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五重塔 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー73件

みんなの評価4.1

評価内訳

73 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

舐めるように味わいたい一冊

2001/06/04 23:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「のっそり」のあだ名で呼ばれる、大工「十兵衛」。親方連にお世辞の一つ二つ言う才もなく、仲間との付き合いもせず、年がら年中下働きの貧乏暮し。そんな十兵衛が、一世一代をかけて五重塔建立を果たすお話。

 究極のエゴイズムに徹し、その結果、究極のものが出来上がる様は圧巻だった。そして、究極のエゴイズムに徹して、究極のものを生み出す人間というのは、つねに内にメラメラと炎を燃やしていなければならないものだと実感した。
 文語体で書かれてあるので、さぞかし読み難いだろうと気負って手に取ったが、そんな心配は読み始めてすぐに吹き飛んでしまった。読み難いどころか、非常に心地良い。十兵衛ほか、親方の源太、感応寺のお上人様など、この文体ゆえにより魅力を感じることが出来た。
 尤も、岩波文庫のものには丁寧なルビが打ってあるので、これがなければかなり辛かっただろうことは確かだが。

 読み終わるのが惜しいような気持ちで本を閉じた後、「果たして自分の内には炎が燃えているだろうか?」と考えた。また、「自分には、一生のうちで究極のエゴイズムに徹する場面が訪れるだろうか?」とも考えた。そして、「少なくとも、究極のエゴイズムに徹する場面が訪れた時には、それがただのわがままであったという事だけにはならないようにしよう!」と心に誓うのであった。

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紙の本

苦労して読む価値あり

2019/05/23 23:26

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

書き出しからして「木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用ひたる岩畳作りの長火鉢に対ひて話し敵もなく唯一人」とくるから、最後まで読むには覚悟がいる。が、苦労して読んでいくと「のっそり」とあだなで呼ばれる技量はあるけど気の回らない大工十兵衛と、人望の厚い崇高な源太親方の世界がどんどんと広がってゆく。十兵衛のあまりにもの「のっそり」ぶりに腹をたて、人間ができている源太親方にまいってしまう。幸田露伴は、この作品をかくにあたって源太親方の親方としての気高さをまず第一に描き上げたかったのかという気がする。主人公の十兵衛よりも親方の印象が強く残った

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紙の本

格調高い文体で描かれる人間ドラマ

2018/06/27 20:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の大工「のっそり十兵衛」は,世話になっていた棟梁・源太を裏切るような形で,五重塔の建立を請け負う。
十兵衛は,釿(ちょうな)で襲われ,耳を切断され,肩に傷を負っても,翌日も休まなかった。
落成式の直前に暴風雨に襲われる。五重塔と十兵衛の運命は?
格調高い文体で描かれる人間ドラマは,まさに不朽の名作である。

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紙の本

圧倒的なデーモンの力

2003/03/11 12:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:仙道秀雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る

最後のくだりを紹介する。

暴風雨(あらし)のために準備(したく)狂ひし落成式もいよいよ済みし日、上
人わざわざ源太を召(よ)びたまひて十兵衛と共に塔に上(のぼ)られ、心あって雛憎(こぞう)に持たせられし御筆に墨汁(すみ)したたか含ませ、我この塔に銘じて得させむ、十兵衛も見よ源太も見よと宣(のたま)ひつつ、江都の住人十兵衛これを造り川越源太郎これを成す、年月日とぞ筆太に記し了(おわ)られ、満面に笑(えみ)を湛へて振り顧(かえ)りたまへば、両人ともに言葉なくただ平伏(ひれふ)して拝謝(おが)みけるが、それより宝塔長(とこしな)へに天に聳えて、西より瞻(み)れば飛檐(ひえん)ある時素月を吐き、東より望めば匂欄夕に紅日を呑んで、百有余年の今になるまで、譚(はなし)は活(い)きて遺(のこ)りける。

幸田露伴がこれを書いたのは明治24年ごろ、舞台は徳川時代の江戸。100年以上前の出来事という設定。書かれた時期が今から100年以上前で、テーマはさらに100年前の話しである。十兵衛を襲った内側から突き上げるパワー、そして、塔が完成したあとの嵐の凄まじさ。時間を超えてこの小説が我々に与える圧倒的なデーモンの力はどうだ。それゆえの静と動の鮮やかな対比。

この塔は実際に谷中に建っていたそうであるが、焼失したという。幸田露伴がこの小説を書いた時点ではこの塔は在ったらしい。この塔にまつわる言い伝えを取材して、人物像を造型してできたのがこの小説ということになる。口承である。

巻末に桶谷秀昭さんの解説がついている。「ところで十兵衛は、その後、どうなったであろうか。偉業をなしとげた職人として、輝かしい棟梁の生涯を送ったであろうか。私は気抜けしたようになって、もとの『のつそり』十兵衛に戻ったか、菰をかぶって路頭に迷う境界におちぶれたかもしれない。」という読み方に賛成である。世間というものはヒトや自然に潜むデーモンを統御しようとするものなのだろう。

露伴のこういう文章に触れると、「読んでよかった」と心底思えてくる。言い換えはできない。読んで感じるしかない。それが芸術だ。確か小林秀雄も言っていた。

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紙の本

谷中の感応寺ヮ今ヮ天王寺

2023/03/30 17:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初ヮ、切れ目なくどこまでも続く文章に
圧倒されて、息切れしそうになりますが、
慣れてくるにつれて、文語文の律動に
身を任せるのが癖になります。

それが癖になる為にヮ、
何しろ音読するのがいいでしょう。

そう言えば、作中の五重塔ヮ、
1957年の7月に、
放火心中事件の結果、
焼失したそうですね。

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紙の本

職人とはこういうものなのか

2001/03/02 16:59

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 文豪幸田露伴(1867−1947)の傑作。
 「のっそり」と呼ばれる十兵衛が五重塔を建設するまでのいきさつを書いた作品。職人とはこういうものなのかと思った。何かに憑かれたように仕事をする十兵衛には感嘆した。
 しかし、明治文語文で書かれているのでやや読むのに苦労する。

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電子書籍

武骨な職人魂

2020/05/04 17:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

空気が読めない十兵衛の、不器用な生きざまに惹かれます。台東区の谷中感応寺にも、足を運んでみたくなりました。

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2005/11/14 21:17

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2006/05/10 19:12

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2006/07/22 21:10

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2006/08/23 22:51

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2007/04/07 20:30

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2007/08/11 15:52

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2007/11/20 20:35

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2008/01/16 08:07

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