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よしなしうた 国際版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー3件

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紙の本

視界がぐるりとまわった後に

2009/03/02 03:59

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田川ミメイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本の紹介文には、「おもしろこわい」と書いてある。たしかに、谷川俊太郎氏の詩は、ふっと笑ってしまっては、ぞくっと背筋を寒くする、そんな詩が多い。

オトナの感覚でいえば「不条理」な世界ということだろうけれど、でもこの詩集にあるそれは、なんだか覚えがあるものだった。とうに忘れてしまった「不条理」な世界への感情。今ここにはない、おかしさ、淋しさ。

こどもの頃は、知らないことがたくさんあった。世の中の仕組みはもちろん、人との繋がり方、触れあい方。でも、知らないからこそ、頭で理解するより先にからだで感じることがある。なんだか変、とか、なんだか怖い、とか。そういう感情は、たいていオトナになるにつれ、そういうもんだ、と理解して(諦めて)飼い慣らし、やがては感じなくなってしまう。この詩集のおかしさや怖さや淋しさは、飼い慣らされる前の、あの感覚を思い出させてくれる。

それにしても、この詩たち。1行、2行、3行と、ふんふんふんと味わいながら進んでいくと、最後の1行で、いきなり、ぽんっと放り出される。「飛躍」は詩にはよくあることだけれども、俊太郎さんの飛躍は、スケールが大きい。視界がぐるりと大きくまわって、とつぜん広大な景色があらわれる。思わず、あ、と、うろたえて、うろたえたとたん急速に音が消えていく。しんと静まりかえったその景色の中に、ひとりぽつんと取り残される。

たとえば、『ふたり』という詩。
どんな詩かといえば、「そいつ」と「わたし」のけんかの詩である。(なんて書いちゃうとミもフタもないけれど、全文引用するわけにはいかないので)

  『いきなりそいつが わたしをなぐった
   わたしもそいつのきんたまけった』

と、けんかの描写がいくつも続く。
かなり真剣なけんかが、妙におかしい。
だが、この詩の最後は、こうである。

  『のはらにころがる ふたつのしたい
   かみさま どうかごらんください』

そのとたん、あたしはひゅうっと天までのぼり、『ふたつのしたい』を見おろしている。自分の記憶の中に「のはらにころがるしたい」があるわけはないのだが、それが妙にくっきりと見えるのだ。だだっぴろい野っ原のまんなかに。

もしかしたら「戦争」なんて、こんなものかも。「かみさま」から見れば、こっけいで、子どもじみた、哀しくて馬鹿げた「けんか」でしかないのかも。

ふとそんなふうに思ったけれど、でもそれはやっぱりあたしがオトナだからで、子どもの目から見たら、ただただ「ばかみたい」と大笑いするか、どうしようもなく「怖くて」大泣きするかの、どちらかもしれない。

子どもの頃のその感覚を、俊太郎さんは知っている。今でもからだの中で飼っている。飼い慣らすことなく、共に生きているのだ、と、この詩集を読むと、あらためて思う。
 
そしてこの本は、巻末に「英訳」がついている。あたしのような語学が不得手な者でも、詩ならなんとか意味が掴める。どこか童謡のようなリズムを持つ俊太郎さんの詩が、英語になるとどうなるのか。英詩ならではのリズムが生まれ、不思議な味わいがあるものもあり、それもまた面白い。英単語とくらべることで、日本語のコトバをひとつひとつあらためて味わえる、というのも新しい発見だった。日本映画が国を超えて評価される今、書物もどんどん国境を越えていってほしいから、「国際版」と銘打ったこういう本がもっと出版されるといいなと思う。一冊で二度美味しい、お薦めの詩集です。

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2007/03/05 01:52

投稿元:ブクログ

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2010/07/06 22:29

投稿元:ブクログ

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