投稿元:
レビューを見る
マーク・トウェインの著作。旧約聖書の創世記を アダムとイヴ、それぞれの日記で描く。アダムの日記は言葉が幼く挿絵も古代の壁画風。一方、イヴは文章がしっかりしていて、挿絵もアールヌーヴォー風。風刺とウィットが効いたおもしろい作品でした。
投稿元:
レビューを見る
前半はアダムがぶっきらぼうにイブや突然現れた奇怪な動物について、後半はイブが「分かっている」確信の元にアダムの愚かさや世界の素晴らしさを綴った日記。それぞれにそれぞれの個性が出ていて、ふたりがずっと身近に思える。男女の違いを楽しむだけでなく、ふたつの最後の共通した想いの意味をあとがきのマーク・トゥエインの家族感というものと照らし合わせて楽しみたい。創世記や聖書というとどうしてもお堅いイメージだが、要は夫婦間の問題の話なので身に覚えがある人も多いのでは。
投稿元:
レビューを見る
聖書のなかの人物をしてここまでいじることができるマーク・トゥエインがすごい。
しかも犯した原罪に後悔を抱いていないのがすごい。
それでも与えられたものに満足して、愛をささげて死ぬイブも肯定され
同じく無自覚ながら愛を与えて守り続けたアダムも肯定しているように見える。
重要なこととしてはアダムがイブを讒訴したことをきちんと書いていること。
男性の一見理論的と見えつつ卑怯である部分を否定していないことだろうか。
そこいら辺り、きちんと聖書を読まされてきた人間の姿が見えておもしろい。
投稿元:
レビューを見る
トウェインが手に入れたアダムとイヴの日記を解読した、という設定。
センセーショナルな設定だけに、いろいろな読み方があるだろう。
しかし個人的には、ドタバタ劇や滑稽なコントとして話は進み、テーマは男女の機微や愛だと感じた。
コミュニケーションの不可能性や、男女の相違などもテーマに含まれるだろう。
アダムが赤ん坊カインを人間だと思えず、「魚だ」と思い、「カンガルーだ」とお思い直し、やがて「熊だ」と思うところは笑いながら読んだ。
そしてイヴのもつ魅力。
コケティッシュでたくましく、しかしアダムを献身的に愛するその姿には惹かれてしまった。
イヴの墓の前で
アダムの言葉。――たとえどこであろうと、彼女のいたところ、そこがエデンだった。
という一章はかなりの衝撃だった。
投稿元:
レビューを見る
聖書をもとに書かれているため知っている有名なエピソードもあるが、大多数は元ネタもわからず理解できていないものだろうと感じる。ユーモアの要素は感じるが、それがおもしろいとまではいかない。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通り、もしもアダムとイヴが日記をつけていたら…という物語。アダムはぶっきらぼう、イヴは詩的な文章。著者なりの男女観もあるとは思うけど「確かになあ」と納得できる箇所もあり。今回は一気に読んだけど、アダムとイヴの章を交互に読み比べてみるのもまた乙。年譜で執筆背景を知るとさらにグッとくる。面白い本の定義はその時々で変わるけど、こちらはいつ読んでも楽しめそう。忘れがちだけど、私たちは皆アダムとイヴの末裔。壮大な歴史の中に生きている事実に、思わず感嘆の溜息。