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夏目雅子で有名なあの映画の原作。
男稼業(ヤクザのことをこの本では任侠、侠客、男稼業と呼んでいる)の養女になった松恵の目を通して鬼龍院家の繁栄と没落が描かれている。
頭がいい事と、それを生かせる運があるかどうかは別次元の話。ただし、自分の人間としての器を大きくしていく事で運を引き寄せる事は可能。流れに逆らうのは不毛。
どこの世界でも頭のいい(切れる)人はいる。この本では歌と松恵。
(2004.11.27)
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不条理な松恵の人生へのやるせなさ、松恵の諦観への腹立ちなどで、しっかり読むことができず斜め読み。
現代とは時代が違うのだ。
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鬼政一族の勢い盛んな時期から、
頭首が亡くなってから戦後にかけて廃れていくまでの様子。
それが、一族の養女松恵の目を通して描かれる。
松恵は聡明さと生真面目さからいろいろな局面で苦労を背負い込み、
それでも地道な努力で学び続け強く生き抜いているようにみえる。
一方、境遇・生き方が全く対照的なのが頭首の一人娘花子。
でも、とくに女の人が自分で道を切り開く事は難しい時代に
運命に翻弄されるしかないのは松恵も花子も他の女たちも同じで、
どちらが幸せとかは簡単にいえない。
そのどうしようもなさが、
すごい(語彙がなくて何と表現したらいいかわからないです)
文章で表現されていました。
最近の小説を読みなれていると、
本当にすごい文章だなと思ってしまった。
でも難しいわけではなくて、
一族の表と裏、人々の人間像も際立ってて面白いです。
映画になっていたけど、この小説自体が映画のようでした。
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昔、記憶がうっすらだけど映画で見たような。
でもその頃の記憶と内容は違っていたな。
鬼龍院一家の繁栄と衰退が描かれていて、とてもリアリティがあって、本当に何処かであったんではという気持ちになりました。
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昭和版アウトレイジ的なものを予測していたから肩透かし感は否めない。
しかし実名組織でやるのが魅力。
櫂とは真逆の因縁話だなぁ。私は櫂のほうが好きだけど。
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あの任侠(?)映画の原作小説。映画は未視聴。
「なめたらあかんぜよ・・・っ」ていう台詞が原作に出てこないこと、夏目雅子が演じてる役が”鬼龍院花子”じゃないことに驚いた。
それから映画予告に「お父さん、これっきりにして・・・」ってシーンがあったけど、そんなシーンも無い(笑)
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昔、映画を見た。その内容はうろ覚えだけど、今回原作となるこちらを読んで、記憶の中にうっすらと残る映画とは別物だと思いました。
表題は鬼龍院花子の生涯で、確かにその生涯が描かれているのですが、主人公は花子の戸籍上の姉になる松恵。
養女にもらわれたばかりに、望まぬ任侠の世界に身を置き、そこに囚われ、翻弄される松恵が哀れでならない。
また、宮尾さんのほかの著書でも言えることですが、これだけの濃い内容でありながら、最後まで文章がだれることないのがすごいです。
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薄幸な女性の過酷で悲しい一生を描いていながら読後感は不思議とさわやかで清々しい。宮尾登美子という作家のなせる技でしょう。映画とは別物ですね。久しぶりに櫂も読みたくなりましたが電子化されていないようで残念です。
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耐える、全て耐えて生きる小説は辛すぎて、心が重くなる。
宮尾さんの作品は女性が発言出来なくて、男性の理不尽にも反抗する訳でもない昭和の男尊女卑がリアルに描かれているので貴重なのかも知れないが、それでも読んだ後はずっしり重く感じる。