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メアリ・ド・モーガンは「お話し上手な女性」として多くの作家や芸術家にインスピレーションを与えた女性だったようなのですが、いわゆる完成された書物(出版された形で残された彼女の作品集)としては、今日ご紹介する「針さしの物語」と近々ご紹介することになる「フィオリモンド姫の首かざり」と「風の妖精たち」のみで、その3冊すべてが現在市販されているバージョンの岩波少年文庫よりも1世代前のバージョンのラインナップでは読むことができました。 (現在は「風の妖精たち」のみです。)
とってもクラシカルな雰囲気にあふれた短編集で、読みやすいと思うのですが、現在のバージョンでは3冊のうち1冊しか残っていないというのは、やっぱり「イマドキは流行らない物語」っていうことなのかなぁ??? 個人的には超有名な「アンデルセン童話集」や「グリム童話集」「ペロー童話集」などと全く遜色が無いと思うんですけどねぇ~。 否、遜色がないと言うよりは、その系列にありながらもどこかに「ちょっと違う何か」が感じられる作品集のように思うのです。 なんて言うか、西洋の童話的なモチーフに寄り添いながらも、一種独特の雰囲気を持っているとでも言いましょうか??
(全文はブログにて)
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小学生の時に、メアリ・ド・モーガンという"樫の木箱おばさん"に出会った。
当時は「髪の木」が1番お気に入りのお話で、この物語に出てくる魔法の島の描写が、大好きだった。
この島の描写は絵画的と言いますか、ちょっと恐いが綺麗で、幼心ながら瞼に焼き付いた光景だった。
ちなみに小学生の時は大体、「髪の木」「愛の種」「おもちゃのお姫さま」「シグフリドとハンダ」「みえっぱりのラモーナ」「オパールの話」「炎のかなたに」の順番で好きだった記憶がある。
「愛の種」は、あんな蝋燭を貰ったら自分だったらどうするかな〜と考えていたが、私だったら絶対に燃やさないので物語は進まない。
「おもちゃのお姫さま」は、大人になってから読むと子供の頃よりも印象的だった物語。
"猫の足音、魚の啼声、白鳥の歌"が、綺麗でうっとりした。
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クラシックで幻想的な短編集という説明とタイトルに惹かれ読む。前半はお姫様とそのクラシカルな雰囲気を楽しんでいたが、後半の童話はなかなかありそうでない道具立てでワクワクして読めた。特に取り上げたいのはお姫様が取り替えられる話、人形とすげ替えるも、そちらに家臣も父王も満足し、すげ替え発覚後そちらを選び取ってしまう身も蓋もなさがナンセンスかつ少女的な感覚も感じ取れて良かった。「髪の木」なんかはなかなかのグロテスクアンドシュールぶりで悪夢のような島、カルト映画で参考にされていてもおかしくない。靴の話は、あるものを大事にし感謝して生活することの肝要さは分かるけれど、ひいきの職人靴屋を見捨てたのが悪いというのは資本主義的な意識が当たり前に染みついている現代人としてはおしつけがましい。ウィリアム・モリスや著名人と家族ぐるみで付き合いのあったという著者の人生も興味をそそる。
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久しぶりに童話集を読んだ。優しい気分になったけれど、物語そのものは必ずしも優しいだけじゃない。どの話も綺麗で素敵。友人がSNSに書いていたので読んでみたのだけど、なるほど他の本も揃えたくなる魅力がある。あまり知られていないように思うのはなぜだろう。