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幼い頃に感じた、あの言葉にできないもどかしい、そして人に知られてはならないような想いが綴られています。
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ジッドを読んでいたとき、コレットの話か何かが出てきて、読んだんだと思います。堀口大学の訳でさ……ラストがどうなったのか中学の私の幼い頭にはどうにも理解できずに、その時、消化不良で終わってしまったのを覚えています。コレットの作品は他にも読みましたがどことなく婀娜っぽく俗っぽくどこか品がある絶妙さが好きです。青い麦に関しては、青春色って感じですが。
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ブルターニュの海辺の避暑地で何度目かの夏の休暇をともに過ごす十六歳のフィリップと一つ下のヴァンカ。輝く陽光、きらめく海、とりどりの花々と木々と鳥、渡る風……網をもって一緒に海の獲物をあさる嬉々とした遊びのなかにも、二人ははっきりと異性を意識する。二人の揺れ動く心のひだのあいだに、「白服の夫人」ダルレー夫人が登場する。フィリップはその怪しい魅力のとりことなる
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人生において誰もが通らなければならない思春期。16歳の若者の切ないアバンチュールが、抒情詩のように美しく描かれます。
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中学生のときTVの映画で[青い麦」をみて、主人公の男の子に
一目惚れ、年上の女性に憧れる彼、おない年の女の子に自分を
投影して、密かに苦しんだ。おませな女の子でしたね。
後本も読み、主人公の男の子にそっくりな彼に一目惚れして
二十歳で結婚しました。堀口大学の訳の素晴らしさなど
全く分かっていない私でした。
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何をどうしようとも思ってなんかいないよ!とりわけ僕はあんたに理解されようとは思ってないね。
死んでみたところで、何になるんだろうか?まだ早すぎる。せっかく僕のために生まれてきたのに、真に小夕することもなく、あの世へ旅立っていいものだろうか?
悲しんだりしてはだめよ。
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体と心の歩みに揺れる青春期の恋を詩的に描いた小説。
幼馴染が日々加える美しさと変わらぬ健やかな振る舞いに、驚きとやさしさと意地悪な気持ちが錯綜する16歳の少年が主人公。
彼女は僕のものだ。と高まるばかりの所有欲と年齢との隔たりにもどかしさを覚える一方で、彼女は無垢であって欲しいと願う矛盾を抱える点に懐かしさを感じました。恋人を頭の中で神格化してしまいがちな。
物語は、心のスキマお埋めしますとばかりにマダムが快楽へと導き、恋人との関係が変化していきます。
思うよりずっと女性は現実的で逞しいですね。
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話は青春恋愛小説の王道・・・といったところでしょうか。
思春期らしい葛藤と成長していく過程は読んでいてとても共感できました。
しかし、どうにも訳が苦手です。正直言って読みづらい・・・
言い回しも古い印象で、読点の使い方等に違和感を感じました。
内容自体はよかったと思うのですが、それらの点で星3つの評価にしました。
他の翻訳者の「青い麦」も読んでみたいと思いました。
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10代の、恋に目覚め始めてきた頃の子供達のお話です。
正直言って、今の私には昔のこと過ぎて共感できないけど、初々しさを感じることができます。
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フランス人作家 Coletteが1922年に発表した長編小説。幼馴染の少年フィルと少女ヴァンカ、そしてフィルの前に突然現れた未亡人ダルレー夫人の三角関係を描いた物語です。ダルレー夫人というスパイスが効いた思春期の一幕の中で、大人へと変化していくフィルとヴァンカの心の機微が瑞々しく描かれています。多くの訳本があるので、自分に合ったものを探すのが良いと思います。それにしても、とてもフランスっぽい作品です。
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16歳と15歳! 幼なじみの少年少女! ブルターニュ夏の海! とまあ、ズドンとくる直球な青春物語。この夏、俺はキメるぜ! とばかりにヴァンカへの恋心を募らせるも、年上マダムへの肉欲に勝てず悶々とするフィリップには「お、兄さん青春してるね」と言いたい気分になり、すべてお見通しでどうにもならない嫉妬を抱きながらも想いを貫くヴァンカには「なんて強いコなの、大人だね」と思ったりなどつい、おばちゃん目線になりました。こうでもしなければ瑞々しさがまぶしくて。常日頃「リア充爆発しろ!」と口走る人には勧められないお話。
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思春期である二人の大人になりきれず、子どもにもなりきれない複雑さを描く。
大人が馬鹿にするようなことだって当人たちにはとても深刻なこと。
無邪気さと大人びた様子の変化にはっとする。
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中編というほどの長さだが、物語がなさ過ぎて軸をつかみきれず、そのふんだんな修辞語を駆使した自然と心理描写を味わうことができなかった。むしろそれが苦痛だった。楽しくない読書をすることほど無駄はないと思う。しかしこれをコレットのせいにしたくはない。1世紀前のフランスほどロマンのない現代日本において、16歳の坊主と娘の恋物語はあまりにも甘すぎる。旅行先の解放的な自然の中であれば、あるいは僕もロマンチックに「青い麦」に浸れただろうか。
17.9.12
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少年と少女、そして年上の人妻との三角関係とその終わりを描く。題材はいかにもドロドロのメロドラマといった風情だが、コレットの筆がそれを色彩豊かな詩編に変えている。パレットの上に出した絵の具を混ぜながら色を作るように、人物の心情は極彩色も、混ざって彩度が落ちた暗色も、すべてそのままに描かれ、取り繕うことがない。ただ、それは少年、少女、人妻のみで、それ以外の登場人物は全く平板に描かれる。それだけに3人が一層引き立っている。
(2015.8)
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#あとがきによるとこの小説はもともと一幕劇として構想されたものらしく、「最後の台詞で照明がつくと観客は、この登場人物が15歳の少女と16歳の少年だと気づいてびっくりする」とか当初は、『ロミオとジュリエット』意識してたのかしら。ロリ設定と、短期間で登場人物が劇的に歳をとるところ。
#しかしいま読むと描写が魅力的なのは、だんぜんダルレー夫人の方で。オレンジエールから氷をつまみ出すカットのエロめかしさや、「生きた鰻から取出した鰻の心臓のように、彼女から遠く離れていながら、僕はまだあの歓喜にときめいているほどだもの」!
(2009/05/15)