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【※BL注意】
もう、本当に初期のBLですね。初期も初期! 大初期です。
下手したら「JUNE」と呼ばれていた頃のものかもしれません。
まあ、何でそんなものを私が読んでいるのか、理由はさておいて。
物語は、県立城東高校生徒会副会長・新島重起と私立祠堂学園生徒会長・竹内均の間の出来事。
重起は、朝起きたら、みんなの憧れである竹内と同じベッドの中で寝ていた……という状況に戸惑って、そこから逃げ出してしまう。
実は重起は、随分と前から竹内のことを知っていて、憧れていたのだった。
けれど、突然の出来事にパニックを起こした重起はその場から走り去ってしまう。
一方の竹内も、実は重起のことを想っていたが、これで自分の想いを断ち切れる! と思い、いつも通りの生活を送ろうとし始めた。
けれど、城東生徒会の副会長でもある重起は、ことあるごとに竹内の前に現れ、竹内の望む……けれど、竹内が望まない行動を取っていく。
一方の重起はそうやって竹内の心を振り回していることを知らず、ようやく自分の気持ちを自覚したのだが……
という話でした。
まあなんというか、ぐぐっと懐かしさに浸れる話でしたね。
まず、始まりが「学生寮」っていうのがいい! すっごくいい!
もうこれはBLの中では王道中の王道ですけど、いやあやっぱり古い校舎の「学生寮」ってまた随分と耽美な響を持って聴こえてきますよね。
いやあ……なんというか、文化遺産に近いような気持ちにさせられます。
話はこの本が「長編始めて」と作者さんが言っていたのですが、そんな読みにくさは感じず、普通に面白かったです。
「あー……この時代って携帯ないんだ」
ってのもなんだか、時代を感じて面白かったのですが、古きよきBLを読むには是非読んでみてもいいのではないのでしょうか?
まあ、今のBLを読みなれている人には、大分刺激が少ない作品だと思いますが、JUNEと言われていた時代から、この道を切り開いてこられた作者様に敬意を示して、この評価です。
たまには初心に戻るのもいいかもしれないです。