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ハッピー・ガールズ、バッド・ガールズ みんなのレビュー
- ウィリアム・T・ヴォルマン (著), 迫 光 (訳)
- 税込価格:2,350円(21pt)
- 出版社:講談社
- 発行年月:1996.7
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紙の本
ダメなやつは何をやってもダメ!
2009/06/10 16:42
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
90年代アメリカを代表するポストモダン派の新人として、デイヴィッド・フォスター ウォーレスとともに喧伝されていた作家の91年出版の第五長篇。原題がThirteen Stories and Thirteen Epitaphsというとおり、ところどころ重なった登場人物(「僕」も含む)たちのよる13の短中篇のあいだに幕間的短い文章を同数挟み込む連作形式でできた、いかにも現代アメリカ文学ふうの長篇なのだが、その物語たちのそこに流れる強烈なセンチメントが、形式の「現代性」などを無視して読ませる情熱を感じる。これはようするに情熱の作品で、この複雑な形式が選ばれているのは、むしろ情熱を保護したい、その強烈さを、陳腐さを、守りたい、という防御にこそあるので、パロディがロマンスを保護するためのもっとも強い方法なのだ、と言うエドマント・ホワイトのナボコフ論を思い出させる。訳者解説では、オブセッションに追われる人間が、それなしでは生きていけず、しかしそれによって滅ぶ、というふうに解説されているが、まあ、単純に言えばダメ人間たちが、いろいろ必死でがんばって、がんばって、がんばったんだけど、やっぱりダメだった、という話で、なんていうか、私はこういう話は好きだなあ、としみじみ思った。
なのにこの本が入手不可なんて信じられない!再発を願って書評投稿。
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