投稿元:
レビューを見る
利点は2つ。上下巻に分かれておらず一気に通して読めるということと、作者がこの作品について語った小冊子がついてくることだ。小冊子は作者のキャリアを大きく飛躍させることになったこの作品について、特に感情を込めずテクニカルな部分から語っており、この作品をある程度読み込んだ方なら納得のいくものだろう。この小冊子は当時の作者の心持ちや文体についても言及しており、11ページと少ない割にはなかなか読み応えがある。この作品を最初に読んでから10年経つがその間にあれこれ感じたことや考えたことがこれを読んである程度腑に落ちた
投稿元:
レビューを見る
深いです。
理系の自分には1回読んだだけでは、きついです。
読む価値あると思います。
ぜひ読んでみてください。
投稿元:
レビューを見る
タイトルぴったりな気がする。「ノルウェイの森」が、どんな曲か知らなかったりするのだけれど、夕方の暗くなりかかった森が抱える温度を含んでいるようなお話。暗くて悲しい。(2007.9.5)
投稿元:
レビューを見る
大学図書館より。3日で読みきる。早稲田の学生がぶらぶら行くところなんて、40年前から変わっていないのね。
「自分がどこにいるのかも定かではなかった。正しい方向に進んでいるという確信もなかった。ただどこかに行かないわけにはいかないから、一歩また一歩と足を運んでいるだけだった。」
それにしてもみんな自殺しすぎだろ。
投稿元:
レビューを見る
村上春樹はキレイすぎるから嫌いだった。人間の行動や、風景、細かなところまで描写するところとか。
目の前にその人がいて、その風景が広がっているくらいイメージがわきやすい。
とにかく、美しすぎて苦手だった。
でも、今このタイミングでこの本を読めたことが奇跡なような気がして正直うれしい。
「死生観」というよりも、残された人間の生と死についての見方、といったほうが正しいのかもしれない。
登場人物はみんな残された人間であるのに、対照的で、
死を前提に、死に向かって生きる直子、
そこから生の世界に連れ戻そうとする僕(ワタナベ君)、
生と死を境にして過ごしていた2人の関係にメスを入れた
生命の象徴のように生き生きとする緑、
唯一のまともな大人(本当の意味で)心に芯があるレイコさん、
緑の言った「人生はビスケットの缶」今これやっとくとあとになって楽になる。
って言葉とか、僕と緑が話す中に出てくるたとえ話が好き。
「あたしのこと、どれくらい好き?」
「森中のトラがみんなバターになっちゃうくらい好き」
かわいいよね!
僕のセリフ、
「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいる
のだ」
という言葉が印象的。
全体のストーリーとしては、僕が過去を振り返っていくっていう設定なんだけど
だいたい最後どうなるかイメージができてて、案外単純な話。
それでも読み応えあるのは、村上春樹の文章の上手さだと思う。
登場人物に過去の話を小出しに話させるところとか、一気に分からないからもどかしくて気になって、
読むのが止まらなくなっちゃう。
ただ、ラストに心にズバリというもんがなくて微妙だった。
さすがなのは、SEXシーンが多いのに全然エッチじゃないとこ。
むしろ性とは生なのか、と納得した。
時として、快楽・娯楽、ゲームであり、寂しさ、愛、生きるという実感でもある。
精液を出すことが涙を出すことと同じくらいナチュラルに書かれている。
この本は、今までにないくらい丁寧に一文一文を読んで、大切に一枚一枚をめくってきた。
またきっと、何年か後にふと手に取って読み返したくなる本だと思う。
投稿元:
レビューを見る
このひとの、なんともいえない緩やかな感じが好きです。とても。ずっと読みたいなあと想っていてやっと読みました。電車でずっと読んでました。久しぶりに村上春樹の本を読んであーこのひとこうやって性描写的なものを書くひとだったなあって思い出しました。読み終わったあとになんとなく物悲しい。生と死は対ではない、すぐ傍にあるもの。なんだかとても哀しいです。恋人を失った喪失感。どこにも行けない。だけど幸せになってほしいんです。
投稿元:
レビューを見る
大人の階段のぼる〜♪
外の世界に全く関心を持たない主人公。
ボタンを掛け間違うように男を愛してしまう女性。
お互い好き合っている筈なのに関係を持てないカップル。
漱石の『三四郎』を読んでいるかのよう。
しかし
最後のセックスからエンディングにかけるわずか数ページの描写は素晴らしい。
それまでの長く長く延々と続く、暗く重い語りを吹き飛ばしたかのように、
閉め切っていた雨戸を開け、何も見えないくらいまぶしい日差しが差し込んでくるかのようだ。
学生時代に是非読むべき1冊。
それにしても、あんなにも力と未来を感じさせるような明るいセックスを
人生で一度くらいは体験してみたいなぁ。
投稿元:
レビューを見る
ストーリーではなく、主人公の心情で読ませる本。
決して哲学的ではなく、19歳、20歳の心象風景をそのまま絵画みたいに写したような小説。
明るい小説ではないけど、
人生って何だろうって思った時には読むといいと思う
投稿元:
レビューを見る
『1Q84』からこの本へスリップした。村上春樹の代表作だ。
最初から最後まで、当たり前だが同じ文調で、ありていにいえば「テンション低く」物語が続く。
死のひと文字が1ページ1ページ、すべてを占領している。だが暗くはない。
どこか生気を感じさせない、それなのに生き生きとした――矛盾しているような、登場人物たちはすべて僕を中心に回っている。
言ってしまえば盛り上がりがないのだが、それなのに読ませる引力が働いているような。
とにもかくにも、「不思議」な作品だ。
村上春樹の小説を読むと思うのは、好き嫌いという世界を超越している、ということだ。
それで判断することが非常に難しい作品だと思う。というか、そんなちっぽけな尺度で見る作品を、彼は書かないのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
18年前のことを回想するところから始まる小説。
実は、この本を読むのは2回目。ちょっと真似をして、初めて読んだ16年前を回想してみたり。
16年前。高校1年生のときに読んだときにはサッパリ理解できなかった・・・というか、拒否反応を起こしてしまった。
以来、この本について残っていた内容は、「病院でキュウリを食べるシーンがある」ということだけだった。
今回、読んでみて、「あぁ。これは高校生の私にはダメだわ」と納得。
あまりに多い性的描写シーン。今読めば、それも「生きる」ということだとなんとなく分かるけれど、それに反して死ぬ人が多すぎる!しかも自ら。
若くて希望に溢れていて、潔癖だった16歳の頃。これを理解することはできなかったなあ。
そして現在。
単純に、「小説」としては面白かった。もうオトナなので、特に拒否反応もなし。ただ、、やはりみんな死にすぎ。
だからこそ、「病院でキュウリ」のシーンは今回も印象強かった。
「生きる」ということへの瑞々しい欲求が存分に現れていると思った。
そして、最後の「お葬式」のシーンもとても良かった。こういう形で弔ってもらえたら本当に嬉しいと思うし、とても独創的で愛情に満ちたお葬式だったと思う。
だからこそ、やはりその後のシーンの必要性は意味不明。
そこで、それ、やる必要ありますかーーーーー!?
投稿元:
レビューを見る
高校の親友キズキの彼女だった直子と偶然の再会をした。
彼を通してしか話すことのなかった我々は
2人だけで会うと何を話せばいいのかわからなかったが
彼がいなくなってしまった今ではどうしようもなかった。
直子は彼の死を引きずった結果山奥の施設で療養することにした。
僕は汚い寮に住み大学に通いながら彼女に手紙を書き、
たまに会いに行った。彼女に恋をしていたのだ。
しかし僕にはもう1人恋をした相手がいた。
大学で知り合った、いやらしい話の好きな緑。
僕はいったいどうしたらよかったのだろう。
装丁:和田誠
確か高校のときに1回読んでるんだけど全然覚えてなかった。
直子はキズキと一緒に何を失ってしまったのかなぁ。
この人の世界観は透明で靄がかかっていて日本だとは思えない。
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだ村上作品です。
文章が読みやすく、内容に入りやすかった。
思っていたほど、難解ではなかったのですが
リズムが良く、読了感も良かったです。
投稿元:
レビューを見る
何度、読み直したかが分からないこの作品。この人にしかできない、巧みな比喩。文体。どう評価するかは個人的な好みだと思うが、こんな、深い部分で繋がりあうことが愛するということなのだと思う。人は何かを失いながらいきている。それを受け止め、悲しみ抜ける人になりたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
静かで平和で孤独な日曜日
「前略 今あなたがコーラを買いに行ってて、そのあいだにこの手紙を書いています。…コーラを買って戻ってきたときに「あれ、髪型変わったんだね」と気付いてくれるかなと期待したのですが駄目でした。もし気付いてくれたらこんな手紙びりびりと破って「ねえ、あなたのところに行きましょう。おいしいご飯を作ってあげる。それから仲良く一緒に寝ましょう」って言えたのに。」
投稿元:
レビューを見る
「ノルウェーの森」 レイコさんの美味しそうな、綺麗な煙草を吸う姿が印象的。これだけで惚れてしまうかも。