紙の本
古代ギリシアのソクラテス以前の哲学者はどのような思考をもっていたのか、が分る貴重な一冊です!
2020/03/14 12:50
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代ギリシアの偉大な哲学者ソクラテスよりも以前の時代に生きた哲学者について書かれた一冊です。ソクラテスの後のギリシャに出現したアリストテレスはソクラテス以前の哲学者を「自然学者」と呼んでいましたが、実は、こうしたソクラテス以前の哲学者、例えば、タレスやピタゴラス、ヘラクレイトスなども神的なものを信じ、自己の内なる世界を考察し、国家や社会の問題にも興味をもっていたことから、ソクラテス以降の哲学者と類似した思考をもっていたとも言えます。同書では、クセノパネス、ピュタゴラス、ヘラクレイトス、パルメニデス、アナクシマンドロス、アナクシメネス、クセノパネス、ピロラオス、ゼノンなどについて書かれており、とても興味深い書となっています。
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まるで聖書のように金言が散りばめられている。人間は2000年以上前に一度頂点を極めていたのだろうか。
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読了日は判らないので適当に。DK版が決定版とするなら、こちらは初学者向けの入門編といったところか。しかしながら断片の邦訳も多数収録されており、ヴォリュームは充分。
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本格的な入門書といったところか.単に初期ギリシャ哲学を紹介する類の本ではない.良くまとめられている.本格的に学ぶのであれば,少なくともここに書かれていることは全て把握していないと話にならない.そういう類のもの.だから,基礎を押えるのに最適.
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「借」(大学の図書館)。
ソクラテス以前の哲学者の思想や、その課題などをまとめた一冊。
哲学2苦手意識をもった僕には難解だった。
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たしか、池田先生が「構造主義科学論の冒険」でタレスさんから始めて科学の歴史を語られていたのと、ポパーさんが幼少期からギリシャ時代の哲学者について読まれていたのと、モンテーニュさんのエセーでもたくさんのギリシャ時代の哲学者の名前が出てきたのでこりゃ〜読まなきゃなぁ…と思って読んでみた。あと小田嶋隆さんがアナクシマンドロスさんやアナクシメネスさんをツイートしてらっしゃってソクラテス以前の哲学者がひっかかっていたというのもある。
どうも著者の廣川先生はタレスさんなどの科学者の源流と考えられている自然哲学者の方々も実は人間としての生き方についてもけっこう考えていたのではないかと推測されていらっしゃるようである。わたしなんかもよく解りもしないのになんで科学の本を読むのであろうかと自分で疑問に思っていたのだが、人間らしく生きる生き方を考えようとしたら、自然(宇宙)の中の人間のあり方を考えなければならず、自然(宇宙)そのものを理解する必要も出てくるのかもしれない。おもえば神話も宗教も確かに世界の始まりから説き起こされる。その世界の中での人間ということなのだろう。
ただ、肝心のソクラテス以前の哲学者さんたちの思想を体系建てて理解し記憶するということはわたしの貧弱な理解力・記憶力では無理であった。それに何しろ大昔のことで又聞き又聞きなものだからどうもホントかなぁ〜感がまとわりついていたためなんだかスッキリはしなかった…あと、原子論の創始者とされているデモクリトスさんがめちゃめちゃ道徳の教科書みたいなことを書かれたいたのがちょっとびっくりした。
Mahalo
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[ 内容 ]
アリストテレスはソクラテス以前の哲学者を自然学者と断じたが、彼らは「神的なもの」「自己の内的世界」「国家・社会の問題」等にも強い関心を懐いていた。
水を万物生成の元と考えたタレス、魂の神性と転生を説いたピュタゴラス、自分自身とその魂の探求を第一義としたヘラクレイトス等々…。
今日に伝わるソクラテス以前の主要な哲学者の真正の言葉を丹念に読み解き、その真価を明らかにした意欲作。
[ 目次 ]
第1部 ソクラテス以前の哲学者―その思想(「ソクラテス以前」について;哲学の先駆者たち;ミレトス派の人びと;クセノパネス;ピュタゴラスとピュタゴラス派 ほか)
第2部 ソクラテス以前の哲学者著作断片(アナクシマンドロス;アナクシメネス;クセノパネス;ピロラオス;ヘラクレイトス ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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「ソクラテス以前」に位置づけられる人びと(アリストテレスによって「神話語りの人びと」と呼ばれた人びと、「自然語りの人びと」と呼ばれた人びと、その後に登場してくるクセノパネス、ピュタゴラス派、パルメニデス及びエレア派、更にバルメニデスの思想に規定されて自然探求を行った人びと、加えてソフィスト)の思想について探求が行われる。
その探求は、彼らがそれぞれの思想において、どのように「世界」( =「宇宙」)を考えていたのか、更にはその思想を徹底していくなかで、「人間」もしくはその「生」についてはどのように考えいたのであろうかについての探求である。
また、「哲学者」という呼称についてであるが、本書の目次においては「哲学の先駆者」、「(自然)哲学者」、「ソフィスト」の区分があるように見えるかもしれないが、本書では、彼らの思想全体を「哲学」としてとらえ直そうという姿勢がとられている。「第一章 「ソクラテス以前」について」では、「アリストテレスおよびその学派の収集による資料を介さないでは、私たちはソクラテス以前の哲学思想にほとんどふれることができない」ことを踏まえたうえでなお、「哲学の営為として軽視されあるいは無視された部分を彼らの思想のうちに再建する手だてを、そしてまた彼らの哲学思想そのものの領域の拡大 ━━ たんに自然哲学者だけでなく、医学者、ソフィストたち、一部文人・政治家など ━━ をもあらためて考えてみる必要があるように思われる。」 (21頁)、とこのように「哲学思想そのものの領域の拡大」への志向が表明されている。
本書は、この構想への手引きとしても、あるいは異なる構想を抱いている人にとっては自身の立場を相対化するための指標としても有用ではないだろうか?
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人の知恵が哲学や化学という形で概念化され、言語化され、落ちぶれる前の叡智がこの時代にあった。人間が進化し、賢くなっているということが錯覚に過ぎないことに改めて気づかされる。
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西洋哲学を勉強しようとするなら、まずはここからでもよかったのかもしれない。
ソクラテス、プラトン、アリストテレスを前提として書いてあるし、アリストテレスの向こうにしか、ソクラテス以前を見出し難い、というのも、それこそ「形而上学」の一巻とかを読んでるとよくイメージできるけども。
でも、このソクラテス以前、神話・叙事詩から、哲学へというところから始まる編集は面白い。
ヘシオドスから繋げてくれるなんて素晴らしい。
基本的には、ルクレティウスを読んだ後として、デモクリトスを勉強したくてこっちに来たのだけど、楽しかった
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・だがもし、牛や馬、ライオンが手を持っていたら、あるいはまた、手によって描き、人間同様の作品を造ることができたなら、馬は馬に、牛は牛に似た神々の形姿を描き、彼らそれぞれがもつ形姿と同様な(身体)を造ることだろう。
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ソクラテス以前の自然哲学を作り上げた人々を一人一人紹介し、後半には著作の断片(一部の哲学者の、一部の断片しか残っていないのだ!)を邦訳して収録という豪華セットな本。納富氏の「ギリシア哲学史」によると最近は「ソクラテス以前の哲学者」という言い方はあまりしないらしいけど、元本は1987年出版というからその辺は時代の流れというべきだろうか。
「哲学の先駆者」としてヘシオドスら詩人から入ってくれるのがやさしく、ヘシオドスやホメロスを最近読んだばかりなので嬉しかった。ギリシア神や詩の伝統と地続きのところで哲学に入っていき、また哲学者たちの思想のつながりも意識されていてわかりやすかったと思う。これを足掛かりに、「ギリシア哲学史」を読み直しながらソクラテスに入りたい。