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結婚や子供が出来ることで生じる喪失感を描いた作品。「シンデレラや白雪姫・・・童話はハッピーエンドで終わるけれど、その後の夢の続きは現実的で、とても残酷だと思う。」そういったリアルをぶつける作品。とても難しいお話しだけど小娘的には共感するところもあったし、読みやすかった。
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恋の夢と現実がよく描かれてるな〜って感じた。
作者もあとがきで書いているけれど、恋は成就するものじゃないんだね。
このお話では、恋してる時の軽くフワフワした気持ちと、その逆に妊娠し、結婚したら、とたんに重くなってしまい、人魚姫が1歩歩くたびに、足にナイフが刺さるように痛いのと同じように、現実を歩いてる、主人公、まり子の内面が、なんだかとってもわかるような気がした。
主人公のまり子は、読んでいるとまるで現実を生きている感じがしなかった。
恋人も、同時進行で3人いるし、またその3人を、昼間だけの付き合いだからって、Aランチ、Bランチ、Cランチって呼んでいるところが笑えたね〜。
まさに現実感なく、恋人と付き合っているって事を楽しんでいるような感じ。
実際、誰一人として愛してるって感情を持ってないようだったしね。
それでも、恋はしてる。3人に。
結局のところ、妊娠して、夫として一番相応しいと思えるCランチを選んで結婚するものの、子供の本当の父親が誰だからわからない事に、罪悪感もなく、
子供の父親は恋だと思ってるまり子・・・。
そして、結婚後の彼女の心の変遷が描かれてるわけだけど、やっぱり恋ってものは、現実性の無いもので、そこに現実が入りこむと、途端に重たくなって、恋とは別のモノに変化してしまうものなんだな〜って、つくづ思った感じです。
それと、一番印象に残ったのは、母親と娘の関係についてかな。
母親が娘に嫉妬してる部分を描いたところは、なかなか説得力があり、また、端的に描かれていて、その着眼性には驚いたし、なるほど〜って思わせてくれました。
なんにしても、恋ってステキだけど、やっぱり一生、それを持って生きてはいけないものでもあるんだよね〜
おとぎ話の中のお姫様のように、恋を永遠にはできないものね。なかなか楽しいお話でした♪
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恋の甘さと残酷さにおろおろしつつも、冷静にさらっと読めた。現実が現実であるという冷酷さがびしっと書かれていてむしろ気分爽快…でもないか。お姫様のふわふわ感、妖しげな魔女の香り、ぷんぷん。<安定>と<不安定>の狭間を行き来して…女は、男は、人は、どこへ向かうのだろう。
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初読:2005年6月17日
タイトルに惹かれて図書館で借りたけれど、ふわふわしていてイマイチ好みじゃなかった。
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"そして、母親になった気分で、彼を起こさないように気をつけながら、その額にそっと唇をつける。
ふざけて心の中で祈りを捧げることもある。
この子が幸せになりますように。私といつまでも一緒に居てくれますように。
いつまでも。いつまでも。"
"お姫様のキスで王子様は百年の眠りから覚めましたとさ。"
さらさらと、光の中にもやがかかるような、
表現がとても綺麗。
夢物語だけど、現実の、日常の残酷さがあり。
ビー玉をそんなに飲み込んで大丈夫なのか心配に。
他の話も読んでみたい。
2009.1.29~2.9
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2010.01
ふわふわと、でもちょっと毒りんごのような小説。
久々に読んだ恋愛小説?なので、ペースがつかめず、一生懸命よみました(笑)
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・人魚姫が一足歩くごとにナイフで刺されるような痛みを感じたのは<恋>ゆえに初めて意識された<生命>の重さに足が軋んでいたからかもしれない。それは言いかえれば<恋>の行く末にある<日常>の重さに他ならないのだ。
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元サーカスの玉まわしをしていた主人公の恋愛物語。子供が出来ても恋をし続けようとするとこうなるのかもしれない。どこか夢見心地な文体で上品な言葉遊びが印象的だった。
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ロマンチック趣味のおとぎ話、透明な球体、それと甘いもの、
わたしの好きなものばかりがでてきてしまったせいで、印象ばかりが残ってしまった。語りかたに惹かれなかったけど文章の雰囲気は好きだったかな。
(こういうものを語ることに関しては、小川洋子にはかなわない。)
あとがきを読んで、まどかマギカを観たひとならピンときそう。そういうみかたもあるのかも。