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15年以上前に指摘された政治改革の課題点、中央省庁の権限の強さ、官僚のコントロール、一党支配体制の継続など、自民党政権による利益配分システムがそろそろ見直しをすべき時期に達したとの見解が示されるが、未だもって根源的に改革が進んでいないことに驚きを感じる。
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民主主義の原則である、民衆の運動の視点が弱くないだろうか。
情報公開は、情報公開請求をどんどんすれば実現するもののはずである。
日本では、あまりに請求が少なくないだろうか。
拒絶され、判決でも負けるので駄目だと思い込んでいないだろうか。
必要なのは、政治改革ではなく、民衆の行動そのものの改革ではないだるうか。
本書の課題に気がつく人がどれだけいるだろうか。
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1993年に刊行された本。政治改革の必要性が叫ばれながら、一向に改革が進まない現状の分析と、あるべき改革の形を論じた本です。
55年体制舌の自民党の組織は、個々の政治家の講演会を核にした緩やかな連合体だったと著者は言います。自民党の政治家は、それぞれ自前の資金や票の基盤を持つ起業型の政治家であり、自民党という組織は、そうした議員を追認的に公認し、予算や許認可権限など政府の持つ資源を利権の材料として利用するためのノウハウを提供してきました。その結果、自民党では個々の議員の直接的な利害に関係のない問題、たとえば政治の基本的な理念やヴィジョンを論議、構築する力が弱体化していると著者は指摘します。
一方社会党は、マルクス=レーニン主義を報じるイデオロギー政党としてスタートした組織ですが、それが若手の問題提起を封殺する組織になってしまっているのではないかと著者は見ています。
日本では、こうした構造が55年体制として長く続いた結果、もはや改革なしでは立ち行かない事態に陥ったと著者は考えて、改革のための提言をおこなっています。その中でもとくに、与党内での政策決定のプロセスを可視化することの重要性については、自民党政権時よりも民主党政権時に浮き彫りになったように思います。