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最後の押さえが、永井荷風です。ご存知の方はあまりおいでにならないかも知れませんね。荷風がフランス詩の訳詩集を出しただなんて、なんとなく「らしくない」感じがしますから。そんな訳で絶版です。困ったもんだ… ただ、私個人は『月下の一群』『海潮音』よりも、ちょっとだけ思い入れは薄い。荷風は詩の言葉を持っている人ではなく、やはり観察者、分析者であったのでしょう。
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フランス近代の詩人の作品から、詩を選び、
日本語にうつした訳詩集。
この中でも、特に気に入ったのは、
「ましろの月」
である。
ましろの月は
森にかゞやく。
という表現と、
やさしくも、果し知られぬ
しづけさは、
月の光の色に浸む
夜の空より落ちかゞる。
という表現が素敵だと思った。
この詩は、全体的に、
儚さのようなものが感じられ、
素敵な詩だと思った。
この本は全体的に見て、
私が好きな雰囲気の詩が多かった。
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流れるように紡がれる言葉
一度に読んでしまうのがもったいなくて、あるものは音読し、あるものは読み終えてすぐ読み直した。
いくつかフランス語原詩も眺めたが、フランス語と日本語の間に横たわる奏でられる言葉の響きの差に驚いた。
彼の中で熟成された、彼なりのフランス詩が投影されたと思うと、とても感慨深い。
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文語自由詩への訳出であるが、読み進めるうちに、その雅語的表現が鼻についてくる。
好みもあろうが、やはり文語は定型詩こそ相応しいと思う。