紙の本
キム・ベイシンガー
2021/03/09 19:43
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画版ではキム・ベイシンガーが美しく、男臭い物語の華となっていましたが、原作でも印象深い役どころです。映画も原作もどちらも面白い。
紙の本
情念の筆致
2002/05/07 12:17
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投稿者:挫折ハードロッカー - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒幕が誰なのか分かっているのに、犯罪と人とが容易には結びつかない、極めて複雑な構成をした小説だった。これがもし純粋なミステリーだったなら途中で挫折してしまったかもしれない。しかし、この物語りの主眼は、あくまでも人間の、もっと限定すればWASPの悪業を描くことにあり、情念に突き動かされたかのごときエルロイの筆致が、見事にその仕事を完遂している。
うーん、凄い。
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この作品はエルロイの「暗黒のLA」四部作の三作目にあたります。
この作家を一語で形容するなら“情念”だと思います。
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映画『LAコンフィデンシャル』の原作。LAの警察署の中で起こる様々な事件を3人の刑事を中心に書いている。深夜のカフェでの大量殺人、おぞましいポルノ雑誌の発見、タブロイド誌編集者の惨殺。
『ロス暗黒史』4部作の第3册目。登場人物は多いし、名前はこんがらがるし大変だった。映画の方が全然楽。悪徳警部もつかまらないし、事件の様相も映画と結構違う。ただ、この著者も幼い頃に母親が惨殺されて、犯人がつかまってないという過去があるらしい。
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個性的な刑事をよく描いていた。プロットは非常に複雑。映画がよく整理されていたのがよくわかる。エンディングは全然違った。軍配は映画に。
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映画「LAコンフィデンシャル」の原作。プロットは非常に複雑で途中で何度も戻らなければならなかった。だが、結末へ向けたまとめ方はすばらしい。次作へ続く終わり方もいい。
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読書会にむけて再読。暗黒のLA4部作の第3弾。警察内部の小狡い知性派エド・エクスリーと実直な肉体派バド・ホワイトの対比、事件の皮肉さに注目。誤った形での愛情の発露、そう思った途端に、愛情なんてものに誤ったものも正しいものもあるものかと自分のなかに生まれる矛盾に立ち止まり考えこむ。ナイト・アウル事件、4部作の陰につねにいるミッキー・コーエンとダドリー・スミス。映画化作品には、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケヴィン・スペイシー、ジェームズ・クロムウェルらが出演。4部作最後の作品『ホワイト・ジャズ』に引き続き登場する人物もいるのでそのあたり読了者と意見をかわすのが楽しみ。
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圧倒された。
世にジェイムズ・エルロイのエピゴーネン数多けれど、この凄まじい情念の噴出を真似る事など不可能だろう。登場する人物殆どがまともではない。主人公は、考え方も生き方も違う三人の警官。憎しみ合いながらも、根源的なところで繋がり、最後には結び付く。正義と悪に境目など元から存在せず、本能の命ずるままに、眼前に立ちはだかる、己らよりも卑しい巨悪を粉砕するのみ。後ろに積み上げられた屍の山こそが正義の証しだと言わんばかりに。
虚無的な終焉は、次の始まりを予感させるものだ。先に待ち受けるものとは、血と暴力の官能的世界、ホワイト・ジャズに他ならない。
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以前映画を見て、はて、何でこんなに注目されてるんだろう、そんなに面白いか?と疑問だったけど、これ読んで驚いた。全く別物。こんなLAの裏社会クロニクルみたいな代物をたった2時間の映画になんてできるものか。執念と呼べるような執拗な書き込みを最初から最後までテンションを落とさずに描き切った大作。圧巻。
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映画を見てのけぞったのが遠い過去の記憶。
ホワイトジャズを読んで、「もうお腹いっぱい」という気分で数年経過して、ようやく読んでみようかと。
再びそのエネルギッシュな何者かへのほとばしる憎悪と自己爆破とでもいうべき執拗な露悪的な「抉る」筆致に、土下座して詫びたい気分になるのに疾走する巨大エンターテイメント。
こういうのを読むとアメリカの作家魂というか、もはや体力的に何かが完全に異なると思えてしまいます。
これは暴力的な権力批判でありつつも、男と男と(時折女性の)超絶に遠回りするふれなば切られそうな熱い友情ものでもあるところが、サイコー。
しかし、疲れた。