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十角館の殺人(講談社文庫)

十角館の殺人 みんなのレビュー

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みんなのレビュー491件

みんなの評価4.2

評価内訳

491 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

犯人はこの中に…あれっ?

2002/01/28 21:18

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:(ナツ) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私はある時期からミステリを読まなくなった。ミステリなんて暇つぶしの最たるものであり、老後の楽しみに取っておけばいい、問題はパズルを解くことではなく世界を変革することである! というわけだ。若さゆえのありがちな短絡である。
 やがて私は少しだけ年を取り、その手の考え方の窮屈さにふと気が付いた。考えてみれば、人生とは味わい楽しむものである。そしてそれは必ずしも、「世のため人のため」と相反するものではない。こうして私は、幼い頃に慣れ親しんだ怪盗だの名探偵だのの活躍する世界への扉を再び開いたのである。

 私は「犯人当て」が好きである。そしてけっこう当たるのである。この間は『金田一少年の事件簿』の犯人を、キャラクター設定の段階で(!)見事に当てたのである(えっへん)。しかし、『十角館の殺人』には見事に完敗してしまった。

 この作品は冒頭の犯人の独白から始まる。犯人の動機は復讐だ。犯人は呟く。「一人一人、順番に殺していかねばならない。丁度、そう、英国のあの、あまりに有名な女流作家が構築したプロットのように−じわじわと一人ずつ。そうして彼らに思い知らせてやるのだ。死というものの苦しみを、悲しみを、痛みを、恐怖を」。

 このあたりがミステリ読みの琴線に触れるところだ。犯人の独白は一見したところ情念の吐露に見えるが、ほかならぬミステリ(有名な女流作家の構築したプロット!)への自己言及によってそれが無化され、言説の虚構性が際立つのである。

 そして綾辻は登場人物の一人に(「新本格」なるジャンルへのマニフェストとしてしばしば引用される)次のような台詞を言わせている。「僕にとって推理小説は、あくまでも知的な遊びの一つなんだ。小説という形式を使った、読者対名探偵、読者対作者の刺激的な論理の遊び。それ以上でも以下でもない。だから、一時期日本でもてはやされた”社会派”式のリアリズム云々は、もうまっぴらなわけさ。1DKのマンションでOLが殺されて、靴底をすり減らした刑事が苦心の末、愛人だった上司を捕まえる。−やめてほしいね。汚職だの政界だの内幕だの、現代社会の歪みが生んだ悲劇だの、その辺も願い下げだ。ミステリにふさわしいのは、時代遅れと云われようが何だろうが、やっぱりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒な大トリック…。絵空事で大いに結構。要はその世界の中で楽しめればいいのさ。ただし、あくまで知的に、ね」
「無粋きわまりない警察機構−黄金時代の名探偵たちが駆使したような、華麗な“論理”や“推理”とは似つかない、でいてそれを越えてしまった捜査技術の勝利に拍手を送る気にはなれないってことだ。現代を舞台に探偵小説を書こうという作家は、必ずここで一つのディレンマに陥ってしまうことになる。そこで、このディレンマの、最も手っ取り早い−と言っちゃあ語弊があるか−有効な解消策として、さっきから云ってる“嵐の山荘”パターンがクローズ・アップされてくるわけさ」

 ああ、またも自己言及が。(^_^;)

 ともあれ、この作品のトリックはコロンブスの卵のような斬新なものである。本書を読了した人は、その手があったか、と感嘆し嘆息した。その声は全国津々浦々で観測されたと伝えられる。未読の読者諸君。綾辻行人による挑戦を、あなたも受けて立ってみてはどうだろうか?

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紙の本

あの夜、世界が変わった

2001/01/05 00:48

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 深夜3時をすぎた頃だった。この作品の、皆が言うところの「あれ」に出会ったのは。
 あのときの興奮は今もはっきりと思い出せる。ベッドに潜って本を読んでいた私は、思わず飛び起きて、「あ!」と声を出して叫んでいたのだった。
 はじめは何がおきたのかわからなかった。とにかく、ぞくぞくと鳥肌が立った。そして何が起こったのかようやく気づいたとき、自然に笑みがこぼれた。「参りました」とつぶやいた。
 ミステリが好きで本当に良かった、と思った。ミステリを好きでなければ、この作品にここまで感動できるのだろうか。本が好きでなければ、文章のゲームに興奮することがあるのだろうか。嬉しすぎて眠れない、という幸せを、私はこの夜はじめて経験した。

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紙の本

『新本格』の幕開け

2002/12/26 01:37

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アシェ - この投稿者のレビュー一覧を見る

綾辻のデヴュー作にして、いわゆる『新本格』の幕開けを飾った作品(余談ですが、『新本格という言葉は、かつて笹沢左保が世に出た時にも使われたので、何か他に言い方はないものかと思うのですが)。この作品の魅力は、『一言で世界をひっくり返した破壊力の凄まじさ』にあると思います。のちの作品にも言えることですが、綾辻はトリックやロジック云々より、『いかにして読者を騙すか』に腐心する作家です。その『騙し』が、この作品では先ほどあげた『一言』に集約されて、鮮やかに決まっています。
ちなみに、冒頭で登場人物の一人、エラリイが語った言葉──「ミステリにふさわしいのは、時代遅れと云われようが何だろうが、やっぱりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒な大トリック……。絵空事で大いに結構。要はその世界の中で楽しめればいいのさ」という言葉は、綾辻の『本格ミステリー宣言』ととれなくもありません。このあと続く館シリーズや他の作品を見ても、その裏づけとなるでしょう。さらにこの言葉はこう続きます──「但し、あくまで知的に、ね」。

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もう十五年…。

2002/11/28 03:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねこネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

それまで古典ものを除いて本格推理小説というものをあまり読まず、SFやハードボイルドもの(主に海外物)をこよなく好み、いわんや、ほとんど現代日本の推理小説を読まず嫌いしていた十代の小娘(笑)を深く反省させた作品。
「日本の作家でもこんなにおもしろい推理小説を書くのか…! 今まで読まなくてなんてもったいないことを!!」
あれからもう十五年も経つのですね…。

本書の内容などについては他の方に任せるとして、とにかく、今まで推理小説を読んだことないけど何か読んでみたい、という方におすすめします。絶対満足すること請け合い。ここに始まる綾辻サンの館シリーズは、読書嫌いのあなたを癒す特効薬かも(読書嫌いな人がこのHPを読んでるとも思えないけれど…)。

だまされたと思って、是非ご一読を!

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紙の本

犯人わからず

2002/06/12 01:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにーた - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本が発売されたときに偶然購入したわたしは運がよかった。それからおこるミステリ本格派の流れをリアルタイムで体験する幸運に恵まれた。この本がそんな大きな一石になるとはその時は思ってもいなかったのだけれど。

離島の館で大学生が一人ずつ殺されてゆく連続殺人物。人物の描写も今だったらもっと上手く描けるであろうが、不満を唱えるほどではないと思う。
何よりもトリックが斬新。この犯人を見破った人は何割いるのか? 手がかりは全て提示されているはずなのだけど。よく計算されていると思う。

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紙の本

興奮するミステリー

2002/03/25 22:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:冴   - この投稿者のレビュー一覧を見る

 綾辻行人のデビュー作、「館シリーズ」第1弾。綾辻さんの他の作品も読んでますが、私は「十角館の殺人」が1番好きです。

 外部との連絡が一切とれない無人島、気心しれた大学のサークルの仲間、まるでマーダ-ゲームのように次々起こる殺人事件、

 徐々に減るメンバーの中に犯人がいるのか? それとも、建築家の呪いなのか…

 この話を読み終わった時、私はミステリーを読んで 久しぶりに興奮を覚えました。

 本を読み終え、犯人を知ってなお、読み返したくなる ミステリーを描ける小説家は綾辻行人、ただ一人です。

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紙の本

生き残るのは…ええ?

2001/06/22 13:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた恐ろしい連続殺人。生き残るのは誰か?そして犯人は誰なのか…。

 ミステリ研究会の仲間しかいないその孤島で、一人ずつメンバーが殺されていく。残ったのは二人。となればどちらかが犯人。
 しかし——。意外な人物が真相を語ります。

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デビュー作の新鮮さ

2001/03/02 12:20

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投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 綾辻さんと言えば、本格推理作家としてとても有名な方で、すばらしい作品を何作も発表されていますが、私の中では、この『十角館の殺人』を読んだときのうれしさを越えるものは、他にありません。
 自分が考えもつかなかった答えをそこに見たときの、鳥肌のたつようなうれしさ。その点に関しては、この作品が、私の中では一番なのです。
 もちろん、文章力、表現力という点では、最近の作品の方が良いと思いますし、いろんな意味での巧さは、作品を重ねるごとに出てきていると思っています。
 でも、純粋な驚きや興奮というものが伴う作品というのは、初期(とくに一作目)にあるという方も中には、いるのではないでしょうか。
 島田荘司さんの場合も、一作目の『占星術殺人事件』がそうでしたし、綾辻さんのこの作品も、私の中ではそうなのです。
 ほんとうに、「あっ」と思わず声が出てしまう驚き。この本には、それがあるのです。
 もちろん、その後の作品にもすばらしいものは多く「おおっ」という驚きはありますし、元々才能のある方だからこそ、一作目から光る作品が書け、今もなお、本格推理ファンに愛される作品を続々と発表されるにつながっているのだと思っています。
 でも、やっぱり、私の“記憶に残る一冊”は、この作品なのです。

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紙の本

普通に面白い推理小説。

2002/06/12 00:45

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 綾辻氏は社会派推理小説がお嫌いのようだ。恨みがあるのかもしれないが、それぞれ目的が違うのだから、お互いを尊重しあえば良いと思う。そして松本清張が基本的に本格系よりも重厚で内容が重く、文学的であるのは事実だ。
 文学性を求めていないのなら、恨み言など言わずに売りであるトリックや独特の雰囲気に磨きをかければ良いのだ。文学性を求めるのなら話は別だが、そうでないのなら、己の道を行けば良い。
 小説中は、いかにも若いミステリー通というか、おれは知的だ!とでも言うような自画自賛的な雰囲気が、キャラクターに現れている。例の仕掛けもミステリー通が好みそうだ。
 私はミステリー通でもなく、自意識過剰でもないが、本書は普通に面白かった。しかし思うのだが、本格推理小説に社会派のような人物描写の巧みさを要求することは出来ないのだろうか。まさかあえて深みを持たせないようにしているのか。トリックを考えることは難しいが、人物描写は少し気を付ければ何とかなると思うのだが。

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名作です。

2016/03/10 23:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る

綾辻さんの名作中の名作だと思います。
トリックや設定なども
本格ミステリーの王道の作品だと思います。

連絡手段のなくなった孤島と
対岸とで並行で話が進んでいきます。

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そう来たか…

2016/02/19 19:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:honyomi - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者ご本人も仰っているように、
「そして誰もいなくなった」の影響を受けて書かれています。
でも、だからと言って、そのまんまパクリというわけではありません。
最後には「お前だったのか!」と驚かせてもらえるでしょう。

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紙の本

新本格15周年ということで。

2002/11/17 13:13

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投稿者:みゅーすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今年で新本格が15周年を迎えました。
その新本格の発火点でもある綾辻行人氏のデビュー作、
いや、新本格のスタート点であるこの『十角館』
を読んでみてはいかがでしょうか。

九州の孤島に立っている十角館……
そこの館にある全ての物は十角形の形をしている。
訪れるのは大学のミステリ研究会の会員。
次々に起る連続殺人事件。

今も色あせないミステリ好きの為のミステリ。
ちょっと手に取ってみては?

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紙の本

これが「推理」小説か

2002/03/22 13:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:渡次 慶 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 初めて読んだ綾辻氏の本は『殺人鬼』でした。この時点ですっかり「ホラーの人だ」と勘違いした私は、それ以後氏の名前を見るだけでビクビクおびえてました(だって本当に怖かった…)。そして今になってやっと、この本を手にするに至ったわけですが。

 もともと推理小説に「解く楽しみ」を求めるタイプじゃない、探偵が独自の方法で「解き明かすのを読む」ほうが好きだった私なのに、この本を読んでいる間はずーっと無い知恵を振り絞り考えていました。「何故こうなるのか」「誰がどうしたのか」考えてもどうにも分からない。そして最後に脱力、タメイキ。この作品が評価されるのは、分かるはずなのに分からなかった、そのことに対する読者からの賞賛と悔しさのせいじゃあないでしょうか…(笑)。
 書き方は、本当にフェア。「こんなの分かるわけない」とは言わせない。公平さにおいては他に類を見ないほどだと思う。作者との勝負、完璧に白旗でした。

 確かに動機・詳細において疑問を感じる部分もあるけれど、キャラクターの作り方はとてもユニークで面白い(私も研究会には入りたくないな…/笑)。不思議な存在感を持つお寺の放蕩息子・島田潔が、個人的には特に好みでした。

 ミステリ初心者にとって「これが本格かあ」と納得させられる一冊。勉強になりました。

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紙の本

骨太!!

2001/06/14 09:08

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投稿者:まちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 綾辻氏の作品は男性的で骨太!! なにもかもがしっかりとしていて読者をう〜んとうならせるのがすっごい上手い。私のゆるんだ脳を鍛えてくれる。
 この「十角館の殺人」は本当にすっごいハードな脳運動になること間違いなし。運動の後のスカッとした快感が病みつきになるでしょう!!

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紙の本

綾辻読み始めにはこの本を。

2008/07/14 23:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 有名過ぎるほど有名な、綾辻を読んでなかったのはなんとも失態。少し避けていた、というのも事実。有栖川有栖が好きなら読むべきでしょう。

 綾辻自身は、有栖川有栖などと並び、本格推理小説の第一人者であり、実行者、そして「新本格」の生みの親である。なので、もちろん推理はフェアプレイ。今作の結末は、いささかアクロバティック。見事な結末。小説の構成からして何か仕掛けがあるとは思っていたが、まさかこういう風に仕上げるとは。

 モチーフは、クリスティの『そして誰もいなくなった』。ただ、モチーフと言っても、ここでネタバレになるような結末ではない。

 嵐の中、無人島の「十角館」に閉じこまれるミステリサークルの面々。半年前にその島で起こった、「青屋敷の謎の四重殺人」、そして再び起こる殺人。天才建築家・中村青冶が再び凶行に走ったのか、それともサークル内に犯人が?論理推理を軽やかに覆す結末が冴える、綾辻の記念すべき「館シリーズ」第一作。

 探偵役は、島田潔という寺の三男坊。ひょうひょうとして、ひょろっとしている風貌。その島田が大活躍か、と問われればそうではなく。島田は本土にいる為に、十角館には関連しない。彼が関わるのは青屋敷の方の推理。島と本土で二つの事件が交互に解かれ、最後に合わさる構造。先ほども述べたが、この合わせ方が面白い。

 今作は、館そのものにまつわる視覚のトリックと先入観が推理を誤った方向に導く為に使われている。最後は冒険活劇みたいな、決して安楽椅子探偵では終わらない結末になるが、そこにも館そのものが関わってくる。この「館シリーズ」は、まさに館が主人公になっている、と言うことが出来る。

 また、ミステリサークルの面々の名前を歴代ミステリの巨匠の名を被せ、それでいて、十角館で次々と彼らの推理をあざ笑うかのように殺していく綾辻の手法、そしてその姿勢は、「一筋縄ではない」ということをこちらに思わせる。本格推理が低迷していた時期にデビューした綾辻にとって、この小説自体が当時の風潮に対する何らかの提言になっているように思える。「本格とはこういうものだ」という思いと、「過去の本格を越えていく」という思いが折り重なっているような、そんな思いをびしびしと感じる。

 そんな人間が書く小説が面白くないはずがない。

 エラリイ・クイーンみたく10作予定らしいので、なかなか楽しみなシリーズ。

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