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ポルノグラフィ 女を所有する男たち みんなのレビュー
- アンドレア・ドウォーキン (著), 寺沢 みづほ (訳)
- 税込価格:2,563円(23pt)
- 出版社:青土社
- 発行年月:1991.4
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紙の本
あっち側のポルノ
2000/08/31 13:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:加藤四郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、世界の女性たちが、ポルノという男たちの権力によって虐げられ、さらにその権力によって、虐げられてきた現実を歪曲されてきた事実、そして今もってされているという事実を告発するものである。古今のポルノグラフィをくだくだしく引用していくくだりは少し退屈に感じるが、男の権力というものがどのように形成されていくか、そしてその権力のためにどのようにして女が卑しめられるのか、といったことが精緻に書き連ねられていくさまは啓発的である。しかしあとがきにもあるように、アメリカと日本のポルノグラフィの事情の違いも考慮に入れる必要があるだろう。歴史的に、アメリカではポルノグラフィが人種差別と密接にかかわってきたこと、また日本では写真、映像技術の発達が遅れたために、実在の人間を使ったポルノの発達が遅れたこと、などである。
この書に啓発されてあらゆるポルノグラフィの廃止を唱えるのは短絡以外の何物でもないが、女性が搾取されているという現実を知るための有用な書である。
紙の本
困惑
2002/05/25 05:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:k/a - この投稿者のレビュー一覧を見る
文脈による規定から逃れることが出来るなどという幻想に溺れないためには、少なくともその書が状況に与えたであろう批評性と、現在、そしてこれからの再読の際に生じるであろう齟齬の両極をしっかりと見定める必要がある。
「フェミニズム」という運動において、ポルノグラフィーというメディアの問題は常に両義的なものとならざるをえない。なぜならば、「ポルノグラフィー」について語ることが、取りも直さず「ポルノグラフィー」を定義することに他ならないからだ。つまり、「ポルノ」か否かという不毛な価値判断の問題は、同時に表現の自由という鬼子の問題と表裏一体であり、であるが故に、常に「ポルノグラフィー」に対する価値判断を巡る「フェミニズム」の立場は極めて男根主義的にならざるをえないか、なすすべがないかの二択間での信仰告白へと収まってしまう。
ドウォーキンスは、「ポルノグラフィー」と「男性」の「女性」蔑視を極めて短絡的に結び付けすぎではないだろうか? むしろ、「ポルノ」を、「男性」のものと決定するという前提にこそ、極めて短絡的なイデオロギーが存在し、そのようなイデオロギーの構成にこそ分析を向かわせる事がバトラー以降の文脈においては必要であろう。更に言えば、この種の本こそが「フェミニズム」と「マッチョイズム」の安易なリンクを産む恐れがあり、「フェミニズム」への誤解を助長する可能性がある。
とはいえ、史料価値として「批判的」に受容するには極めて典型的な書であり、「フェミニズム」について思考する際には(逆に)必読の書であることを付け加えておく。
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