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紙の本
お能を楽しむのに邪魔にならない好著
2000/10/19 23:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年に入って2度ほどお能を観る機会があった。それまでにも1度しか観たことはなく、それも学生時代の事であったのでほとんど記憶には残っていなかった。
これといった知識も持たずに漠然と観たに過ぎない経験ではあったが、所々で眠くなりながらも能楽堂のかもし出す雰囲気に酔わされ何とも言えず心地よい感覚を味わうことができた。
この心地よさをまた味わいたい!と思うと同時に、「お能」について少しは知っておいたほうがよさそうだとも思った。
そこで「お能」に関する書籍を慎重に探すことにした。
新しい世界のことを書籍で学ぼうとする時は、普段楽しみのために書籍を選ぶのより慎重にしなくてはならない!というのが私の持論だ。
ダメな書籍に出会ってしまえば、せっかく目の前にフワフワと魅力的な新しい世界が開きかけているところを、書籍によってグシャリと踏み潰されてしまう恐れがあるからだ。
慎重に探した結果出会えた本書は、私の期待通りのものであったので安堵した。
「これだけは知っておかなければ…」とか「初心者はまずこの一曲から」などという表現はいっさいない。それどころか「お能の見かたは数かぎりなく」あるそうで決まりなんてないと言い切ってくれる。
『謡の本ばかりと首引きをして、なんのためにわざわざ能楽堂までお能をみにくるのかとふしぎにおもわれる見物もまじっています』とも書かれていて、これは私が感じた違和感とぴったり一致していた。私が訪れた能楽堂でもほとんどの人が手に謡の本を持っていて、見物の間からは一斉にページをめくる音がして、とても異様な感じだった。また、こういう謡を知らないと真に「お能」を楽しむことはできないのかと不安にも感じた。
著者は4歳の時から梅若流の二代目梅若実について能を習いはじめて、自ら能を舞う人であった。お能の専門家を芸術家ではなく職人だ、技術家であるんだと語るところも専門家の口から出る言葉なので大いに納得でき、また「職人」と知ってよけいに好感が持てた。
最高の教科書に出会えて幸せだった。
また一番、なんでもいいので観てみようと思っている。
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