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エスパーによって犯罪が抑止されている社会で、殺人を犯した男の話。魅力ある悪党の主人公ライクと、敵役の刑事部長パウエルの駆け引きの数々がスピーディーに繰り広げられます。
藤子F不二雄に漫画化してほしかったなあ、これ。
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面白いです。
警部が非常にかっこよくてどうしましょう。
みたいな。
あの、主人公のイメージ、七色インコ
っぽくないですか?
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今年の春に買って以来「そのうち読もう」と放ったらかしにしてましたが、今日は時間があるし気の向くところまで読んでみるかな、と手に取ったのが運のツキ。夕飯の準備も忘れてハマりまくりですよ。しかもワイン飲みながらベスター読むと回るんだこれが(笑)実に気持ちのよい酩酊感を味わえましたヽ( ´ー`)ノ今はもぅちゃんと夕飯作って食べた後ですよヽ( ´ー`)ノ
アルフレッド・ベスターと言えば、SF史上に燦然と輝くワン・アンド・オンリーな(いろんな意味での)傑作「虎よ、虎よ!」が代表作ですが、この「分解された男」を最高傑作にあげるSF者も多いです。ベスターの処女長編にして、第1回ヒューゴー賞受賞作。初の長編作でこのパワー、恐るべしベスター。ストーリーは実に単純で、いわゆる「犯罪小説」です。大衆文芸としてあまりにもありふれたこのジャンルを、「一般人の犯罪者(ただし恐ろしく有能)」vs.「超能力者の刑事(ただし超能力者ならではの法規制にがんじがらめに縛られている)」の虚々実々の攻防戦として描いたところが、この作品を傑作たらしめている理由です。ベスター最大の特徴である、ジェットコースターの如き疾走感溢れる絢爛華麗な文体が既に確立されていて、超能力者(この作品では「超感覚者」と訳されていて、この言葉の響きがまたcool)同士の発音無き意思疎通の表現が面白いです。後の「虎よ、虎よ!」に通じる視覚性を感じさせますね。
何分にも邦訳初版が1965年(!)の作品なので、翻訳が古臭いのは致し方ないです。が、その時代がかった訳文がまたベスターの世界観に合うんですね。筆が走り過ぎて、主役の犯罪者&刑事がどちらも異様にチンピラくさい喋り方をするのはまぁご愛嬌ヽ( ´ー`)ノ重要なファクターとなる「もっとひっぱる、いわくテンソル」は名訳ですね。一度耳にすると脳裏にこびりついて離れない迷曲として登場するんですが、元の英文を読むとホントに離れなくなります(笑)鴨的には、こちらのブログで評している「エイドリアン・ブリューが書きそうな詞」ってのがむちゃくちゃツボなんですがヽ( ´ー`)ノ 鴨注*エイドリアン・ブリューとは:KING CRIMSONの現ヴォーカリスト兼ギタリスト。満面の笑みで楽しそうに飛び跳ねながら「Red」を弾きまくる謎の男ヽ( ´ー`)ノ
これ、映画にしたら面白くなると思うんだけど。ベスターの作品は版権の関係で映像化が困難らしいですが、ものすごく「絵になる」テキストですからね。宇宙ランドの自然公園で野生動物の潜在意識にモーションを仕掛ける場面とか、最後にパウエルが敵に仕掛ける一世一代の大仕掛けとか、鮮烈なビジュアルがてんこ盛りですから、映画にするならどんな映像表現で攻められるのか、想像するだけでも楽しいですよ。「絵になる」というのは、SFにおいては最大級の賛辞ですからね(-_☆
こういう傑作がゴロゴロしているから、SF読みは止められません!(-_☆
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SFと推理小説の融合というと、アシモフ先生のイライジャ&ダニールシリーズしか知らなかったのですが、こちらも傑作です。
「虎よ、虎よ!」といい、べスターのグイグイ読ませる筆力は半端ないですね。
基本推理小説は面白ければトリックなんぞどーでもいい人間なんですが、これはかなりフェアにルールを守っていると思います。
この騙された、やられた感がたまらない。
しかしこの主人公のベン・ライク、やたらに魅力的で困ります。ロクでもない男なのに応援してしまいたくなる。ここまで俗物的野心家だと、見ていて気持ちがいいですね。
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SF+推理小説。テレパシーのような能力者が出てくる未来の話、エスパーの警察官までいて犯罪は激減している。そんな中巧妙な計画を立て犯罪を行なうベン・ライクと、エスパーの警察本部長リンカン・パウエルの攻防が見事。
本作がアメリカで発表されたのは1952年。もちろん古いと感じる所もあるが、作中のアイデアが素晴らしい。
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ライク家に伝わる殺人の指南書、「のぞき」を妨害する歌、流行の挨拶など細かいアイテムはおもしろいけどあらゆるオチが微妙。
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犯罪者(普通の人間、但し非常に有能)vs警察官(超感覚者:人の心が読める)の駆け引きが面白い。疾走感抜群。
訳文にはちょっと時代を感じるけど、書かれた時代を思えばその斬新さに驚かざるを得ない。もしこれを映像化したら、毒々しさが画面から零れ落ちてくるような、それでいてとてもスタイリッシュなものになるんじゃないかと思ったりした。
「虎よ、虎よ!」よりはぶっとび度が薄い。その分とっつきやすくはあると思う。
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前半は倒叙ミステリー風だったが、さすがに「虎よ〜」の作者だけに、後半はブッ飛んでしまってわけが分からず。訳者の苦労はわかるけど、この翻訳はあまりいただけなかった。
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ベスター凄い!はじめから脇道なしで一気に最後まで走ります。ライク対パウエルの虚虚実実なやりとりが面白い。訳文は古めかしいのですが、それを忘れさせます。題名どおりライクは分解されるのですがこういう分解のされかたとは思わなかった。長い間、積読にしてあったけど、もっと早く読めば良かった^^
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第一回ヒューゴー賞に燦然と輝く「分解された男」は、鬼才アルフレッド・ベスターの処女長編小説。
ベスターといえば超有名な「虎よ、虎よ!」にて、あの破天荒な文体と怒涛のストーリー展開、魅力あふれるジョウント=テレポーテーションのお陰でエンジョイ&エキサイティング&エネルギッシュな読書タイムを味わうことが出来たのですが、いかんせんSF初心者であった当時の僕にとっては、ただただ圧倒されるばかりで、先に挙げたようなベスターが放つ”破天荒さ”や”勢い”、”魅力”を直視出来ていなかった覚えがあります。
でもって、当著。
この疾走感!脈動感!力強さ!荒々しい語気!飛び交う罵声!
「もっと引っ張る、いわくテンソル。緊張、懸念、不和が来た」なんて、イカした歌を織り交ぜるあたり、いいねぇ、やっぱベスターですねぇ。
「虎よ、虎よ!」に比べると多少大人しめな感を抱いたのだが…でも充分であります。
「いいか、殺しのイロハは、大胆・果断・自信だぜ」なんて痺れる言葉をぶっ放すベン・ライクは、すんげえ悪党なんだけど嫌いになれない。
彼を追っかけまわすパウエルをはねのけて、むしろ応援したくなる。
高度に発達した24世紀の未来社会だから、知的でスマート、薄情な印象をもって物語に入るんだが、本を開けた途端、ライクの怒号に始まり、だけでなくライクは苦しみ、大きく笑い、時に弱気になる。
すんごい人間臭いんだよなぁ。
このライクの尋常足らざる喜怒哀楽さに奇妙な好感を抱いちゃう。
そしてこれら物語の奔流が全て頭の中で映像として思い描ける。
これが何より当著の凄さをあらわしていて、SF小説が面白いところなんだよなぁ!
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主人公は殺人犯で、財力と権力を乱用して警察から逃れようとしている悪人。それと同時に、己の内側にある孤独と恐怖から目をそむけ、必死に逃げ続けている、哀れな男でもある。テレパスが増え監視社会が実現し、殺人ということがほぼあり得なくなった時代でのこと。死刑という「野蛮な」習慣はとうになくなり、代わりに殺人には「分解」という刑が待っている。その「分解」の正体はラストで明らかにされるのだが……。
重く暗いテーマだけれど、コミカルな場面を交えつつのユーモラスな語りがあって、その分いくらか軽快に読める。ただそのぶん重さが損なわれている感があって、個人的には同じ作者なら「虎よ、虎よ!」のほうが好きだったかなという印象です。
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心を透視する超感覚者により犯罪が行われなくなった時代。心が読める人間がいるため殺人をしようものならすぐに看破されてしまい、そのおかげで犯罪を未然に防げる。そんな状況で殺人を犯せるのか。設定もそうだけれど超感覚者同士のやりとりがまた面白かった。
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殺人がなくなった時代に起きた殺人事件。時代がいくら進んでも殺人の根源的理由は変わらないな、と。ミステリとSFのベストミックス。
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テレパシーを使い犯罪を未然に防止する近未来。殺人を計画し実施した犯罪者と警察の攻防戦。
非常に読みにくい。訳が悪いのもあるかもしれないが、ストーリーもこんなんで騙せるの?という感じで魅かれなかった。
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ベスターの描く主人公は怒りと情熱に突き動かされている。絶えず動き回らないと死んでしまうような印象すら受ける。
悪の道に染まった主人公のエネルギーの社会的な利用法として分解という手法が出てくる。人間の記憶を消去し再構成するのだ。
これがタイトルの由来である。
訳が古く現代の目では失笑ものの表現が多用されている。