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仕方がないのだろうけれど、不用意に新たな情報を盛り込みすぎて、理解するのに大層苦労が要った。構成に難があるようにも思える。これは編集の責任か?
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中央公論社の『世界の歴史』シリーズ第4巻です。対象としてはヒッタイトらインド=ヨーロッパ系の民族などが侵入する紀元前2千年期前半からアラム人、フェニキア人、ヘブライ人らによる東地中海世界の発展、イラン人よるイラン高原の発展、アケメネス朝、アレクサンドロスの登場、ヘレニズム時代を経てローマ帝国とササン朝の対立が激化する3世紀頃までとなっています。専門外なのでこの時代・この地域の本はつまみ食いみたいな感じで読んでいるのですが、近年ギリシア・ローマ世界とオリエント世界を一体的に捉え直す見方が提唱されています(『東地中海世界のなかの古代ギリシア』http://booklog.jp/users/gankai2664/archives/4634349329)。本書は10数年前に発行された本ですので、その視点にはあまり言及されてはいませんでしたが、この地を行き来した諸民族の活発な動きを見事に捉えています。例えばアケメネス朝ペルシア時代のアルタクセルクセス2世時代(前404年~前359年)におけるアラム語の普及を取りあげ、イラン文化が地中海世界と直接手をつなぎ、オリエント世界の主流文化となったと言及しています(156頁)。非常に分かりにくい古代オリエントの民族の興亡ですが、本書を片手に教科書を熟読すると、理解がより深まるのではないかと思います。ただ一つ欠点を挙げるとすれば、地図が少ないこと。今どの地域を話しているのかよく分からなくなるときがありました。
以下本書からのメモ
・初めてラクダを放牧し、隊商貿易に使用したのはアラム人
・ヒッタイト滅亡後アナトリアに登場したフリュギア人の伝説に「王様の耳はロバの耳」の原型がある。
・メディア王国は文字を使用しなかった。
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古代ユダヤ、ペルシャは親しみのある歴史ですが、パルティア、ササン朝ペルシャなどあまり親しみがなく、やや難しかったです。オリエントはアジアでありながら、インドと異なり西洋文明への繋がりの深さが今更ながら不思議な思いがしました。