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金魚のお使い 童話

金魚のお使い 童話 みんなのレビュー

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紙の本

11人の子を生んだ情熱の女流歌人のシュールな童話の数々。子供をのんびりと清く素直に育てよう、闊(ひろ)く大きく楽天的に育てようという心持ちの結晶。

2001/11/10 11:25

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投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 画家の高部晴市さんが<きんぎょ>の絵本シリーズを出して、このサイトでも人気を博したようだけれど、その最初の絵本『きんぎよのおつかい』のお話の作者は与謝野晶子だ。この童話集は、そのお話を含み全部で21編のおとぎばなしが収められている。
 若い読者へ向けて、与謝野晶子がどんな人物だったかという導入文を付し、巻末に人となりが起ち上がってくるような流れのある略年譜をも綴じている(読んで楽しい略年譜って珍しい)。本をまとめたのはふたりの与謝野晶子の研究者で、彼女の作品に対する憧れや敬愛が満ち満ちた美しい本になっている。
 童話の本文に先立って掲載されている与謝野晶子の「はしがき」に感動する。1910年に出版された『おとぎばなし少年少女』に添えられたものだそうである。晶子は、それに先立って「少女の友」「少女世界」といった雑誌に童話を発表し続けていた。「はしがき」には、世間に新しく出来たお伽話への不満が歯に衣着せぬ調子で露わにされている。仇討ち、泥坊、金銭に関した事とかが書かれているのがけしからんし、言葉づかいが野卑だったり露骨な教訓がけしからんと晶子女史は怒っている。その上で、私がこの感想文のリードに抜き書きしたように、子供に語るお話に対する心持ちが述べられるのでる。
 おとぎばなし集を出したとき、晶子は既に6児の母(4男オウギュストの名付け親は彫刻家のロダンだって。カッコいい!)。お話に使った仮名遣いも子供たちに難しいものではない、実験済みだという鼻息荒めの断言には、一分の揺るぎもない。
 さて、かんじんの童話の内容であるが、これがとにかく楽しい。当時の時局や風物に関する言葉が頻出するので、現代の子どもたちがそのまま楽しめるかどうかは疑問である。が、ここでは、『みだれ髪』や源氏の現代語訳といった晶子の文学的業績からイメージする情熱的な愛と性に生きた女性の姿はなりをひそめ、面白い冗談を言っては子供をげらげら笑わせている太陽やひまわりのようなおっかさんが躍動している。
 表題作の「金魚のお使い」なんて、お使いにやるお手伝いさんの手がないので、兄弟が赤、白、まだらの3匹の金魚を駿河台に行かせることにするのだ。新宿駅から電車に乗ろうとした3匹は、手がないからといって切符を売ってもらえない。特別に乗車を認めてもらうのだが、電車に水を入れてくれと願い出て駅員たちを困らせ、金だらいを電車に運び込んでもらう騒ぎとなる…。
 鳴き声や美しい容姿に恵まれていない蛍が神様の部屋へ訪ねていき、マッチをしゅっと擦ってもらって光を手に入れたという「金ちゃん蛍」が私には印象深かった。
 日比谷公園で開かれる音楽コンクールで出てくる賞品の数々が楽しい「虫の音楽会」もシュールで見事。
 子供は詩や哲学に生きている。多くの子供たちと生きた母親が、偉大なる歌人であり作家であり得た理由がよくわかる作品集なのである。そうそう、竹久夢ニらのカットも素晴らしい。

 

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