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紙の本

国際的な石油をめぐる陰謀は余計だったか?

2002/07/29 08:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 フォーサイスのスパイものであるが、主人公はスパイではなく、誘拐事件で犯人側と交渉する交渉役(ネゴシエイター)である。10年以上前にわが国でも国際的企業の海外駐在員誘拐事件が続いたことがあった。この種の誘拐事件は素人が解決しようとしてもうまくはいなかい。金だけ取られて、人質は殺されるのが関の山である。そこでそれを専門に扱う会社や人に委託するわけである。
 この小説はそのネゴシエイターに焦点を当てたものである。米ソのそれぞれの経済的な事情で、軍事力削減交渉がまとまり、実現間際というときに誘拐事件は勃発した。1990年代の初め、ソ連はゴルバチョフ政権のもとで崩壊が目前に迫っている頃の時代設定である。
 米ソともに軍縮や軍事予算の削減は防衛産業、あるいは軍関係者にとっては死活問題である。それに加えてエネルギー問題が絡んでくる。米ソともに石油資源の不足が予見され、アラビアの中軸産油国にクーデターを発生させて、石油資源を欲しいままにするという思惑も絡んでくる。
 米ソにおいて利害が一致する集団がお互いに手を結んで、これらの陰謀を企てるという筋立てである。
 そこで、まず米国大統領の息子を誘拐し、軍事力削減交渉をリードする大統領に精神的な打撃を加えようとするのが第一のステップであった。スペインに隠遁中であったネゴシエイターが引っ張り出される。
 ネゴシエイターの活躍はみごとに描かれている。本物のネゴシエイターもかくあろうというほど巧み面白く描かれている。誘拐された大統領の息子は英国留学中であったため、英国警察、もちろんFBI、CIAも捜査に登場してくるので、ネゴシエイターをめぐる政府機関とのやりとりもふんだんに出てくるし、相互の関係も面白い。最後にはKGBまで登場してスパイ機関総出であった。
 さらに、犯人側にはアフリカなどで活躍した傭兵の残党が含まれており、これらを追跡する際に、欧州を転々とする主人公が生き生きと描かれており、娯楽性も申し分ない。ストーリー・テラー、フォーサイスの面目躍如である。
 その点を考慮すると、全体の背景である石油資源をめぐる国際的の陰謀は、余計であった。結局、ネゴシエイターの活躍が本論であったので、陰謀は単なる誘拐事件の深みを増すために設定された舞台に過ぎず、描き方も中途半端といわざるを得ない。譲っても、兵器削減交渉だけを取り上げれば十分であり、石油に関するプロットはかえってストーリーの要旨が散漫になってしまい、逆効果にさえなっていた。
 ネゴシエイターの活躍はそれだけで十分楽しめるものに描けていただけに、やや欲張りすぎて惜しまれる。

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