紙の本
史上最低の私立探偵
2019/02/25 07:57
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
酒場とか、チンピラとか、謎の美女とか出てくるところがフィリップ・マーロウのようだ。金欠で行き当たりばったりなのが、カッコいいとは言いがたいけど。
荒れすさんだニック・ビレーンの日常生活の中で、探偵事務所に現れる依頼人その他の言うことが、とにかく荒唐無稽なのだが、接近してくるとびきりの美人がいずれも死神と宇宙人というのが実にケッサクだ。まともな地球人の女は、金のないデブ男など相手にしないことを作者はよく心得ていたに違いない。ゲスな願望を持つダメ人間の滑稽さと悲壮感に作者の屈折した優しさが現れているような気がする。
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これがブコウスキーへの第一歩でした。
他の作家の本はこれほど読んだことはないし、これからもないと思う。
ブコウスキーを繰り返し読んでいれば死ぬまで時間つぶしができると思います。
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ニック・ビレーンは、飲んだくれで、競馬が趣味の超ダメ探偵。ところが、そんな彼に仕事が二つ転がり込む。ひとつは死んだはずの作家セリーヌをハリウッドで見かけたから調べてくれという“死の貴婦人”の依頼、もうひとつは“赤い雀”を探してくれという知人の依頼。突然の仕事に大張り切のビレーンは、早速調査にのり出すのだが…。元祖アウトロー作家の遺作ハードボイルド長編
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ブコウスキーの遺作。とっくに死んだはずの文学者、セリーヌが生きていて、その男が本物かどうかを調べろという依頼を受け、奔走するダメ探偵、ビレーン。加えて舞いこむ奇妙な依頼に振り回される。それぞれがなんとなく「リンク」して、最終的には、唯一腕を買ってくれている知人からの依頼、「赤い雀」を探し当てるところがクライマックス。アメリカ現代社会をベースに、しかし彼の周りだけ少しずれた幻想みを帯びていく。飛び交う暴言、威嚇やゲスな場面もあるが、どこか現実味が薄くフワフワしている。ハードボイルド風の切れ味のある台詞、混乱と滑稽、ネジの緩んだ男たち、強気の美女たち。オフィスにはろくな来客も電話もこない。デスクと電話が一個、あとは酒とルガー。そういう哲学。
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ブコウスキーほんとすき
テキトーにぶっ飛んでて
ロクでもなくて笑える
登場人物のキャラクターもいい
まずpulpっていうタイトルが最高
ニックビレーン、死の貴婦人、セリーヌ、
の3人が顔を合わせるシーンは
好きな映画のワンシーンを観てるみたいに魅力的だった
ほんとうに映画を観てるみたいだった
帯に「ハードボイルド」と書かれてはいるが、
主人公のニックビレーンは凄腕でもなんでもないし、
死にそうになると開き直るし、
つまりロクでもないんだけど、
なぜか無敵感がある笑
でも1番グッとくるのは
ふとした時に見える、
憂鬱さと諦観みたいなものが見え隠れする
ブコウスキー哲学みたいな言い回し
ラストシーンはブコウスキー自身の
人生の締めくくりに対する理想だったのかなぁ、
なんて考えてしまった
なぜだかホロリときてしまって参った
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ちょっとした合間にちまちま読んでやっと読了。
普段と違うジャンルを読んでみたくてオススメしてもらった作品だったが、著者のその他の本を含め二度と読まないだろうなと…わたしには合いませんでした。
なんだこれ? というのが5ページくらい読んだときの感想。
赤い雀など謎ワードには惹かれるが、たいして出てこない。宇宙人や依頼人も都合よく設定に使えると出してるだけ(多分)なので、用が済んだら星に帰るだのバイバイ。
やたら酒とデブと美人が出てくる。争い事を招くのはいつも自分ですぐ脅すくせに、ラスト借金が払えず逆の立場になった時は呆気なく死んでいった。ほんとあっけない。
醜言葉が常につきまとうので最後まで割とイライラしました。