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戦艦大和 改版 みんなのレビュー

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紙の本

家族一同、孝一を尊んで居ります

2009/10/10 02:34

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る

すでに
戦艦大和ノ最期_講談社文芸文庫
に書評を書いたのですが、こちらの本だけを覗いてる方もいらっしゃるでしょうから、こちらへも書きたいと思います。講談社文芸文庫の方に書いたものに関連した文章を「戦艦大和ノ最期」からここに引用いたします。


敵信班員太田少尉モ、敵信傍受ノ勤務ノママ散華シタルベシ 二世出身者トシテソノ去就ヲ注目セラレタル彼ガ最期、僚友に伍シテ見事ナリシモノト推察セラル
指令部通信科士官中、唯一ノ生還者渡辺少尉ノ証言ニヨレバ、通信室決潰ノ寸前マデ、敵信捕捉、翻訳ノ作業ハ、淡々カツ的確ニ進メラレツツアリシトイウ
ノチ終戦ニヨル通信ノ回復ニヨリ、ワレコレラノ事実ヲ遥カ異国ニアル彼ガ母上ニ伝エタリ ソノ返信ニ誌シ給ウ
「孝一が最後まで、自分のポストにベストを尽くして戦い、日本人として恥ずかしくない死を遂げてくれたといふこと、これ程うれしいことはございません 孝一戦死の報を聞いて、悲しみの余り三月も寝込んだ私共でしたが、孝一最期の模様を知り、心から勇気附けられました 家族一同、孝一を尊んで居ります」


“家族一同、孝一を尊んで居ります”

「戦艦大和の最期」を、なぜ小林秀雄がGHQと戦ってでも世に出したかったか、いや、出さねばならなかったかがよくわかる。
大切なことを我々に伝えているのだ。それは戦争反対とか戦争肯定とか、そういう次元のものではない。戦争があろうがなかろうが、生きていることの根本にある大切なものがこの本から湧き出ているのだ。不幸な戦争を通してであったが、我々が受け止めるべきものを受け止めたならば、何かが見えて来るはずである。そう、あの宮沢賢治の「きれいな青ぞらと  すきとほつた風」が見えるのだ。これについては
こちら
にリンクを貼ったので見て頂ければと思います。

この戦争がなくても吉田満さん自身は、その大切なものは得ていたでしょう。

吉田満さんが戦艦大和の中で映画
「オーケストラの少女」
を見たというのがありました。

本にそれを書いているということは吉田満さんもこの映画のことがたぶん気に入っていたのでしょう。
オーケストラの少女は私の見た映画の中でもっとも好きな映画です。
1500円ですが、どこかで借りるのではなく、買って持っていて好きなときに何度も見れるようにしていた方がいいと思いますよ。音楽はフィラデルフィア管弦楽団だったかな。指揮はストコフスキーです。





***紹介したい本、詩***

浄土三部経と
こちらと
こちらと
こちら

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紙の本

「大和」とは日本にとってなんだったのだろうか。

2004/04/04 15:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

白洲次郎という男は自身について多くを語らない人物のようである。
 没後に関係者が寄り集まって出版されたのが『風の男白洲次郎』という物語りであるが、この中で興味深い事実の一つに一面識もない小林秀雄が鶴川に住む白洲次郎を訪ねてくる件である。
 敗戦後、吉田茂の片腕としてGHQとの交渉にあたっていたのが白洲次郎であるが、GHQの検閲をパスさせて欲しいと小林秀雄は『戦艦大和の最期』の原稿を持ち込むのである。
 その時の様子や白洲次郎がGHQと交渉した内容は詳らかではない。
 しかし、熱血漢でGHQに対しても一歩も退かない交渉をした白洲次郎のことである、その場面を想像するだけでもわくわくしてくる。
 日本海軍の象徴でもあった「大和」の最期を記した本書はGHQに軍国主義を呼び覚ます戦記文学として捉えられたようである。本来の主旨とは異なる内容、大幅な削減という屈辱を呑み、多くの人々の支持を経て、ようやく出版されたという誕生秘話を本書は持っている。

 文語体で書かれた「大和」の出撃、米軍の猛攻撃の様子は臨場感を感じさせるものであったが、著者は意識して文語体にしたわけではないとのこと。何かに憑かれて書いたとしか思えない描写であった。悲劇も苦悶も全てに仰々しい感情が入っていないだけに、傍観者としては弾が飛び交う戦闘現場にいる感じがした。
 世界最大級にして不沈戦艦といわれた「大和」が轟沈した後、漂流者を狙い撃ちする米軍の艦載機の理不尽さを著者は幾度か憤る。ここではネイビーとしての仁義も何も無い憎悪の世界でしかない。
 巻末には戦後の平和な時代に著者が赤裸々な思いを綴った文章があるが、戦争の是非について悩む気持、戦わなければならなかった感情が表現されていて、戦後派の人間からみればそこまで過酷に自分を責めなくてもと同情してしまった。
 運命の「大和」に座乗したばかりに起こった身辺の煩わしさ。『戦艦大和の最期』の英訳本がアメリカで出版されるにあたり、GHQの検閲を担当し出版に難色を示したアメリカ軍人が中間マージンをせしめていたとは。
 いったい、これらの怒りをどこにぶつけていいのだろうか。

 世界最大級の戦艦がどれほどの大きさであったかは想像もできないが、福岡市の天神地下街の端から端までの長さが「大和」の全長に相当するといわれている。
 また、紀尾井町のホテルニューオータニにある回転レストランは「大和」の主砲の台座と同じ大きさ、構造であるともいわれる。
 いかほどの大きさかが少しでも理解できるというものだが、いまでもどこかに日本人は「大和」と同じものを当て嵌めたがるのはどうしてだろうか。
 悲劇の美しさに心惹かれるからだろうか。

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紙の本

戦時下の人間心理の謎

2001/05/06 20:09

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 実際に乘艦していた著者による戦艦大和の最後を書いた書。文語体で書かれているのが特徴。山本夏彦によれば、これが最後の文語体らしい。

 この書を読むと、大和特攻は乗組員全員、成功するとは思っていなかったことが分かる。いちおう、戦闘機による特攻のためのおとりと、沖縄への米軍上陸阻止という作戦はあったのだが、誰もホントに成功するなんて思っちゃいない。よく考えれば、開戦前夜のときからずっと、みんな負けると思っていたようにも思われる。それなのに何で戦争が始まったのか。ミステリーである。

 この吉田満、大和沈没後も生きながらえて、せっかく生き残ったにもかかわらず、今度は特攻隊に志願するのである。ホントに戦時の人間心理というやつはよくわからん。

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