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ボルヘス晩年の短編集「砂の本」と初期の短編集「汚辱の世界史」が収録。
んー、どっちも何かなー。
「砂の本」は晩年の作品だからか洗練されてる感はある。けど、「不死の人」や「伝奇集」にあったような重層感とか超現実感には乏しい感じがして普通。
「汚辱の世界史」は歴史小説的なもので、「吉良上野介」を題材に取り上げてるのはすごい。ボルヘスの赤穂浪士に対する見解が見れて面白いが、訳が変。ボルヘスは「〜でござる」とはスペイン語で書いてないはず。その他の部分も変に意識して訳してあってイヤ。普通に訳して欲しい。「エトセトラ」が一番ボルヘス調が出てて面白いんではないでしょうか。
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ボルヘスを読んでいると、なぜかはよくは分からないけど、ごく深夜のラジオを思いだす。落ち着いた声で喋るお話。
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米澤穂信の100冊その54:ミステリ作家としては「死とコンパス」「アベンハカーン・エル・ボハリー おのれの迷宮で死す」等をあげるべきかも。「ドン・イシドロ・パロディ」も。とのこと。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%98%E3%82%B9
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むちゃくちゃ難しいです。「考えるな 感じろ」ってことですかね。「砂の本」(wikipediaを予言したような話)よりも、冒頭の作品「他者」が印象に残ってます。全てが煙に巻かれるような作品群。
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ようやく読み終わった。だいぶ時間がかかってしまった。
この本は、限られた時間に読むべき本ではない。何時までとか、この時間内だけとか、そういう決められた時間にさらりと読むに相応しくない。たっぷりとした時間を有している時に " さあ これから読むぞ " と心を決め、どっしりと構えて読むような本である。私はそう思う。
小説でも物語でもなく文学である。
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もう一つの代表作である短編集。伝奇集の代表作が「バベルの図書館」なら、こちらは表題となっている「砂の本」でしょうか。第一ページや最終ページを開けることができないし決して読み終えることもできない、という恐ろしい(?)本の話。
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短編集『砂の本』と、歴史上の悪党を取り上げた列伝風の散文集『汚辱の世界史』を収録。ボルヘス3冊目。この作品でも繰り返される〈円環〉、〈無限〉といった幻想的なモチーフに酔いしれる。収められた物語はどれも魅力的で、強烈なイメージ。その短さをもったいなく思うこともしばしば。
博識っぷりにも圧倒されるものの、やはりどこか胡散臭さも感じてしまう。まあ、そこが魅力でもあるんだけどw。
「円盤」、「砂の本」、「学問の厳密さについて」あたりが特に好き。
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作品集「砂の本」+「汚辱の世界史」+α。
『伝奇集』より読みやすかったけど、
なんというか……シュール。
一般的な意味合いとはちょっと違うニュアンスで。
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”砂の本”、”汚辱の世界史”から成る短編集。だが”砂の本”自体が掌編の集まりであり、”汚辱の世界史”も史実の人物の紹介と掌編による作品なので、単に短編集と書くのは違うかもしれない。
”砂の本”は13の掌編とボルヘス自身による後書きを加えた構成である。通い慣れた公園で過去の自分と出会ってしまう”他者”。無いはずの物を在ると信じ込み、積み上げてきたものを放り出しても追ってしまう”円盤”。読むたびにページの組み合わせが変わっていく本が出てくる”砂の本”。それら奇妙な設定に惹き付けられるが、その物語から浮かび上がってくるのは人の弱さや醜さである。人の業、人間臭さを感じてしまう。
次に”汚辱の世界史”では、上述のように史実と掌編から構成されている。その掌編は架空の人物と出来事を史実のように記述する。すると史実の文章と掌編の文章の区別が曖昧になっていく。史実と架空が互いに浸食を始め、史実がまるで物語に、物語がまるで本当にあった出来事のように錯覚を起すのだ。現実が揺さぶられていく感覚が読書を通じて伝わってくる。
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現実と非現実。幻。読んでいるうちによくわからなくなってくる。読んだ後にふわーっと考えに耽ってしまったり、取り残されて戸惑ったりする。たまに読んで、異世界に浸りたくなる。んー やっぱ買っとこうかなあ。
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特に強く心に残ったのは、
「砂の本」より、
他者
ウルリーケ
鏡と仮面
砂の本 ★
これらとは一生つきあっていきたい。
「汚辱の世界史」は澁澤風。
「エトセトラ」は別。
無限。円環。夢。運命。セルフと他者。絶対。終わりと始まりの連結。
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「他者」
70過ぎのボルヘスが20歳に見たない頃の自分自身と会うという、ドッペルゲンガー。嘘か本当かわからない話。同一人物なのに、年齢が違うとわかりあえないか。
「ウルリーケ」
作者(老年)がウルリーケという女性とイギリスのヨーク市で出会い、一夜をともにするまで。
「会議」
謎の世界会議の一員になる。結局、会議の目的は果たされなかったが(しかしそれこそが目的だったかもしれない)、解散する最後の夜が貴重なかけがえのない体験になったという話。
「鏡と仮面」
王様に詩を献上する詩人は、最後にはほんの数語のみの(一行?)究極の詩に到達し、彼は自殺し、王様は物乞いになって放浪するようになったという。
「汚辱の世界史」
ボルヘスが語る忠臣蔵もある。
p234 川に死体を投げ込むということはp132(「円盤」)と共通
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2009年2月23日~25日。
相変わらず面白い。
特に「贈賄」「砂の本」にはゾクゾクした。
併せて収録されている「汚辱の世界史」も面白いのだが、ちょっといま一つだったりもした。
吉良上野介の章なんかは、日本人作家が書いたようにも思えて、別の意味で面白かった。