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昔の日本の文壇の人たちがこぞってロシア文学を読んでいた理由がわかる気がします.清浄で美しい.色あせていない物語の世界です.[2006.10.13.]
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美しい言葉の選び方。
原文で読んでみたいなぁ。
ロシア語かぁ。。。
恋がしたくなりました、
恥ずかしながらw
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少年が初恋をした相手は、実は自らの父と付き合っていた、少年の悲しい現実と、最初は遊びのつもりでも自らの人生の破局へと向かう道へ引き寄せられる父、男という生き物の切ない情景をまとめたツルゲーネフの短編小説。
心理学等では父親は子どもにとって最初の英雄であり、越えられない存在として人間の中に内在化されていると言いますが、本書の主人公が初恋の相手の恋人が自らの父だと分かった時の感情はここから来ているのかもしれないと思いました。
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初恋・・・
有名な話であるという以上の既読感がある。ツルゲーネフが日本の小説に与えた影響は計り知れないものだなあ。
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嫩葉の頃の 恋 を扱った作品では、
ドストエフスキー『白夜』の遣る瀬無い静かな慟哭と
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』~心の落ちつき失せて~
迸る制御の無い愛・・・
この2作がすぐに浮かぶけれど
『初恋』も印象深く、こんな齢の者にも残るものがあった。
初々しく、それでいて誰もが経験済みの その手 の熱病はしっかりと
描きながら、主人公の回想という容を取る事で、客観的な自己陶酔が
見事に表現されている・・と感じた。
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これを最初に読んだのは中学生か高校生の時、いずれにしても10代の小娘には刺激の強い話だった。艶かしい官能的な話だと思った。といっても裸の男女がもつれ合うシーンなどない。
ヒロインのジナイーダは取り巻きの男達を思うがままに支配し女王のように振舞う。ある時崇拝者の一人の腕にピンを刺したり、ややサディスティックな面を持つ。一方でウラジミールの父親と密会している時は彼の打つ鞭を受け止める。「痛み」がある種の愛情表現になっていて、それが絵も言わぬ艶かしさを醸し出している。
主人公ウラジミールの心の動きも、思春期の揺れ動く心情が巧みに描かれている。
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題名こそ初恋であるけど、単純な恋愛讃歌ではない。ヒロインも平板で魅力に欠ける。この作品の魅力は、「情熱」に翻弄される人という愚かしいものに対する愛を感じさせること。この一冊でツルゲーネフが好きになった。
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恋愛のトラウマちっくなところとか、自分と父母との微妙な関係とかが細密に立ち上がる。凄い構成と文章力。特に感情とリンクする情景描写に恐れ入った!
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当たり前だが中身が古っ。
そしてワケワカランロシア貴族のお遊び。
高貴な人々とは、きっと一生わかり会えない気がする、
そんなことを実感できる一冊。
そしてそして、なんで今更この本を読もうと思ったのか
自分自身を問い詰めたい。
でも恋は盲目というのは今も変わらんもんなのね。
本自体は薄いので、古きロシアン文学をてっとり早く体験できる。
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狂おしいほどの初恋。
ツルゲーネフの自伝的物語「初恋」
恋とはなんなのか。を主人公ブラジーミルを通して描いた作品。
恋に落ちる。とはよくいうけれど、
この落ちるとか沈む、感覚はなんなのだろう。
彼のジナイーダにどっぷりと沈み込んで身も心も全て捧げた生活へと一変する様は、まさに初恋の衝撃。彼女のことを四六時中考えてしまい、そのことでずっと鬱々とし、恋ゆえに苦しさとも出会う。
初めての恋。というのはいつの時代も大きな衝撃を伴うものなのだろうか。
個人的にはこの溺れるような恋心はなんとなくわかる気がするので、現代にも通用する名作だと感じました。
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ヴラヂーミル·ペドローヴィッチの16歳の頃の恋とその顛末を描いた物語。
恋の相手であるジナイーダは奔放で男心を弄びつつも愛嬌のある女として描かれ、少年の目を通して彼女を見る我々にも、ありがちな容姿への賛美はないにもかかわらずその強い魅力が伝わってくる。作中ジナイーダが恋に思い悩むさまが空想上の彼女の姿に深く陰影を刻み、その美しさを際立たせている。
奔放で気まぐれで美しい女への少年の恋は、しかし思わぬ結末に終わる……。個人的には、ヴラヂーミル少年の恋の結末と言うよりも、むしろジナイーダに共感しながら読んでいたため、彼女の恋の相手よりも、その後の彼女の行く末のほうに衝撃を受けた。
けれどもこの結末こそが「初恋」の苦さを締めるのにはちょうどよく、それ故になおジナイーダを忘れることが出来ないのであろうと思われる。
ただ綺麗な面ばかりを描いているわけではないにも関わらず、ジナイーダの美しさと、初恋の甘さと苦さが際立った素晴らしい作品であった。