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感覚統合とは、脳が環境や自分自身から得られる多くの刺激を、混乱させず
能率的に組み合わせて、有効に活用しようとする働きのことである。
この感覚統合がうまく働かないと、入力される刺激に人は適切に反応できず
日常生活にも大変な困難を抱えることとなる。
感覚統合法は、プレイセラピーのように遊具での遊びを通して、感覚統合の
うまく働いていない子どもの刺激に対する反応を改善しようとする治療法である。
感覚統合法では、触覚、前庭感覚(身体の移動と頭の位置の変化を知らせる感覚)
そして固有感覚が特に重要とされており、これらの感覚が適切に養われ
神経系が発達することで、感覚統合が成熟していくと考えられている。
この治療法は、身体障害児だけでなく、自閉症児や学習障害児、
言葉の遅れた子どもにも有効であるとされている。
感覚統合法によって、刺激に対して適切に反応できるようになり、神経系が発達することで
子どもが自信を持てるようになったり、運動企画がうまくいくようになったり、
言葉が出る以前のやりとりである前言語的コミュニケーションをとられるようになったり、
運動能力の向上により発語器官が発達して、発生の基礎が完成したりするからである。
こうした感覚統合法の理論と、それを背景にした様々な遊びを本書はまとめているが
実践経験が少ないと、ただ内容が箇条書きされているように見えて
あまり頭の中に入ってこなかった。
理論をもう少ししっかりと学んで、実践も積んでから読むべき本だと思う。