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みんなのレビュー8件

みんなの評価3.6

評価内訳

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高い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2001/05/22 15:52

現代哲学入門

投稿者:稲葉振一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 20世紀半ばまでの哲学のもっとも中心的なテーマは「言語」だった。人間がものを考えるためには、言語がなければいけない。言語がなくてもものを考えられないわけではないかもしれないけど、そういう言語なしの思考を他人が外側から観察することはできない。だから人間の思考が何であり、どのようにはたらくかを考えるためには、まず言語とは何かを考えなければならない——大ざっぱに言うとこんな感じだ。
 現代哲学の中心テーマはそれに対して「心」である。言語哲学全盛の時代には、外側から観察不能なブラックボックスとして敬遠されがちだった「心」だが、コンピュータ技術とコンピュータ科学の発展、脳神経科学の発展、更にそれらを承けての心理学の変貌によって事情は変わってきた。神経科学の発展は話され書かれた言葉以外のルートから人間の心を観察し、更にそれを他の動物と比較する可能性を開き、コンピュータの発達は、コンピュータの行う「計算」と人間の思考はどこがどう違ってどこがどう似ているのか、という問題を提出した。
 我々は自分で考え自分で判断するロボットを作れるのだろうか。いやそもそも、そのロボットが何ができたときに、我々はそれが「自分で考え自分で判断している」と判定できるのだろうか、いったいその規準は何か? 現代哲学の中心問題の一つは、たとえばこういうものだ。そういう事情について学ぶには、たとえばこの本からはいるといい。

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/06/03 22:54

心に対する不適切なレベルでの議論

投稿者:norimasa_ikeda - この投稿者のレビュー一覧を見る

進化論的アプローチに注目して認知哲学、「心」の問題に挑戦している。
デネットが一貫して問題にしているのは
人間はどうして「動物と異なって」心があるのかという点である。
認知科学の知見と、哲学的な考察によって
全てのものに「志向性」があり
多くの動物に「思考」があるが
人間だけに「心」があるということを主張している。

しかし、論理的にはすきだらけと言わざるをえない。
デネットは人間とそれ以外の動物の
ある種の問題に対する解決能力の差を上げているが
少なくともいくつかの点で最近の霊長類の生態学に
ついての研究成果を無視しているようにも思える。
また仮にそれが問題でなかったとしても
こうした問題解決能力の違いが「心」のありなしを
語る基準となりえるのだろうか。

またこれとは別に哲学的にも問題がある。
つまり、デネットは議論の中で
人間に「心」があることを
自明のものとしてとらえている。
しかし、人間を認識者としてとらえるならば
認識される対象をはじめ
自己言及的に認識される自己の存在も証明することはできない。
他者的に理解される「自己」の概念は
言語哲学の問題であると同時に
現代の認知科学の成果でもあるのだが
デネットはこうした見方を完全に無視しているように思える。

デネットは認知科学と哲学の間の橋渡しについての
啓蒙的な仕事をした人である。
しかしそうした彼の仕事が理論的に行き詰まっていることを
この本が良く表しているのではないだろうか。

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8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

現代哲学入門

2001/05/22 15:52

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:稲葉振一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 20世紀半ばまでの哲学のもっとも中心的なテーマは「言語」だった。人間がものを考えるためには、言語がなければいけない。言語がなくてもものを考えられないわけではないかもしれないけど、そういう言語なしの思考を他人が外側から観察することはできない。だから人間の思考が何であり、どのようにはたらくかを考えるためには、まず言語とは何かを考えなければならない——大ざっぱに言うとこんな感じだ。
 現代哲学の中心テーマはそれに対して「心」である。言語哲学全盛の時代には、外側から観察不能なブラックボックスとして敬遠されがちだった「心」だが、コンピュータ技術とコンピュータ科学の発展、脳神経科学の発展、更にそれらを承けての心理学の変貌によって事情は変わってきた。神経科学の発展は話され書かれた言葉以外のルートから人間の心を観察し、更にそれを他の動物と比較する可能性を開き、コンピュータの発達は、コンピュータの行う「計算」と人間の思考はどこがどう違ってどこがどう似ているのか、という問題を提出した。
 我々は自分で考え自分で判断するロボットを作れるのだろうか。いやそもそも、そのロボットが何ができたときに、我々はそれが「自分で考え自分で判断している」と判定できるのだろうか、いったいその規準は何か? 現代哲学の中心問題の一つは、たとえばこういうものだ。そういう事情について学ぶには、たとえばこの本からはいるといい。

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紙の本

未来を築く心・予感する心

2001/02/22 01:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る


 ポール・ヴァレリーはかつて「心の仕事は未来を築くことである」といった(そうだ)が、デネットはこれを受けて、「心とは、基本的には、予感するものであり、期待を生成するものである」と書いている。

 心の問題をめぐる著者の基本的立場については、今後、時間をかけて見定めることとして、ここでは、興味深く読んだ第4章「心の進化論」から、「生物の三つの型」について、それぞれの遺伝子と環境との関係を示した図に付された解説文を転記しておく。(これらは、いろいろと「応用」することができる汎用性の高い概念だと思う。)

◎「ダーウィン型生物」:「生化学的構造が異なる」表現型がある→一つの表現型が選択される→選択された遺伝子型が増殖する。

◎ダーウィン型生物の一部「スキナー型生物」:いろいろな反応を「盲目的に」試行する→「強化」によって一つに選択される→次の場合には、その生物の最初の行動は強化された反応になる。

◎「ポパー型生物」:ポパー型生物は、行為の選択肢を事前に検討する内部的選択環境を持つ→最初から、ポパー型生物は洞察的に(偶然に頼るよりは安全に)行動する。[ポパー型生物は「脳の内部環境で事前選択をする能力」をもつ。]

◎「グレゴリー型生物」:グレゴリー型生物は(文化的)環境から[他者が考案し、改良し、変形させた]心的道具を持ち込む。これらの道具は、生成とテストを改良する。

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紙の本

心に対する不適切なレベルでの議論

2002/06/03 22:54

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投稿者:norimasa_ikeda - この投稿者のレビュー一覧を見る

進化論的アプローチに注目して認知哲学、「心」の問題に挑戦している。
デネットが一貫して問題にしているのは
人間はどうして「動物と異なって」心があるのかという点である。
認知科学の知見と、哲学的な考察によって
全てのものに「志向性」があり
多くの動物に「思考」があるが
人間だけに「心」があるということを主張している。

しかし、論理的にはすきだらけと言わざるをえない。
デネットは人間とそれ以外の動物の
ある種の問題に対する解決能力の差を上げているが
少なくともいくつかの点で最近の霊長類の生態学に
ついての研究成果を無視しているようにも思える。
また仮にそれが問題でなかったとしても
こうした問題解決能力の違いが「心」のありなしを
語る基準となりえるのだろうか。

またこれとは別に哲学的にも問題がある。
つまり、デネットは議論の中で
人間に「心」があることを
自明のものとしてとらえている。
しかし、人間を認識者としてとらえるならば
認識される対象をはじめ
自己言及的に認識される自己の存在も証明することはできない。
他者的に理解される「自己」の概念は
言語哲学の問題であると同時に
現代の認知科学の成果でもあるのだが
デネットはこうした見方を完全に無視しているように思える。

デネットは認知科学と哲学の間の橋渡しについての
啓蒙的な仕事をした人である。
しかしそうした彼の仕事が理論的に行き詰まっていることを
この本が良く表しているのではないだろうか。

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2010/11/27 11:04

投稿元:ブクログ

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2011/01/29 01:35

投稿元:ブクログ

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2014/12/31 01:32

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2017/01/23 20:23

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2018/11/14 20:06

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