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多文化主義 アメリカ・カナダ オーストラリア・イギリスの場合 みんなのレビュー
- 多文化社会研究会 (編訳)
- 税込価格:3,300円(30pt)
- 出版社:木鐸社
- 発行年月:1997.9
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紙の本
世界の主要4か国における多文化主義についての論文を収録した良書!
2016/10/09 09:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、表題にもありますように、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスといった複合社会を形成している国々の多文化主義についての論文を収録したものです。多文化主義と一言でいっても、その実情は国々によって多様で、異なっています。そうした社会状況を理論面から、歴史的な面から、社会面からと多角的な視野から考察しています。ぜひとも、ご一読いただきたい書です。
紙の本
「資料集」として
2006/04/26 04:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
のっけから(第1章から)ラヴィッチによる「多文化主義」への批判があり、第2章でアサンテによって応酬がなされていて、ここは面白い。
ラヴィッチの批判は「多文化主義」全般に及ぶものではなく、《多元論的な多文化主義》と《新しい個別的な多文化主義》に分けて、後者を《芳しくない思想》とする。《図々しいほど先祖崇拝的で、決定論的である。》と手厳しい。
ただし、この分け方は概念を混乱させるものだ。「多文化的」とは多くの文化があるということであるから、「個別的な多文化主義」は成立しない。
その分け方は無意味だとするアサンテの指摘を受け、第2章の末尾での反論で、ラヴィッチはこの点は撤回するのである(この反論は要約しか掲載されてなく、残念)。しかし決着が着いたのはこれだけで、対立自体が解消されたわけではない。
ラヴィッチはアサンテの「アフリカ中心主義」を「自民族中心主義」として非難し、アサンテはラヴィッチは「主流の(共通の)文化」を擁護していて、しかもそれはヨーロッパ中心主義のヘゲモニーを維持するための神話にすぎないと断じるのである。
感想としては、どちらにも「一理ある」ところはあるし、すれ違っているなあと思うところもあった。ホント、議論って難しいです。
たが「読んで面白い」のはここまでで、後の論文は良くも悪くも「資料」的な堅いものが多い(発表年代は古め)。アメリカに関するものが3本、カナダが2本、オーストラリア・イギリスが各1本となっている。論文の選出意図がよく分からない。
8章「多文化国家オーストラリアのための全国計画」は、総理府内閣官房多文化問題局の出した公式文書だ。どこの国のものでも、こういったお役所的な文書は退屈だということを再確認させてくれる。
4章「多文化教育のためのガイドライン」は全米社会科協議会が出した、これもおそらく「公的」と言っていいもので、そのためどうしても「お題目」を並べたものとなっている。
5章「批判的多文化主義」はシカゴ・カルチュラル・スタディーズ・グループの手によるものだが、何が言いたいのかがさっぱり分からない。カルスタの悪いところが出ている。
そんなわけで、本書は研究者のための「資料集」として考えておけばいいように思った。
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