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紙の本
日本語に関する実に為に成る知的随筆集。
2020/06/28 11:01
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語に関する実に為に成る知的随筆集。かねがね柔軟性に富んだ素晴らしい言語だと確信していた日本語の深さを改めて認識。元々は中国から移入した「漢語」を日本的に改良して、漢字に加えて平仮名、カタカナ、ローマ字を加え、縦書きでも横書きでも記述でき、外来語にも容易に対応できる世界に類のない言語体系を作り上げてしまったのだから驚き。私的には世界共通言語は日本語であるべきだとすら考えているくらい。
本の話から離れてしまった。さて、本題。本書は、日本語に関する魅力的な事柄を随筆風に書き連ねているので、体系的にまとめられた教書風の書籍のような威圧感が全くなく、実に気楽に読み進めれる。しかも短い一つ一つの随筆に捨てがたい魅力がある為、ついつい引き込まれてしまう。例えば「菊の恨み」(101~104)は、音読みは中国語の発音であり、訓読みはその中国語に対応する日本古来の発音であり、中国からの渡来植物である「菊」は音読みだけで訓読みは無いという。エーー!日本の国花(皇室の紋章)と思われてる「菊」が中国渡来植物だった。逆に「花も蝶も」(105~108)では日本に昔からいたはずの「蝶」にも訓読みが無く、万葉集にも出てこないという。何とも日本語の奥深さを感じさせる。更にアルファベット系の導入でも、“Driver”はアクセントの置き方で「ねじ回し」と「運転手」に、“Machine”は「ミシン」と機械一般を意味する「マシーン」に、“Hook”は「ホック」と「フック」に、“Truck”は「トロッコ」と「トラック」というように、その意味に対応して使い分けられているという。実に興味深い。更に、「犬も歩けば棒に当たる」という諺は、本来は無暗に歩き回ると不運に見舞われる意味だったが、現在は根気よく歩き回れば幸運に出会うこともあると、逆の意味に使われるようになったという(77)ように諺の話まで。何しろ、手軽に楽しめて為に成る1冊でした。
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