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エラリー・クインの作品も何作か読んでいるはずなんだが、いまだに良く覚えているのはこの本以外には本当に数冊・・・。
なんとも、情緒的なマザーグースを引用しているが、凄惨な殺人が繰り返され、そして旨くそれらが闇に葬られていく様にただただ唖然としたことを覚えている。
情緒的な流れと凄惨な殺人というまるでミスマッチのようなモノが旨く溶け合っている作品。
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エラリー・クイーン・シリーズ
異常な子供3人サーロウ、ルーエラ、ホレイショ、まともな子供3人ロバート、マクリン、シーラの住むポッツ家。家族を支配するコーネリア・ポッツ。サーロウとの決闘の末殺害された双子の片割れロバート。空砲に変えたはずの拳銃から発射された弾。続いてサーロウとの口論後殺害されたマクリン。サーロウのコレクションから消えた2丁の拳銃。死んだコーネリアの残した告白書。逮捕された犯人サーロウ。シーラと弁護士チャールズ・バクストンの結婚式でエラリーが気づいた謎。エラリーが暴いた事件の真相。
ニッキー・ポーター誕生。
2001年12月29日再読
2009年5月31日再読
2011年9月2日再読
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見立て殺人もの・・・だった気がする。マザー・グースの。全体的に不思議な雰囲気が漂う作品。童話を読んでいるような気になった覚えが。オススメ。
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これは大学卒業してから読んだはずなのに、例によってすっかり忘れてた。
謎が解けることに「ああ、そういえばそうだった!」と思い出すくらいだったので、初読とほぼ同じ。例によって僕の脆弱な記憶力に感謝!
謎の解き方、最後のどんでん返しの具合。クイーンなんだから当たり前だけど、しびれる。
で、それ以外にも魅力あふれるキャラクターとストーリーの展開などなど、「小説」としてとても質の高い本だ。
結末もよい。ああ、そうだった、この本でアレがああなったんだったなー。
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ずいぶん昔に、子ども向けに描き直した形で読んだことがあるようなおぼろげな記憶があった。ちょっとした異色作だけどできがいいと聞いていたので、改めて読みたいと思って探していたが、なかなか読む機会がなかった作品である。
登場人物が変わっているという点では面白い。コミカルというよりも何だか悪夢のようである。マザーグースの見立て作品とも一応なっているのだけど、そのあたりは少し甘い感じがする。それでも、ちょっとゆがんだ発想をする登場人物がうようよ出てくるせいか、全体に奇妙な雰囲気があり、そこにクイーンが純粋な論理で切り込んでくる感じが、異色と言えば異色である。
ここが大詰めという感じになってから、どんでん返しがくるくると回っていくのは面白かった。それをまわすのが名探偵クイーンの論理性であるというのも面白いし、この作家ならではである。ちょっと微妙すぎて納得するのに少し時間がかかったけど、小さな手がかりがうんと大きく響いてくるダイナミックさは、国名シリーズを思わせるもの。
全体としてクイーンの立ち位置が軽妙で、後期の悩めるクイーンを知ってから読むと軽薄にすら感じる。このあたりは好みなのだと思うけど、「不思議の国のアリス」のような世界の中での探偵としては、こういうムードで行くしかないのだろうなぁとは思う。悪くない。
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製靴会社を立ち上げ莫大な財産を作り出したポッツ家。社長であるコーネリ・ポッツには前夫と、現夫との間に6人の子供をもうけ彼らと暮らしていたが、そのうちの3人はかなりの変わり者だった。
そのポッツ家で拳銃を使っての決闘騒ぎが勃発。介添え人を頼まれたエラリーは、死者を出さないため拳銃の弾を前もって抜いておくのだが、当日なぜかその銃から球が発射され、死人が出てしまい……
奇妙で怪しげな一家に、マザーグースを使っての連続見立て殺人など、本格ミステリらしいケレン味たっぷりの作品。訳が少々古臭いものの、それもある意味では、古き良き本格ミステリの雰囲気を際立たせています。
中盤までは「今回は犯人分かったかも」などと思っていたのですが、そこはさすがクイーン! 一筋縄では終わりませんでした。
クイーン作品は犯人が完璧な犯罪を計画・実行し、それをクイーンが解き明かすイメージが強いのですが、今作は、犯人が不測の事態に対しけっこうてんやわんやしているのが、クイーンの推理からわかります。
単に事件の真相だけでなく、そうした不測の事態に対し、犯人がどう考え、どう対応したかも、クイーンはロジックで解き明かします。その推理はやはり圧巻の一言です。
ロマンス要素も少しあって、クイーン作品の中では、異色作ということですが、ロジックへのこだわりはさすが、クイーンだと感じました。
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『聖者と死者と』の改題。マザーグースを取り入れた割には効果がいまいちなのと、真犯人の正体に意外性を感じられないのが残念なところですが、二転三転する終幕は読み応え十分。国名シリーズには今一歩及ばないものの、クイーンの技巧を堪能出来る佳作だと思います。