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幻の終わり(創元推理文庫)

幻の終わり みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.3

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

装丁が好き

2001/06/04 00:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 舞台はニューヨークの新聞社。ベテラン社会部記者ジョン・ウェルズを主人公とするハードボイルドシリーズのこれは第二作目にあたる。社会部新聞記者が主人公という時点で、他のハードボイルドとはひと味違うのは承知の上でも、このサスペンス感、ロマンチックな恋、センチメンタルな展開、個性的というか一癖あるというべきか。謎の女を追う設定の話はよくあるが、その女の描写にただうなるのみ。

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凍てついたマンハッタンのビルの谷間から、内戦で混乱するアフリカの内奥へ、そして、もはや埋めることのできない人と人との間に横たわる溝へ、かつては暖かなものが宿っていた心の部分へ――確かな筆致が捉えていくハードボイルドな空間。

2009/06/10 13:44

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ハードボイルド小説の特徴として「非情」「冷徹」といった要素が挙げられるのならば、そもそもこの題『幻の終わり』からして、それらをよく表している気がする。
「幻はしょせん幻であって、いずれ消え去る。幻にとらわれて翻弄されたり魅せられたり、そういう忘我はいつまでも続くものではない」――題名があらかじめ、このような宣告を下していたではないか。
 さらに付け足すなら、「忘我のまま死んでしまえば、それをもって死者が抱えていた幻も終わりを告げるのだ」――注意深い読者であれば、そのような断りを響きとして聞いていたに違いない。

 物語の筋がいくつもよられながら物語の構成が綿密に練られ、ありとあらゆる要素が盛り込まれた壮大なスケールの小説も良い。だが、『幻の終わり』には、「ある女性の幻」という材料で一貫させて1つの事件の顛末が書かれており、展開が分かりやすく、分かりやすい分、幻に取り込まれていく人間たちの迷いが深い印象を残す。
 ハードボイルドならば、どこか世をすねたような探偵が登場するものだが、ここではニューヨークに生きる社会派の新聞記者、所謂トップ屋が主人公となっていて、彼が幻に憑かれている間は事件を解いていく鍵が見つからない。しかし、幻から覚めたとき、誰がどう仕組んだ事件だったのか全容が見えてくるという運びになっている。
 幻の主題が途中で切れてしまい、ストーリーが大きく捻じれてしまうという解釈を池上冬樹氏がして、「幻の主題で押し切って欲しかった感じがする」というような解説を添えている。しかし、幻が終わるからこそ事件が解決に向かうというのは、決して「ツイスト」ではないだろう。「幻のあとさき」を書くという流れで、それは一貫しているものなのだと私には思える。

 その夜もトップ記者のウェルズは、ブルックリン区長の収賄事件を追い詰める記事を上げ、新聞に対する考え方が自分と合わない編集長にひと泡吹かせたところだった。大仕事を終えた後の祝杯を同僚たちと記者クラブで上げていた。同僚のなかには、ウェルズに思いを寄せる魅力的な女性記者もいる。
 そこに通信社の支局長と、ピューリッツァ賞をもらったことがある時事週刊誌の編集長が、コルトという海外通信員を伴ってやって来て合流する。コルトは戦場や紛争の絶えない国など危険な土地に赴くタイプの記者で、その名をよく知られているが、仕事柄マンハッタンでは見かけない顔である。
 コルトは洞察が鋭い。記者として互いに認め合えるものや同じ感覚があるということにも魅せられ、ウェルズは彼のホテルにまで寄って深酒をする。しかし、そのような出会いの翌朝、コルトはホテルのスタッフを装った者に殺され、ウェルズは目撃者となる。
 自分が前夜起こした記事が、スクープとして朝刊で注目されるなか、ウェルズは犯人との格闘で傷つけられ、今度はマスコミ各社に追われる身となってしまう。
 物語は、殺人現場から逃げ去った犯人に再び襲われながら、ウェルズがコルトの過去を探って事件の背後にあるものをつかんでいく姿を追っていく。アフリカの内戦に揺れた国での報道活動と、そこにいた女性の存在が絡んでくる。

「相当なハードボイルドだ」というよりは「相当な小説だ」と思わせるのは、アフリカの架空の国における人的支援の設定、報道というものの在り方など社会的な要素をがっちり読ませる点である。
 それに加えて、男も女も、そういう人物がどこかに必ずいるであろうことを確信させるほどに鮮やかに描かれている。聖人的な人物であろうと、殺人犯であろうと、誰もが持つ、その人なりの持ち味というものが巧みに表現されている。とりわけ、アフリカにいたという幻の女性とウェルズを取り巻く2人の女性、この3人の女性の描き分けが素晴らしく、事件の真相究明の進展と同時に、彼女たちに影響されるウェルズの微妙な内面の変化に引き寄せられて読み進めた。

 そして、最も「やられる」と感じ入るのは、上のような筋の紹介、特徴の紹介だけでは決して伝わらない、全編を覆う何とも切ない雰囲気である。「詩情」と言い換えることもできるだろう。
 それは冒頭のマンハッタンの冬の描写からすでに始められる。読み手の脳裏にじっくり映像が浮かび上がってくるよう、丹念な描写がしばし続く。やがて、物悲しい人間たちの内面に入り込んでいくには、そのような慎重な筆さばきが欠かせないのである。
「酔わせるハードボイルドはこうあってほしい」と思わせられた箇所を1つだけ書き出し、次なる心酔者を期待して終わる。

だが、それでもわたしたちは互いの眼をのぞき込みながら、その奥にある怯えを見つめながら、その場に立っていた。一瞬わたしは、ふたりが共通の地点に歩み寄ろうとしているような気がした。それぞれがいったん消滅したのち、すぐにまた再生される場所に。ふたりであと一歩ずつ踏み出せば、今までとはちがった意味で、もっと完全な意味で、一緒になれる場所に。(P124)

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2004/10/06 16:21

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2006/09/12 00:20

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2016/01/14 20:45

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2013/10/19 17:50

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2015/07/25 13:37

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