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紙の本
未来の日韓関係を構築するために。
2010/09/15 09:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代、日朝関係の外交を取り仕切った対馬藩の雨森芳洲を中心としての話である。現在、日韓関係においては竹島の領有問題が存在するが、この問題は日本の敗戦後に起きたものではなく江戸時代からのものである。それ以前に豊臣秀吉が朝鮮を通過しての明国への侵攻での問題も横たわっており、対馬の宗氏は捕虜送還を繰り返しながら日朝の国交回復を試み、成功する。以来、日朝間易の外交窓口は対馬の宗氏が独占することになり、それは有る意味、日朝貿易の独占に繋がるのだが、鎖国体制の中、貿易が膨大な利益を対馬藩に与えていたことにもなる。
その対馬藩に外交官として仕官を求められた雨森芳洲の活躍を描くが、この外交関係については現代に至るも隣国でありながら、大きな溝が横たわっている。それは、韓国側が主張するところの植民地支配であるが、その大きな要因は文化摩擦である。欧米文化や経済面での日本の考え、中華思想における韓国の考えの相違でもある。
日本人は顔かたちが同じということから韓国とは話せば理解できる、してもらえるという発想をするが、やはり、言語も文化も風習も異なる外国である。相互の理解が深まらなければ、進展はない。
著者はいろいろと書きたいことが多かったようで、雨森芳洲を中心としながらも視点が多方面に向いている。ために物語に一貫性を感じない。
ただ、未来に向けての日韓関係を構築することを考えるならば、ひとつの入り口として読んでおいても損はないという印象を得た。
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