席でのこと。なんと娘の名前を見事言い当てたら破格の値段で広告を出してくれるという。
◆写し絵の景色・・・担当していた版画の先生が倒れ救急車で運ばれたのだが、その直後に版画がなくなっていることが判明。唯一部屋に入った松谷先輩に容疑がかかってしまった。
◆内気なクリスマス・ケーキ・・・友達の優介が持ってきたケーキを食べた妊娠中の姉は、腹痛を訴えて救急車で運ばれてしまった。中にはシクラメンが入っていたという。
◆お正月探偵・・・意識がない間に買い物をしているらしく、気がつくと部屋に知らない品物とカードの支払い請求が多数あると悩む友人。自分を見張ってくれと頼まれるが・・・
◆バレンタイン・バレンタイン・・・チョコレート売り場にいたセンスのいい女性は、謎の行動をとっていた。なぜチョコを売り場に戻すのか?
◆吉凶春神籤・・・道子が結婚を考えていた男にフラれた本当の理由・・・それはおみくじ!?
以上12編の短編の前後にエピソードを加え、1つの長編として完成させられている。短編12作は「真田建設コンサルタント社内報」で1年間連載されていた匿名作家による短編という設定。前後のエピソードで、この社内報の編集長・若竹七海がなぜ匿名作家に依頼することになったかや、匿名作家は結局誰だったのか等が描かれている。
とても上質な日常の謎ミステリなんだろうとは思う。だが、正直そこまで全部が繋がると思って考えて読んでなかったし、読むのに時間もかかっていたので、”こういう記載があった”とか”ここいう言い方をしていた”とか言われても、「そうだっけ??」状態で、真相を聞いてもややこしすぎて理解しきれず、「あーなるほど!うまい!」という感想に至らなかった。短編だけをとりだしても、それほど印象的な話も好みな話も無かったしなぁ。
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この作品は構成が凝っていて、社内報(ちゃんと目次もある!)に短編小説を掲載するという体裁がとられています。一年間、計十二作の作品があり、読んでいると作中作のような感覚も味わえるように思います。 一つ一つの話は、日常の謎を扱ったものや、ホラー系なもの等あるのですが、毒や悪意を感じさせるものもあり、バラエティ豊かです。 そして、十二の短編が出揃った時点で終わりという訳じゃなく、ここから更に話が展開していき、最後の最後まで油断できない作品になってます。 これがデビュー作だなんて・・・と感心させられました。
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ものすごーく昔に古本屋で買って繰り返し読んだ。
このたび、図書館で借りて久しぶりに読んだ。
…こないに覚えてへんもんか。
記憶力の無さに愕然としましたが、また新しく楽しめるのでヨシ。
連作ミステリを好む原点かな。
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覆面作家の社内報ショートミステリ…と見せかけて、全ピースが揃ったときに、別の一面を覗かせるストーリー。その発想に驚きを隠せない。
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【再読】
続編を読む前に再読。
大分前に読んだので、忘れてた部分も多くて楽しく読み返せた。
少しだけど夏見が出てきて驚いた。
バラエティ溢れる12の短編だけでも凄いのに、最後に明かされる事実が更に凄い。
『ラビット・ダンス・イン・オータム』『内気なクリスマスケーキ』『吉凶春神籤』が好き。
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短編としてもおもしろいのに全体で見てもおもしろい…。目を皿のようにして手がかりを探したのに、やられてしまった。心地よい悔しさを感じた。
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月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず、大学時代の先輩に泣きついたところ、匿名作家を紹介される。かくして掲載された十二の物語が謎を呼ぶ、贅を凝らしたデビュー作。
桜嫌い
鬼
あっという間に
箱の虫
消滅する希望
吉祥果夢
ラビット・ダンス・イン・オータム
写し絵の景色
内気なクリスマス・ケーキ
お正月探偵
バレンタイン・バレンタイン
吉凶春神籖
これがデビュー作ってすごいなあ。
あとが大変だっただろうと、余計な心配をしてしまったり(笑)。
若竹作品は、単独ではこれが初めて。
アンソロジーなどではいくつか読んだことがありますが、この作品ほどの面白さは感じなかった……(ごめんなさい)。
つまりこの作品がそれだけおもしろかったってことで。
社内報の発行のお仕事に抜擢されるなんて、羨ましい限り。
私もやってみたかった~。
まあそんな大きな会社で働いたことないですが。
覆面作家ってたまにありますが、それもとても羨ましい。
私もなってみたい!
ホントの意味での最後の1ページまで楽しめる作品でした。
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この連作に込められた謎が解けますか。
「ぜひ本文より先に読んでほしい解説」とか書いてあるから解説から読んでしまった。問題なかった。全体でつながる謎を気にしながら読んだけど、結局気付けず。
建設コンサルタント会社の社内報を任された若竹七海は、そこに連載する短編を大学の先輩に依頼する。先輩は自分では書けないがと、知人を紹介してくれて、連載が始まる。12の章はそれぞれの月の社内報表紙と共に読者に提示される。短編執筆を引き受けた辺見の真意は。
年賀状とか一部の干支は気付けたけど、それが何を意味するかまではよくわからず。あれ、もしかしてこのエピソードは年が違うのかなくらいしか。まさか順番を再構成するなんて。でも、探偵の示した解決が真実とは限らない。若竹七海が披露した推理は、辺見と先輩によって否定された。そして、最後の手紙で辺見が自分の真意を語るが、さて、起こった現象がすべてこの手紙の通りかというと、それもわからない。
各短編に様々な形式で謎が込められていたのが面白かったです。3人で電話できるのとか、男と見せかけて女だったとか、ホラーと見せかけてミステリとか。
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初の若竹七海氏。
どうせならデビュー作をと本書を図書館で予約。
なかなか年季の入った単行本が届いて驚き。
奥付を見ると、1991年初版。
もう30年も前の作品なのね。
立派に一昔前と言ってもよいくらい前の作品なのだが、まあでも、自分の読書生活らしきものを始めてからそれくらいなのだから、あの当初目にしたり、読んでいた本達が全てその部類に入るんだなぁと改めて時の経過を実感。
さて、本書は著者と同名の若竹七海なる建設コンサルタントに勤める女子社員が、突如社内報の編集長に任命されたところから始まる。
”娯楽を取り入れろ”との指示から、学生時代の先輩のつてを頼って覆面作家からの支援を受け、毎月発行される社内報に1年分12本の短編を載せて行くという体の作品。
各短編は概ね”ぼく”が誰かと会い、その誰かづてに聞く不思議な話の回想シーンとなり、回想明けで謎の解決というパターン化された形で進む。
今月の社内報の目次→作中作へ→作中作で展開される回想→作中作で謎の解決→次月の社内報の目次と、さながら深く潜って浮かび上がるの繰り返しが特徴的なのだが、形式化された反復が故に心地良い。
また、最後に全体を貫く芯も用意されており、単なる小粒揃いの連作で終わらせないのも良い。
若干近年の作品達の杉田比呂美氏のイラストのイメージで錯覚させられている感があるのかもだけれど、文体の素直さ、それでいて物語を薄っぺらくさせない描き込みの力が、敬愛する宮部みゆき氏に似ていて好感触。
葉村晶シリーズ、葉崎市シリーズにも手を伸ばしてみようかな。