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これぞ純! 文! 学! というのが最初の感想。色をテーマにした短編集。まさに「多彩」な内容を、確かな筆致で書き上げている。ものすごい衝撃はないが、丁寧に丁寧に書かれた良書。
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各話に、タイトルに合った色の色紙が挟まれていて、装丁が凝っているな〜。本全体の雰囲気もとてもよくて、おはなしもそれぞれドロドロ人間臭くて良い。笑
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おもしろい。色彩豊かなのに至る処は黒。黒は他の色には成り得ないんだよ、一度黒を知ってしまったら。毎度の事ながら表現にはクラクラする。本のデザインも素敵だー
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著者の本領が遺憾無く発揮された名作。「色」に因んだ短編小説集。山田詠美は恋愛小説が持てはやされるが、彼女の本領は、こうした価値観、人間の内面を描く、極めて純文学的な短編小説だと思う。
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装丁が神がかっている。表紙も綺麗だし、挿入されているカラフルな色紙が素晴らしい。山田詠美の本は文庫ではなく、単行本で集めたくなるようなものが多い。金赤青紫白緑橙黄灰茶黒銀で全部で12色で彩られているわけだけど、それらの色は決して色鉛筆やクレヨンのような色というただの記号ではなく、人間の本質を抱いた深い色だった。どれもホンットーに短い話なのに、どれもすごく印象的。恋愛を読む話ではなく、自分を偽っていたり、劣等感に苛まれていたりする人間の哀しさを読む短編集だった。
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▽しっとりとぼくの体にまとわりつく真っ赤な声の染み(赤)。夜明けの孤独を泳ぐようにかきわける青白い顔の女(青)。病んで忌まわしい白い心の病室に、鍵をかけ封印してきた女(白)。心の奥底に刻印されてしまった劣等感という名の黒子(黒)―。妄想、孤独、虚栄、倒錯、愛憎、嫉妬、再生…。金赤青紫白緑橙黄灰茶黒銀に偏光しながら、心のカンヴァスを妖しく彩る12色の短編タペストリー。
1994/08/15
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誰もが普段は意識しないような、奥底の感情を表在化させたような小説。
色彩に彩られた人物たちの感情の表現がとても好き。
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どの話もサクサク読めました。
「蜘蛛の指輪」が好き。お母さんが蜘蛛の糸を巻きつけるシーンが一番印象的でした。心を病んでしまっていても蜘蛛の糸の指輪を手にした時幸せになれたのかな。