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著者のカリール・ジブランは詩人、哲学者、画家にして、世界的に大きな影響を与えた思想家。その著書である本書(原著は『The Prophet』)は1923年、彼が40歳のときに出版し、今や30以上の言語に翻訳され、累計2000万部が全世界で読み継がれているとのこと。
内容は神の言葉を預かるアルムスターファが架空の町(オルファリーズ)に住む人々に別れの言葉(メッセージ)を語る様が詩的に描かれています。人の生き方などについて、美しく奥が深い言葉で語られている数々のお話は、どれも素晴らしいです。
つねに手元において、寝る前とか安らかな時間を求めるときに、ぜひ読みたい一冊。
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一神教のものだが神を限定しないので読みやすいし、仏教徒としてなじみやすい。しんどいときだと読み切れないか。
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この本、私には難しかった。
来世があると信じているのですね。
大事なことは、助け合い、感謝、愛情、自由にいきなさいですね。
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レバノンの詩人の本。12年の間、孤独に島を過ごした男アルムスタファが島を出て行くときに島民に語った言葉。島民がアルムスタファに愛について、結婚について、子供についてなどなど質問し、アルムスタファが考えを語る。それぞれの考えがとても優しく、深く、心を包んでくれます。繰り返し読んでいきたい本です。
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カリールジブランのこの「預言者」は今の時点で最も心動かされる詩だ。
結婚について、子どもについて、労働について、自由について、などの短い文章が自分の中に深く突き刺さってくる。
「あなたがた二人は一緒に生まれた。それで、いつまでも一緒なのです。共に過ごした月日を死の白い翼が散らしても、あなたがたは一緒なのです」
「あなたの子はあなたの子ではありません」
「労働、それは目に見えるようになった愛。愛なしで、ただ嫌気だけで働くのなら、むしろ働くのをやめて神殿の門のわきに坐り、喜びをもって働く者に施しを乞いなさい」
「あなたがたが自由になれるのは、自由を求めるその心さえ鎧だと感じ、自由を究極の目標として語るのを止めるときだけ」
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労働とは何か?労働とは、目に見えるようになった愛の形。己の精神の息吹の結晶。愛をもって働くとは何か?たとえば天使のように歌ったとしても、歌うことを愛せないなら、その声は届かない。
預言者アルムスタファとオルファレーズのひとびとによる1on1の記録(ではない)
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人生に役に立つ言葉。
言葉の大切さがよくわかる。
多くの迷いや悩みは、人間関係、その中で交わされる言葉が原因のこともあるだろう。
迷った時、悩んだ時、心を軽くしてくれる言葉がこの本にはある。
漢方薬のような本です。
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船井総研の船井さん絶賛の書。皆から慕われるアルムスターファという指導者のような人物が、旅立つ際に、民衆の質問に答えるもの。愛・結婚、子供、働くこと、罪と罰、理性と情熱についてなど、こちらも人生で大切なことを語ってくれている。キリスト教でもイスラム教でもなく、仏教のようにも思えるが、宗教の教えそのものではない。宗教色が濃すぎない分、むしろ納得しやすい気がする。この世は仮住まいの学校のようなものであり、人生は学びの連続であるとする。つまり、思い込みや知ったかぶりなどを廃し、本質を見極めなければならない。「友が思いを語るとき、違う、と思う心を恐れてはならない。そうだ、という気持ちを抑え込んでもいけない」「子供は矢であり、親は弓である。弓を大きくたわませることで、子は遠くまで行くことができる」
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私は少し難しかったです。ですが凄く良い本だということはわかったので、もっと経験や知識を得てから再度読み、本質を理解できるようにしたい。
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人に優しい人は、つらい思いをしてきた人。優しい音色を奏でる楽器は、木をくりぬかれて作られているのと同じ。
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神谷美恵子さんの抄訳を読んで、とても深い内容だな〜と思い、全訳の本書を読んでみた。
こちらもまた味わい深いし、真理があるな〜と思いつつ、全体を読むと、ちょっと宗教的な感じが強まって、やや苦手な感じでした。
著者は、シリア出身の人で、キリスト教マロン派の信者とのこと。ここに書かれている思想は、原罪、三位一体などのカトリック的なものからは、かなり遠いものに感じられ、それがマロン派の教義とどういう関係にあるのかはよくわからない。
マロン派もカトリックに近いもののようなので、ここで書かれているのは、おそらくかなりジブラン独自の思想なんではないかな?
基本的には、神との一体感というか、自分のなかに神がいるというより、神のなかに自分がいて、すべては一つだという思想だと思う。
これは、歴史的には、キリスト教の神秘主義的な思想の系譜にあって、異端として、しばしば弾圧されたものに近いのではないかと想像する。
また、すべては神のなかの思想は、唯神論的で、たとえばスピノザの限りなく唯物論に近い唯神論を想起させる。
キリスト教という立場にたったときに、この唯神論は、「すべてが神のなかにあるのなら、世界はなぜこんなに悲惨で、悪にまみれているのか?」という疑問にどう答えるのかという課題がでてくる。
これに対するジブランの答えは、苦しみや悪は、人間のまわりの殻をやぶって、その内側の善を発見し、成長させるためのものということだ。
この考えは、感動的なのだけど、行き過ぎるとちょっと辛くなってくる。ジブランは、これを法律とか司法に対しても適用していくのでちょっと?がたってくる。
いや〜、宗教的な生活と世俗の生活は分離しないと困るでしょ、と思うのだが、神がすべてを包含しているため、その分離はできないわけですね。
きっとかなり感動的な詩なんだろうと思いつつ、そんなことをいろいろ考えてしまって、味わえなかったです。
個人的には、神谷美恵子さんの訳したところだけで、よかったな。
本は、とても小さなポケット版で、つかってある紙や装丁もきれいです。でも、字が小さくて読みにくい感じもありました。
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カリール・ジブランは1883年のオスマン帝国末期のレバノンに生を受けた詩人・画家・彫刻家です。
一人の賢者が街を去るときに、見送る町の人々との対話という形式で、様々なテーマについて語ります。愛とは、食べる事とは、施しとは、罪とは…
この本は、齢15歳の時点でアラビア語での草稿まで出来上がっていたそうですが、15歳とは思えない、人生を達観した熟年の賢人のような言葉がたくさん綴られています。
どの教えも普遍的なテーマを扱ったものですが、その内容は一般的な自己啓発本とは違い、もっと根源的な預言がちりばめられています。
ある頁では「与え合う」のではなく「与える」事の大切さが説かれており、
ある頁では、多くの人間が渇望して止まない全てのものに執着しない、つまり「所有しない」事の大切さが説かれたりします。
こういった本は、あまり感想をダラダラ書くとどうしても薄っぺらになってしまうのでこれ以上は控えますが・・・とにかく読めば分かる!笑
今の自分の生き方に違和感を感じている人、労働と報酬に追われる日々に疑問を持っている人にとって、かなりオススメな一冊です。
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平易なことばで語られているけれどものすごくじっくり読み進めたい・読み進めるのに向いている本だ……と思いました。ひとつひとつが根源的な問いであり答えなので、自分の奥底と照らし合わせながら進んでいく感じ。とてもやさしいけど厳しい。すべてな自分自身の中に答えがあるけどそれで早合点してしまうのも違うんだよということ。いくつも心にザク…と来る言葉がありましたが、これは読むたびにそのザク……ポイントが変わるんだろうな、あまりピンと来なかったところもスッと落ちる日が来るのだろうなと思いました。定期的に読みたい大切な一冊