紙の本
あまりにも美しいタイトルと、その裏腹な現実
2002/06/07 00:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきの作品では、いろんな語り手がいて、それだけでも楽しい。
この作品では、元警察犬のマサ。
この、マサが、なんともいい味。
洞察力に優れていて、それでいて温かい視線は、作者の宮部さんの視線そのもの
なのでしょう。
マサと一緒に行動する蓮見探偵事務所の面々が、また、魅力的。
探偵事務所をやっているだけあって、酸いも甘いも知り尽くし、
人生の機微をよく理解している所長。
その娘で、調査員の加代子。
妹で高校生の糸子。
糸子の、漫才の相方みたいなのが、今回の事件の中心にいる少年進也。
進也と加代子の出会いは、ちょっと映画みたい。
だって、家出中の進也を迎えに行く途中で酔漢に絡まれた加代子を、
進也が助けたんですもん。
その進也少年のキャラが、いかにも宮部みゆきしていていいんですよね。
活き活きしていて、自分をしっかり持っていて、でもって、ちょっとばかし
生意気で(笑)
真っ直ぐで、で、兄貴をものすごく好きなのね。
家出中の進也の常宿?「ラ・シーナ」のマスターっていうのも、
なんだか、謎めいていて、魅力的。
普通の生活をしていたら知らないような、ちょっと危険なことまで知っているし、
裏の世界にびくともしないという感じで、なんとも頼もしい!
すごく好きです、こういう人。
事件の発端は、なかなか、ショッキング。
だって、駐車場で、炎に包まれた人影が発見されるのですから…。
なんて、恐ろしい。
その裏にあるのは、人間のエゴ。
汚い欲望。
そのために犠牲にされようとしている少年たちの夢のあげる悲鳴。
どうして?
少年たちは、ただ、大好きなことを思いっきり楽しめるのを
喜んでいただけなのに。
そこには、大人達のどんな思惑だって、入りこむ余地なんてないはずなのに。
あまりにも美しいタイトルと、その裏腹な現実。
でも、そんな中でも、進也少年は、兄の意思を受け継いで、真っ直ぐに、
ひたむきに生きようとしている。
そして、それを支えようとする大人だって、確かに存在する。
それが、大切。
投稿元:
レビューを見る
元警察犬、今は探偵事務所で番犬をしているマサの視点からみた事件。
衝撃的なプロローグに、ぐいぐいと引きこまれていくストーリー。
投薬実験の末に起こった事件を背景に、家族のあり方を考えさせられる作品です。
投稿元:
レビューを見る
高校野球のスター選手が全身にガソリンをかけられ、
焼き殺されるというショキングな事件が起こった。
俺、元警察犬のマサは蓮見探偵事務所に飼われる元警察犬
探偵事務所調査員である所長の娘、被害者の弟ともに真相解明に乗り出すが・・・
宮部さんの作品で初めて読んだ作品でした
語り部は元警察犬のマサという設定があのときは斬新でしたね
非常に完成されたミステリーでした
投稿元:
レビューを見る
高校の名投手が殺されたことから始まった複雑な事件を、元警察犬の蓮見探偵事務所のマサの目を通して描いたミステリー。犬視点という珍奇さはあまり感じず、事件を複雑にした「人の弱さ」が印象に残りました。
投稿元:
レビューを見る
裏表紙より『犬の一人称という斬新なスタイルで、社会的なテーマを描く、爽快な読後感の長篇デビュー作、怒濤の文庫版。』
投稿元:
レビューを見る
宮部みゆきのデビュー長編。
俺が宮部みゆきにはまるきっかけとなった作品です。
犬の一人称という珍しい語り口が新鮮でした。
投稿元:
レビューを見る
これは、犬が主人公のやつでしたね。名前は忘れたけど、準主役っぽいおとこのこが好きだー
最後にもなっとく!よくつきとめた!
投稿元:
レビューを見る
■説明
探偵事務所にいるマサは元警察犬。その視点から野球部のエース殺人事件の謎をとく。
■感想
赤川次郎をおもうような軽妙な話。だけど読み進むうちに話はどんどんと織られておもったような話ではなかったことに気づく。
読後には、こんな話だったのか。と
最初は赤川次郎からはじまって、最後はロビンクックのような読後感の、才能を感じる本でした。
これが長編第一作だそうです。
投稿元:
レビューを見る
私のTOP1!
宮部みゆき氏の作品。
高校野球界のスーパースターがガソリンをかけて殺されるっとうい事件があり、その関係者と関係していた蓮見探偵事務所の面々が捜査に乗り出していく。。
と書くと単純なんだけど、
まずは、キャラがいい!
主人公の、男の子、探偵事務所の人々、元警察犬などなど。。
事件の根底にある社会的なおおきな問題も考えさせられます。
投稿元:
レビューを見る
警察犬マサの視点で書かれている作品。これも面白いです。そのままマサの視点で読めるのが、宮部さんのすごいところだなぁとしみじみ。
投稿元:
レビューを見る
マサ!…じゃなく(笑)高校野球と聞くと反射的にこれを思い出してしまいます。犬の視点から見る推理小説…。
投稿元:
レビューを見る
焼死体で発見された高校野球のエースの謎をおっていく.物語は思わぬ科学的な展開になるが,宮部みゆきならでは面白さであっという間によめてしまった.
投稿元:
レビューを見る
弟の進也のキャラが魅力的。宮部さんの書く少年って本当に魅力溢れる。
ストーリーも引き込まれる。
でも。兄の死の真実は、悲しすぎる。もうちょっと、他の真実が欲しかった・・・と思うのは、甘いのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
高校野球のスター諸岡克彦が殺された。その殺され方は悲惨なもので、死体は焼かれていた。蓮見探偵事務所で暮らす元警察犬マサが語る。
キラリに借りた本。これはとても好きとゆうか面白いです。宮部みゆき面白い。これではまりました。なに、あれ。すごいカッコイイです進也くん。それにしてもあれです、マサが可愛いです。
この人の文章には魔法がかかってると思います。面白い。
投稿元:
レビューを見る
高校の名投手が殺されたことから始まった複雑な事件を、元警察犬の蓮見探偵事務所のマサの目を通して描いたミステリー。人間の弱さから生まれる犯罪に心が痛んだ。