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紙の本
ネコジャラシも食べられるはず。で、ホントに食べたらどうだった?
2009/11/26 17:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
・確かにあの姿は麦の穂にも似ている・・・。
・なにかの穀物の原種に近いのなら、食べられるかもしれない・・・。
・しかし、あの小さい実を食べることはできるのだろうか・・・。
タイトルをみるだけで、どんどんいろんなことを考えてしまいました。著者、ゲッチョ先生も似たようなことが発端になったようです。でも、そこでホントに「食べてみる」のがゲッチョ先生らしいところ。長さが20センチもあるネコジャラシを見つけたことから始まって、野生の植物がどうやって作物になっていったのか、を「身を持って考えた」楽しい顛末が書かれています。
あんな小さな粒々でも、沢山集めることができて、イネと同じように殻を取ることができれば食用になるんですね。実際にネコジャラシ(エノコログサ)からアワがつくられたのだそうです。フライパンで炒ったら、表題のようにポップコーンのようになったとのこと。玄米茶の中の米粒よりも小さい、ちっちゃなちっちゃなポップネコジャラシだったのでしょう。想像するだけで楽しくなりました。
本書の中にもありますが、植物にあまり興味がなくても、ネコジャラシなら知っている人は多いでしょう。それを材料に生徒の興味をひく(いや、自分の興味が先行していたのかもしれませんが)授業をやっていた風景が想像できて読んでいてとても楽しかったです。
ネコジャラシだけでなく、ドングリやジュズダマも食べてみたり、他の野菜の原種のようなものを食べてみたり。下手に調理したら喉がヒリヒリしたりするものを食べさせたりして、保護者から苦情がでなかったのかしら、と読んでいて心配になるようなところもありましたが、生徒たちはとても楽しそう。いやいやながら、でも楽しそうという雰囲気が伝わってきます。生徒に興味を持たせよう、そして自分の興味も、と飛び回る先生の姿がいつもいきいきと伝わってきます。
ついやってみたくなりそうですが、野草は毒があったりするのでくれぐれも要注意。その毒を抜いたりする調理方法も、人間の知恵なのですね。
身近な野草から考える、野菜への道。後半はこういった「栽培植物の起源」的なことに対する「発想の種」のようなものが断片的に幾つか載っています。少し散漫なところもありますが、このあたりをまとめて「野菜探検記」としてさらに実りなおしたのでしょう。
後半ちょっとまだ未完成の雰囲気はあるものの、少なくとも前半はタイトル通りに楽しく弾けている本でした。
紙の本
書は捨てず、野にも出よう
2001/09/16 22:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たしろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かを食べるということは、人間にとって欠かせないもの。そのためか、食べることへの感心は高い。
この本の著者は生物の先生。授業のなかで、生徒といっしょに、いろんな野の植物を食べてみる。ポップコーンにしたネコジャラシ、ドングリでつくったプリン、テンナンショウの毒イモのドーナツ、ジュズダマのクレープなどなど。そこまでして食べるか、とも思わせる活動ぶりだ。
しかし、極商のみを採集して粉にしたり、渋や毒をぬいたりする努力のつみかさねから、作物ってなんだろうということが見えてくる。そして、「作物には、植物自身の進化の歴史と、作物に関わってきた人間の歴史が合わさっている」ということばに納得させられる。
この著者の本を読むと気分が落ち着かなくなる。身近な自然のなかに、面白いことがごろごろしていることを教えてくれるから。本書のほかにも「冬虫夏草を探しに行こう」(日経サイエンス社)や「ぼくらの昆虫記」(講談社現代新書)など、読むとすぐにも野山に出かけたくなる本が多い。ぜひご一読を。
紙の本
体験的な、雑草の作物化の紹介
2002/06/09 03:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
身の回りにあるような雑草と農作されてきた作物とのあいだの関係を、実際に生徒たちとともに採集・調理してみることで実践的に理解する体験記。
アワの野生原種であるネコジャラシを、いかに採集し食べるかの悪戦苦闘を書いた表題作の他、ドングリやテンナンショウの食べ方、レタスやサツマイモの花、ハトムギの原種である固いジュズダマの調理方法、などなど。楽しくて身の回りのものばかり使った体験・実験により、作物の歴史に思いを馳せることができます。
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