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みんなのレビュー356件

みんなの評価4.5

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/01/06 11:06

神代の豊葦原を生きた登場人物たちが、それぞれの命をかけて人間の運命や愛を教えてくれる深遠で壮大な物語〜素晴らしい日本のファンタジーとしてお勧めの一冊です。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

 仲睦まじく国生み、神生みをなさっていた二柱の神でしたが、イザナミの命は、火の神を生んで火傷を負い黄泉の国へお隠れになりました。イザナミの命を追って、黄泉の国へ行かれたイザナキの命は、女神の変わり果てた姿をご覧になられて、天つ国に逃げ帰られたという古事記のあまりにも有名な始まり…『空色勾玉』は、そんな時代の豊葦原が舞台となっています。 憎しみ合っている二柱の神は「輝の大御神」「闇の女神」と呼ばれています。豊葦原は、輝の御神の御子である姉の照日王、弟の月代王によって統治され、闇の女神を崇めていた氏族は、輝の氏族との戦いの末、辺境の地に追いやられ、「土ぐも」と呼ばれ蔑まれています。

 ヒロインは、闇の氏族の姫である狭也。輝と闇の氏族間の激しい戦いの中で孤児となった狭也は、輝の氏族に従う村で育てられました。物語は、六歳の狭也が鬼に追われ、夜の沼地をさまよう恐ろしい夢から始まります。狭也がくり返し見る恐ろしい夢の最後は、狭也が大きな宮に逃げ、影のない巫女と出会い、いっそう深い恐怖に突き落とされることで終わります。繰り返し見る夢は恐ろしいものの、優しい育ての親の元に、狭也はすくすくと育っていました。
 狭也が十五歳になった時、村の祭りに訪れた闇の氏族の生き残りの一行、科戸王、岩姫、鳥彦たちは、狭也が闇の氏族の「水の乙女」であり、輝の大御神をも倒せる「大蛇の剣」の巫女、今の世を救うために必要な巫女であることを狭也に告げました。同じ時に、偶然のように現れた輝の御神の御子・月代王。狭也は、月代王から采女として招かれます。月代王へのあこがれと自分の夢の呪縛からの救いを求めて、輝の都へと昇ることを決断しました。
 
 輝の都で思わぬ試練に立て続けに遭った狭也は、二人の御子の末の弟・稚羽矢に出会います。少女のような稚羽矢は、狭也がくり返し見た夢の巫女でした。二人の出会いが狭也に自分の運命を悟らせ、稚羽矢の運命を悟らせることに…。
 闇の氏族の姫でありながら、光にあこがれ、月大王に恋する狭也。快活で、明るく前向きな狭也だが、水の乙女として、巫女としての運命に見合うだけの力を持ち合わせていない。輝の御子でありながら、照日王や月代王とは異なり、死や闇を求める稚羽矢。幽閉同然の生活を強いられていたため、世間知らずですが、洞察力だけは鋭い。
 敵対する氏族の元に生まれながら、似ている二人。闇と光がせめぎあう豊葦原、神と人間が、そして、物の怪と人間が行き交う豊葦原に二人がもたらすものは…。完全無欠からは程遠い二人がヒーロー、ヒロインの物語。 物語は、二人の出会いの物語でもあり、二人の冒険物語でもあり、二人の成長物語でもあります。神代の物語であった古事記が現代を生きる私たちの身近なお話として甦ります。
 輝の氏族の美しい照日王や月代王よりも、闇の氏族の岩姫や科戸王、鳥彦に人間としての魅力を感じました。「土ぐも」と呼ばれ蔑まれていた彼らに与えられた試練が神格、人格を磨いたのでしょうか。年代を問わず、読み返すたびに自分の人生を考えるきっかけを与えてくれる素晴らしい日本のファンタジーとしてお勧めの一冊。神代の豊葦原を生きた登場人物たちが、それぞれの命をかけて人間の運命や愛を教えてくれる深遠で壮大な物語です。

まざあぐうすのほのぼの文庫

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2000/08/01 12:30

物語に酔いたい人は、これ、必読でしょ。

投稿者:ひこ・田中 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本の神話時代を素材にした物語。

 これ出てきたとき、あ、いよいよ新しい世代が登場してきたなと、嬉しかったのをよく覚えています。

 神話時代は、戦前の教育の影を負っていますから、敗戦後はタブーのようになっていて、せっかくあるおいしい素材を使った物語が出てこなかったのです。

 そこを、この才能溢れる若い作家があっさりと破って、「おもしろい物語」を作り上げたのです。おそらくこれはファンタジーに本格的に日本の神話を使った最初の作品でしょう。

「日本のハイ・ファンタジーが読みたいと、ずっと思っていました。」(あとがき)と書きとめた荻原は自らそれを成し遂げたのです。

 輝の大御神とそれに対する闇の一族。輝にひかれる闇の一族の狭也と、輝の大御神の子どもなのに狭也と行動をともにする稚羽矢。

 様々な謎が渦巻き、物語のパワーたるや、ものすごく、手に取ったとたん、抜け出せなくなってしまいます。読み終えると、ボーッとし、久しぶりに物語酔いになりました。

 これだけの長さの物語が破綻もなく突き進むさまは、見事!

 インターネットで検索してみると、ファンクラブのホームページがたくさんヒットします。ファンが熱く語り合ったり、主人公たちを使って自分で物語を構築している人も。

 それは、なによりこの物語世界が、読者の想像力を刺激して止まない証拠でしょう。

 なお、作者本人もホームページを立ち上げました。時の娘です。こちらにもアクセス!

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356 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

神代の豊葦原を生きた登場人物たちが、それぞれの命をかけて人間の運命や愛を教えてくれる深遠で壮大な物語〜素晴らしい日本のファンタジーとしてお勧めの一冊です。

2005/01/06 11:06

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

 仲睦まじく国生み、神生みをなさっていた二柱の神でしたが、イザナミの命は、火の神を生んで火傷を負い黄泉の国へお隠れになりました。イザナミの命を追って、黄泉の国へ行かれたイザナキの命は、女神の変わり果てた姿をご覧になられて、天つ国に逃げ帰られたという古事記のあまりにも有名な始まり…『空色勾玉』は、そんな時代の豊葦原が舞台となっています。 憎しみ合っている二柱の神は「輝の大御神」「闇の女神」と呼ばれています。豊葦原は、輝の御神の御子である姉の照日王、弟の月代王によって統治され、闇の女神を崇めていた氏族は、輝の氏族との戦いの末、辺境の地に追いやられ、「土ぐも」と呼ばれ蔑まれています。

 ヒロインは、闇の氏族の姫である狭也。輝と闇の氏族間の激しい戦いの中で孤児となった狭也は、輝の氏族に従う村で育てられました。物語は、六歳の狭也が鬼に追われ、夜の沼地をさまよう恐ろしい夢から始まります。狭也がくり返し見る恐ろしい夢の最後は、狭也が大きな宮に逃げ、影のない巫女と出会い、いっそう深い恐怖に突き落とされることで終わります。繰り返し見る夢は恐ろしいものの、優しい育ての親の元に、狭也はすくすくと育っていました。
 狭也が十五歳になった時、村の祭りに訪れた闇の氏族の生き残りの一行、科戸王、岩姫、鳥彦たちは、狭也が闇の氏族の「水の乙女」であり、輝の大御神をも倒せる「大蛇の剣」の巫女、今の世を救うために必要な巫女であることを狭也に告げました。同じ時に、偶然のように現れた輝の御神の御子・月代王。狭也は、月代王から采女として招かれます。月代王へのあこがれと自分の夢の呪縛からの救いを求めて、輝の都へと昇ることを決断しました。
 
 輝の都で思わぬ試練に立て続けに遭った狭也は、二人の御子の末の弟・稚羽矢に出会います。少女のような稚羽矢は、狭也がくり返し見た夢の巫女でした。二人の出会いが狭也に自分の運命を悟らせ、稚羽矢の運命を悟らせることに…。
 闇の氏族の姫でありながら、光にあこがれ、月大王に恋する狭也。快活で、明るく前向きな狭也だが、水の乙女として、巫女としての運命に見合うだけの力を持ち合わせていない。輝の御子でありながら、照日王や月代王とは異なり、死や闇を求める稚羽矢。幽閉同然の生活を強いられていたため、世間知らずですが、洞察力だけは鋭い。
 敵対する氏族の元に生まれながら、似ている二人。闇と光がせめぎあう豊葦原、神と人間が、そして、物の怪と人間が行き交う豊葦原に二人がもたらすものは…。完全無欠からは程遠い二人がヒーロー、ヒロインの物語。 物語は、二人の出会いの物語でもあり、二人の冒険物語でもあり、二人の成長物語でもあります。神代の物語であった古事記が現代を生きる私たちの身近なお話として甦ります。
 輝の氏族の美しい照日王や月代王よりも、闇の氏族の岩姫や科戸王、鳥彦に人間としての魅力を感じました。「土ぐも」と呼ばれ蔑まれていた彼らに与えられた試練が神格、人格を磨いたのでしょうか。年代を問わず、読み返すたびに自分の人生を考えるきっかけを与えてくれる素晴らしい日本のファンタジーとしてお勧めの一冊。神代の豊葦原を生きた登場人物たちが、それぞれの命をかけて人間の運命や愛を教えてくれる深遠で壮大な物語です。

まざあぐうすのほのぼの文庫

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紙の本

【純日本ファンタジー】ファンタジーが読みたい人も、少女漫画が好きな人も、美しい言葉に触れたい人も。

2021/11/17 15:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:豚といちごの炊いたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりに再読したのでレビューを書きます。
幼い頃通っていた図書館の司書さんに紹介され、運命的な出会いを果たした本です。
正直、小学校中~高学年のわたしには少し難しかったのですが、それでもストーリーが面白くて何度も読みなおしました。
他の方も仰っているように、ハードルは高いです。
古事記をもとにしているし、分厚いし。でも読み始めると印象は全く違います。
全然お堅くなくて、それでいて真に迫っていて、ぐいぐい惹きつけられてしまいます。

まず、主人公の少女にかなりの親近感が持てます。
たくましいけど完璧じゃないから弱い部分がたくさんある。
ファンタジーでは珍しい、真の主人公が少女というところも推せます。
さらにその周りの濃いキャラクター(わたしは鳥彦派です)。神の時代なので当然美形も多数。ここ重要です。

ストーリーは誤解を承知で言うと、「敵対する光と闇の種族が戦う」というのがおおまかな流れです。
でもここでは、どちらが正しいか、勝ったかではなく、何を大事にしたいのかが重要なのです(読まないと分からないのですが……)。
勧善懲悪だけでなく、現実の世界のように複雑に絡み合う正義と悪、美と醜が大きな見どころと言えます。
ここが何とも日本っぽくて、海外のファンタジーではなかなか描けそうにないと感じるところです。
また、ファンタジーなのでもちろんハラハラしますし、最後の方までいくと「えええええもうあとページちょっとしかないけど大丈夫?大丈夫ですよね??お願いしますよ???」という気持ちになりますが、大丈夫です。
それに加え、情景描写が美しくて……。
もしかしたら古代の日本はこんなだったのかな、と思えるような美しい自然や、神々への畏怖と尊敬がひしひしと伝わります。
荻原先生独特の色づかいや言葉の選び方に、生活の奥深くに根差した神道の源流のところを垣間見たような気持でした。
きっと読んだ後には、もっと日本が好きになっているし、美称である「豊葦原瑞穂国」も納得できると思います。

さらに、ファンタジーや言葉に興味は無いという方にも、おすすめポイントがあります。
ガールミーツボーイです。
作者ご本人が「少女のために書いている」と仰ったことがあるそうで、これはそういう意味も含まれていたのではと、わたしは密かに考えています。
荻原先生の書く小説には、いわゆるジブリ男子のような「荻原男子」が存在します。
特徴としては、最初必ずと言っていいほど頼りなく朴念仁で、主人公の少女に不愛想な場合もあります。
ただ……、最後の最後、やるときはやります。控えめに言って最高です。
空色勾玉の荻原男子も、評価が分かれる場合もありますがかなり人気の高い人物です。
ほわほわしたド天然で、超絶美少女かと思われるような可憐さを放ち(実際に女装シーンが複数回ある)、主人公に呆れられるほど何もできませんが、最後には度肝を抜かれるほどのイケメンっぷりを見せてくれます。
名台詞「許さないと言ったはずだ」を、ぜひ実際に読んでシビれてください。

空色勾玉は1冊で完結しますが、大きい流れとしてシリーズであと2作あります。
このレビューでは一切触れていませんが、勾玉はシリーズを通してかなり重要なキーであり、その石の色によって意味や力が異なるというオイシイ設定も。
きっとあとの2作どころか、荻原先生の著作すべてが欲しくなります。
ファンタジー独特の不思議な力、美しく恐ろしい神々の世界を肌で感じ、目を見張る自然の景色や衣装、その世界で暮らす強くたくましい人々に思いを馳せつつ、深く広く濃い荻原ワールドに、ぜひあなたも。

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紙の本

また楽しめた

2017/11/04 01:26

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投稿者:こばし - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めて読んだのは何年前だったか、小学生のときに学校の図書室で読みました。
内容についてはほとんど忘れていたけどすごく面白かったなあという印象が強く、買ってもう一度読んでみることにしました。

まず、古代日本を舞台としたファンタジーはとても新鮮ですね。
古代とはいえ日本の話、西洋が舞台のものよりなんとなく想像しやすい部分もあるのではないかなと思います。
主人公は女の子だし、恋愛の要素もあるし、男子より女子が読みたい本かもと思いましたが、勿論男子も楽しく読めると思います。

また、小学生のときはこの本を読んだことで、神話も含め昔の日本についての関心が深まりました。
18歳ですが、再び楽しんで読むことができました。
ぜひ空色勾玉だけでなくシリーズ全巻読まれることをおすすめします。おそらくおすすめしなくても読みたくなるでしょう。私もまた読みたくなってきました。

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紙の本

神話

2016/11/27 18:09

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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る

輝の一族と闇の一族の戦いと水の乙女と風の若子の古代ファンタジー。
やっぱり荻原さんの文章はは古代ファンタジーが似合っていると思います。
読んだのは大分前ですが、最後のオチまですごく楽しく読めました。

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紙の本

別格。

2016/02/13 17:59

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投稿者:師走 - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めてこの本を読んだのは中学生の頃で、
古事記について全く知らない状態でした。
これで日本神話や日本の神さまにハマッた訳ですが、
思えば恋についてもよく分かっていない時分で、
月代王とか、「???」っていう。
割と最後の方まで狭也の気持ちに気付かないとか、あり得ないですね・・・(汗

今でもたまに勾玉シリーズを通して読むんですが、
なんというか、「空色勾玉」は別格という感じがします。
これは春夏秋冬と主人公の一年を綴ったものなのですが、
荻原さんのデビュー作だからなのか、狭也の性格ゆえか、
瑞々しくて本当に春の清流が如き物語です。

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紙の本

大人向けでもある!

2002/11/05 19:51

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投稿者:A・H - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本神話を舞台にした物語です。この物語のモデルは、スサノウノミコト。多分きっと学校で習ったはずです。
ちょっと不思議&神秘的な物語です。漫画を読んでいないで、漫画を読むくらいならこの本を手にとってみてはどうでしょうか! お勧めです!!

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紙の本

光に焦がれ。闇を求め。

2002/07/31 20:31

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投稿者:鳴妓 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間と神様が、同じように地上で暮らしていた神話の時代。

日本をベースとしたファンタジーです。
ファンタジーといったら西洋のモノしか知らない、という人には是非読んで欲しいです。
日本にもこんなにスバラシイファンタジーがあるんです。
私も以前そのひとりでしたが、日本的な美しさが、綺麗な言葉で紡がれています。

水の乙女の生まれ変わりの狭也は、光に焦がれる。
できそこないと言われた純粋な神、稚羽矢は、死ある闇を求める。
相反するふたりが強い絆で結ばれていきます。

勾玉三部作といわれる本の、一冊目。
是非読んでみて下さい。

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紙の本

丁寧に織られた美しい物語

2001/04/02 03:36

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投稿者:沙月美亜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まっすぐな乙女、優しき若子、麗しくも烈しい御子神、猛々しくも優しい王達……神話という織物を織るにふさわしい人々によって、美しい物語が織り上げられていきます。

 闇に生まれつつも輝に焦がれる乙女と、輝に生まれつつも闇に焦がれる若子の出逢いはあたかも水が描く波紋のように、相争う二つの勢力を巻き込み、豊葦原に新たなる風を吹き込ませ、呪いを祝いへと昇華させる……

 迷い、行きつ戻りつしながらも道を見いだそうとする二人、強い想いを胸に秘めた人々が鮮やかに描かれている名作です。

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紙の本

「三つ目が通る」の写楽と和都さんの関係

2002/01/09 03:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 神と人間が共存する古代の日本の物語。光と闇の戦いの中で未来を切り開こうと奮闘する水の乙女「狭也」と風の若子「稚羽矢」の運命の恋を描いた勾玉シリーズ第1作。

 一応児童文学ですけれど大人も楽しめるファンタジー。どちらかといえば女の子が好きそうな物語。主人公の水の乙女「狭也」と凄い力を秘めているのに普段は天然ぼけの風の若子「稚羽矢」の関係はどことなく手塚治虫さんの作品「三つ目が通る」の和都さんと写楽の関係に似ています。普段は天然ボケの写楽だけど、額のバンソーコを取ると第3の目が現れ世界を破壊する力を発揮する。そしてそのおもりやくを任されているのが面倒見が良く男の子っぽい和都千代子。漫画のバスタードもそうだったけど、かなりオイシイ設定。
 
 美形の神様などが登場するなど、その手の作品が好きな人は間違いなくハマルと思います。ただ個人的にはもう少し人物に深みが欲しかったかな。

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世界設定が面白い。

2001/10/15 06:43

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投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どこが児童書なのかしら?という、古事記をベースにしたファンタジー。「空色勾玉」(古事記)、「白鳥異伝」(日本書紀)、「薄紅天女」(奈良)という勾玉3部作のその1。勿論一作ずつ完結してるのでそれぞれで読めます。

 地上に天上の世界をもたらそうとする高光輝の男神(イザナギ)の子供たちである照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)の双子の姉弟率いる勢力と、大地の流転を尊び闇御津波の女神(イザナミ)を信奉する人々の戦い。
 不死の肉体を持つ輝(かぐ)の者を倒すことができるのは「大蛇の剣」とそれを扱うことのできる水の巫女だけ。幼いときに両親を殺され、戦火の中拾われた狭也(さや)は闇の者ながら月代王の釆女として招かれる。
 そして封印してある大蛇の剣を盗み出そうと入り込んできた闇の者、鳥彦を助けるために忍び込んだ神殿の中で、「風の若子」稚羽矢(ちはや)に出会う……。
 とまあ文章は時代を意識してかちょっと難解な感じ(しかし、これくらいなら「金の海銀の大地(氷室冴子)」とあまりかわらないかな?)だけど、話的にはとてもさくさく進めます。

 稚羽矢は照日王と月代王の弟ながら、大蛇の剣の使い手でもあるとても重要な人物なのだけど、幽閉状態でずっと過ごしていたので、とてつもなく世間知らず。ボケボケで非常にかわいいですね。
 しかしラストの「祝言とはなんのことだろう」という科白にはちょっとくらり……苦労だな、狭也。

 やはりこれは十代のうちに読んどくべき話ですね。快活で他人を励まして回り、力無いくせに行動派ですぐ落ち込むというヒロインの造形がなによりも少女小説だった。
 それにしても人物の配置がヒロイン、ヒーロー、敵対者! って王道すぎて、脇キャラがあまりにも脇だよ……科戸王なんか戦陣から首飾り届けさせたり、病床に毎日端贈ったりまめまめしく気を配ってるのに、さっぱり報われないし……哀れ。
 でも稚羽矢に剣を教えた伊吹王が好き。この人のちょっと抜けた感じもさすが師弟って感じで。ラストはいいとこかっさらっていったし。

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物語に酔いたい人は、これ、必読でしょ。

2000/08/01 12:30

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投稿者:ひこ・田中 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本の神話時代を素材にした物語。

 これ出てきたとき、あ、いよいよ新しい世代が登場してきたなと、嬉しかったのをよく覚えています。

 神話時代は、戦前の教育の影を負っていますから、敗戦後はタブーのようになっていて、せっかくあるおいしい素材を使った物語が出てこなかったのです。

 そこを、この才能溢れる若い作家があっさりと破って、「おもしろい物語」を作り上げたのです。おそらくこれはファンタジーに本格的に日本の神話を使った最初の作品でしょう。

「日本のハイ・ファンタジーが読みたいと、ずっと思っていました。」(あとがき)と書きとめた荻原は自らそれを成し遂げたのです。

 輝の大御神とそれに対する闇の一族。輝にひかれる闇の一族の狭也と、輝の大御神の子どもなのに狭也と行動をともにする稚羽矢。

 様々な謎が渦巻き、物語のパワーたるや、ものすごく、手に取ったとたん、抜け出せなくなってしまいます。読み終えると、ボーッとし、久しぶりに物語酔いになりました。

 これだけの長さの物語が破綻もなく突き進むさまは、見事!

 インターネットで検索してみると、ファンクラブのホームページがたくさんヒットします。ファンが熱く語り合ったり、主人公たちを使って自分で物語を構築している人も。

 それは、なによりこの物語世界が、読者の想像力を刺激して止まない証拠でしょう。

 なお、作者本人もホームページを立ち上げました。時の娘です。こちらにもアクセス!

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2004/09/29 22:55

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2004/10/13 16:35

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2004/10/23 18:00

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2004/11/10 08:01

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