紙の本
なつかしい1冊
2001/03/11 02:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大網さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃に「こどものとも」で配布されたのですが、その後、ご近所にあげてしまった事もあり、すっかり忘れていました。しかし、最近、図書館でこの本を見つけ、とてもなつかしく思い出しました。版画を思わせるずっしりした絵は二十数年ぶりに見てもすぐに思い出す事が出来るほど印象的です。
懐かしい絵本との再会には、なんとも言えぬ「ときめき」があります。子供にもそのような感情の機会を与えたいものです。
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沖縄の昔話。
かーまかーま昔、田んぼの稲に悪いむしがついたので、王様は村全体の稲を焼き払うように命じた。それを聞いたカエルたち。あぜ道でおまつり騒ぎをして、悪いむしをおどろかせて、水におちて死ぬようにさせようと相談しあった。それには綱引きが一番じゃ!とばかりに、カエルは盛大な綱引きをおこなった。悪いむしは水に落ちて死に、カミナリ様までやってきて雨を降らせ、この年の島は、豊作となったとさ。
沖縄弁で書かれているので、読み聞かせするにはイントネーションが分からないところもあるけれど、イラストも明るく、話しも楽しい。
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沖縄の昔話。田んぼに虫がわき、人々は焼き払うことに決めたが、食べ物がなくなることで自分たちが食べられるのではと危惧したかえるたちのお話。「ちゃすがやー」(どうしよう)など、ところどころに琉球語がのっている。ふちどり色濃く、沖縄らしい絵。
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昔の沖縄。
ある村の田んぼの稲に悪い虫がつき、島中の田んぼに広がりかねなかった。心配した王様は村中の田んぼを焼き払うように命じる。
それを聞いていたその村のかえるたちは、人間達は米がなくなればかえるを食うだろうと恐れて、年寄りの物知りかえるに相談した。
物知りかえるは、「あぜ道でお祭り騒ぎをして虫を驚かせ水に落ちさせれば死ぬだろう。それには綱引きがいちばん」と言った。
かえるたちはさっそくお祭りの準備を始めた。
縄をなうもの、太鼓の革を張るもの、行列の旗を作るものと大騒ぎ。
次は行列の稽古。まずは二本足で立つ練習。そして太鼓の練習。
次の日、村人達がしぶしぶ田んぼを焼こうとやってきたところ、かえるがこれからお祭りをして虫を追い払うので見に来てくださいと誘った。
そろったかえるの数はなんとせんびき、いや数えられないほど!
ホラ貝が鳴り、太鼓が鳴り、綱引きが始まった。そのおもしろさに村人達は大声ではやし立てた。そのにぎやかさに虫は驚き、水に落ち始めた。太陽が傾き初めてもかえる綱引きの勝負はつかない。
その様子を天から見ていた雷が喜んで太鼓を叩いたからぴかっぐわらーん!雨が降り始めた。村人達は大喜び。かえるもつなを放り投げ「虫はしんじゃった」と言いながら田んぼへ飛び込んだ。
この大雨で虫は流されて死に、稲は命を散り戻し、この年島は豊年満作だったと。
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所々に沖縄の方言が使われているのも味があってよろしい。ある村の稲に害虫がついて、島中の田んぼに広がるのを怖れた王さまは、村中の稲を焼き払えと命令します。困ったのは人間だけではありません。人間は食い物がなくなったらおれたちをとって食うにちがいない。 かえるたちは長老に相談にいきます。長老のだした答えは…
ユーモラスで、いきいきしたかえるの絵が魅力です。
小学校低学年くらいから。 6分。
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稲作とカエル。虫の大量発生で稲が燃やされ食料難になり、自分たちカエルが食料にされてしまうのは困ると、カエルが虫を追い出す作戦をする。
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母が版画、創作絵本で儀間比呂志先生に師事していました。力強い版画と沖縄の風景が素晴らしい。戦争画絵本も皆さんに読んでほしい。
楽しい昔話もたくさん有ります。
沖縄名護駅に先生の絵が飾られています。
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絵が力強く、ユーモラスでよい。カエルのつなひきを応援する人間の足とか、空にかみなりさまがやってくるところの構図も面白い。絵がとても魅力的。
沖縄の言葉や歌も出てくるから読み聞かせするにはたくさん練習が必要だが、全体的にリズミカルでとても楽しい。
小学校中学年、高学年も楽しめるし、カエルとつなひきなのでストーリーはむずかしくなく、5歳、6歳でも楽しめると思う。
「村の田んぼに害虫が発生したので、王様は村人に稲を全部焼き払えと命令します。これを聞いたカエルたちは大綱引きのお祭りをして、害虫を退治する計画を立てました。カエルたちは、縄をない、旗頭を作り、太鼓の皮をはり、はては2本足で立つ稽古もして、祭りの準備をします。稲を焼くという日、村人の前に何百匹、何千匹のカエルが現れて……。沖縄の勇壮な祭りをカエルを主人公にして描きます。」
儀間比呂志
1923年那覇市生まれ。1946〜51年、大阪市立美術研究所で洋画を研修し、その後、上野誠に木版画を学ぶ。1970年から木版画に専念。創作絵本『ふなひき太良』(毎日出版文化賞)を皮切りに絵本を多数出版。『沖縄戦版画集 戦がやってきた』(沖縄タイムス社芸術選賞絵画部門大賞)、『沖縄の鳥人 飛びアンリー』他。