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紙の本
同業者を論じる男
2015/11/09 21:36
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1937年に出た本なので、著者のヴィリー・ミュンツェンベルクがドイツ共産党から除名されて、彼の妻のバベッテ・グロースの妹のマルガレーテ・ブーバー-ノイマンの事実婚の相手でもあるハインツ・ノイマンがソ連で銃殺された年(ロシアの歴史にとって「1937年」という年号だけでも忌まわしい出来事を示す)に、まだドイツ共産党から除名されていない時期に彼が同業者であるNSDAP(通称ナチ党だが、訳者はNSDAP側が使っている場合は「国民社会主義」と訳しているのはいい)の宣伝を批判している。
言ってみればヒトラーの政権掌握であっけなく壊滅したドイツ共産党の宣伝マンが政敵の同業者による宣伝を批判している本だ。いくつかの固有名詞を取り替えれば、ソ連やドイツ民主共和国を批判出来るような内容になりそうなのは、政治的な宣伝だからだろう。もしミュンツェンベルクが1940年に死んでいなかったら、義理の妹のマルガレーテ・ブーバー-ノイマンのようにソ連を批判するような本を書いていたかもしれない。そこで彼がソ連の宣伝を反駁していたら、どういうものになっていたか、と考えると興味深い。
111~119頁にNSDAP側のソ連に対する「悪宣伝」に対する反論が記されている。ゲッペルスの発言は数字がオーバーだが、間違った事を言っていない。それだけ当時でもソ連の実態を示す情報が国外に漏れていた事を示す。ミュンツェンベルクが「プロレタリアートの祖国・ソ同盟」に行っていたら、ハインツ・ノイマンをはじめとする他の「同志達」のように銃殺されていたか、「軽くても」マルガレーテ・ブーバー-ノイマンに代表される「同志達」のようにラーゲリに送られていただろう。彼も薄々はソ連の実像に気がついていただろうから、どういう気持でゲッペルスの発言に接して、反論をしたのだろうか?
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