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紙の本

昭和12年の南京戦について重要な書

2023/12/31 23:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

佐々木到一少将は撫順の戦犯管理所で没した軍人だが、この本は坦白史料の類ではない。露骨と言っていいほど感情を剥き出しにして昭和2年に南京で北上した国民革命軍に暴行されてから、かわいさ余って憎さ百倍と言わんばかりに昭和12年の南京でした事を書いている。
 最初は昭和12年の南京戦の記述は収録しなかったというのは露骨過ぎる表現を使っているので収録するのが憚れたのだろうか。
 佐々木到一の本を使って「支那人とコミンテルンによって日本は戦争に捲き込まれた!」という本があるが佐々木到一自身が昭和12年の南京事件を書いた個所を切り貼りして「なかった」ように苦心していた。どう読んでも佐々木到一は進んで大量虐殺したとしか読めないのだから御苦労様だ。
 昭和2年の南京で国民革命軍に一緒に暴行された根本博少佐という軍人は駐蒙軍司令官を経て最後の北支那方面軍司令官となり、白団とは別に台湾へ渡航して押しかけ軍事顧問になった陸軍中将と同一人物のはずだ。佐々木到一と同じ時に同じ体験をしたのに何故こうも違うのか?昭和2年に暴力を加えた憎むべき国民党政権が敗北しようと勝手にしろ、とは思わなかったのだろうか?もっとも根本博を礼賛する人は佐々木到一の所業も思うべきだ。

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