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紙の本
身につまされつつ笑ってしまう「ひとり博打」収録
2004/04/06 10:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
麻雀小説で虚名を売るようになったかつての雀ゴロ「坊や哲」が消えたかつての仲間を探して過去を探訪する「11人目の雀鬼」シリーズ4編を含む小説集。麻雀・博打小説はいつもの味わい変わらぬ面白さだが,おまけみたいな形で色川武大名義で書かれた「ひとり博打」が収録されていてこれが滅法面白い。
ロバート・クーバーというヒトが書いた「ユニヴァーサル野球協会」というとんでもない小説がある。野球ゲーム(だから野球ぢゃなくてサイコロやカードを使って行う野球ゲームなんだよ)に取り憑かれたヒトリの男が主人公で,彼はただゲームをやるだけでは飽き足らず,そのゲームを行うリーグを作り全米にチームを配しそれぞれに所属選手を割り当て,彼らの性格,力量,年収から性的嗜好までを決め,年間に1チームにつき百試合以上をこなし(ゲームだから彼自身がサイコロを振ってカードをめくってスコアブックをつけるのだ)……という話なんだが,「ひとり博打」の主人公の「私」(色川さん本人としか読めないが)はそれの相撲版を小学生の時に始めてしまうのである。
最初は幕内力士だけでやっているのだが,そうすると下の方の力士は負けても地位が変わらないのでやる気がでない(ってやる気もヘチマも力士役は彼の両手なんだが)。これを解消するためにってんで十両を作り幕下,三段目,序二段……とエスカレートしていくところは「ユニヴァーサル野球協会」にそっくり。力士ごとにカードを作りその整理と取り組みで学校に行く時間がなくなってしまう。……ここまでひどくはないものの,こういう傾向が実はオレにもあるので,身につまされつつ笑ってしまうんだよね。
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