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飯沢耕太郎氏によるインタビュー。
天才アラーキーの天才たる所以がいつ読んでも新鮮だ。
計算された「天才」を演じる荒木氏がいたり、
破天荒に見える行動の中に、意外な緻密さや弱さ、真面目さが同居していたり。
今で言う地頭力があるいうか、問題の解決能力がずば抜けているように思う。
そこに至るルートがまったく独自の発想であって、
氏の最大の魅力であり得ているのだろう。
薄い本だが読み応えがある。
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『天才になる!』は、アラーキーこと天才カメラマン・荒木経惟の自伝である。自伝と言っても、インタビューをまとめたものなので、著者・アラーキーというより、話し手・アラーキーといった体裁の本だ。
少年時代からの生い立ちや、電通での修行時代の話(特に入社試験の話は面白い!)、アラーキーの代名詞ともいえるエロティックでロマンティックな写真の話が満載である。本文の中にアラーキーの作品が所々に載っているのだが、「え?この写真載せていいの?」というようなキワドイ写真があったり、18禁だろコレって感じが、まさにアラーキーである。
全体を通して感じたことは、当然写真の話が中心となるのだけれど、そんな中でもカメラマン・荒木経惟というよりも、人間・荒木経惟の物の見方であったり、人生の捉えかたが語られているような気がして興味深かった。
写真の技術的なことや構図の話、レンズの話など、何をどのように撮るかなんていう専門的な話もあることはあるのだけど、面白いのは何故そういう風に撮ろうと思ったのかというポイントだったり、もっと、どうでもいい笑っちゃうようなきっかけだったりを熱く語る部分で、そのあたりを読んでいると、「あ、これが天才なんだな」と納得してしまうのだ。天才というのは作れるものじゃない。ましてや、なれるものでもないと思う。でも、なってしまったのがアラーキーだ。その辺のことについても本書で本人が語っている。「天才って普通は他人に言われるもんだよな」と。
自分にハッパをかけて自分で自分のことを天才と言いつづけた。これがアラーキーの凄いところで、それがいつしか天才・アラーキーという愛称になり、そこにおいては天才という言葉の本来の意味さえ変えてしまえるパワーを持ってしまうのだ。
迷いがない、躊躇がない、制御がない、そして、ロマンチックでエロチックでセンチメンタル。天才とはそういう資質を与えられた人のことを言うのだろうとこの本を読んでつくづく思った。なにか認められる作品を作ろうとか、何かを狙って創意工夫を凝らそうとかいう凡人の努力を天才は軽く超えていく。コレはイケるという確信を持って飛んでくる天才には誰も敵いはしないのだ。そして天才同士は戦わない。唯我独尊である。あの人を超えようとか、あの人には負けたくないとか思っている時点で凡人であり、天才はそんなことはどうでもいいし、気にしない。他人との争いを超越したところで勝負しているのが天才と呼ばれる人達なのだろう。
その境地に達するには・・・なんて考えていることがすでに凡人である証拠かも知れない。天才になる一番の近道は、自分で自分のことを天才だと思い込むことではないだろうか。
天才は生き方そのものが面白い。それが全てである。
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[ 内容 ]
「天才アラーキー」はいかにして生まれたか。
破天荒な修業時代、超絶的写真論を語りつくす。
[ 目次 ]
1 少年のぶちん
2 アラキの思春期
3 電通修業時代
4 アラキ大爆発!
5 「天才アラーキー」誕生
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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左手で字を書くということに、私と全く同じ人がいた!と思いました。
天才は人が言い始めるって本当にそうだと思う。見た目はただのおっさんなのに(笑)
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あとがきの、アラーキー自筆の字体が、好き。元々、アラーキーの字には、味があって、好き。(11/8/9)