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投稿者：光森長閑　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

1996年のホリプロTSCは美少女史において大きな意味を持つものとなりました。グランプリの深田恭子のその後の活躍は言うまでもありませんが、選に漏れた7名を「ピュアガール」として選抜、次世代を担う有望株として育成に着手したのでした。CMやドラマの好況に加え、当時のポスト広末を巡るブレイク前のコたちに対するファンの間での青田買いの気風に見事にマッチし、彼女たちは独自の進化を遂げていくことになります。この緩やかな連携体、いわば「グループではないグループ」の形態を取るという手法は、その後のファンクラブ組織「HiP」へと引き継がれたことからも、また翌年の「国民的美少女」が同様の目論見からZ-1を結成しながらも従来型の固定的グループという路線を選択した結果、上戸彩のブレイクのみに寄与し事実上破綻したことからも、その優れた先見性は高く評価されるべきでしょう。登場する「ピュアガール」とは工藤あさぎ、吉井怜、奈良沙緒理、大森玲子、酒井彩名、三津谷葉子、野村恵里の7人。発行当初は「クレアラシル」のCMを射止めていた工藤あさぎが筆頭格でしたが、ご存知白血病から生還を遂げた吉井怜や、今やバラエティに欠かせない顔となった酒井彩名など、その後様々な紆余曲折を経ながらも現在に至り、全員がそれなりの活躍を見せているというのはさすがです。当時最年長の吉井怜でもまだ15歳ということもあり、写真集の中身のほうも初々しさ、瑞々しさを遺憾なく発揮させるつくりになっています。水着ショットなどもありますがいたずらにいやらしさを想起させるものではなく、むしろ「チャイドル」旋風の残り香を感じさせる白いワンピース姿での全員ショットなどはあたかも天使が降臨してきたかのような印象を持たせます。栴檀は双葉より芳しの言葉どおり、かわいいコたちはデビュー当初からかわいいのだということを再認識させられる写真集でもありますし、この原点にあるかわいさをいつまでも保ち続けてほしいと願うものであります。