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わかりやすくて、児童書の勉強としておすすめできる!
昔話に見られる「残酷性」の意義を、柔らかい口調で説明していてすんなり読み通せた。
グリム童話などが表現している「残酷性」とは、必ずしもグロテクスさや生々しさを感じさせるものではなく、機能的、象徴・抽象的な働きがあると著者は言う。
そしてそれはどんな働きかけかというと、まだ発達段階にある子どもたちの心の防御壁とも言うべき機能だ。
たとえば「善は必ず勝ち、悪は酷い目にあう」という教えから子どもたちは自身に降りかかる不安や恐怖を乗り切る糧を得るし、魔女やオオカミなど、「悪」側の存在に成長における葛藤や孤独を押し付けることで自分を守ることができる。
物語の残酷性は言い換えれば「苦味」であり、それはこれから先、いろいろな困難や理不尽が待ち受ける人生においての、先だっての良薬なのだ。
ってな感じがまとまっていて、とてもおもしろかった。たぶん。
表紙のオオカミが「っへっへ」と木の蔭から舌を出して待ち受けている表紙も好きだなぁ。
なんとなくだけど。
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基本図書、グリム童話はあまり知らないけれど、昔話を知るために購入した。
残酷な場面について、文芸学、民俗学、心理学から考える。
小澤俊夫さんの著作で知ったことが半分くらい。
心理学から考えるところが、とても興味深かったです。
子どもが人生に免疫をつけるのに昔話も役立つんだなぁ、と驚きました。
読書は疑似体験だ。
きれいなものだけに触れたいと思っていた私自身の弱さも思い知った。
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「文芸学の立場から」「民俗学の立場から」「心理学の立場から」解説されており、なるほどと思うところがたくさんあった。