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紙の本
「花天月地」〜花は空に咲きみち月は地上に照り渡る
2004/03/20 17:06
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投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
海を越えて届く、中国からの贈り物、黄砂。
けれど、中国は、乾いた黄砂だけの国ではない。
潤沢な水の流れ-大河-のもとで、多くの花が咲き、人々が暮らしている。
女性は、よく花にたとえられる。
その艶やかさ、派手さ。香り立つ高貴な様子。可愛らしさ。
だが、盛りを過ぎれば散る花に対し、人はずっと生き続けなければならない。それも花よりも遥かに長い時間を。
そして、表に見えている花びらが散れば、そこには何も存在しないが、人は表に見せている貌以外に、その内面にずっと複雑な感情を抱えている。
本篇には、花にたとえられた4人の女性が登場する。寒さの中に咲く梅の
ごとく、世間の風をものともせず、頑なまでに自分の意志を通す文化人、清照が主人公の「梅花三弄」。
「俾延年」に登場する不器用な、意固地な兄に逆らわず、一人でひっそり涙ぐむ小雲は、菊の如し。中でも私は、
薔薇の華麗さや、牡丹の艶やかさの外見を
持ちながら、その裏に、愚かさ、哀しさ、
自分が自分でいたいという強き意志、したたかさ、
花が決して持ち合わせないものを持つ、
2人の女性を描いた「葛巾紫」「非花」に、最も惹かれた。
そのたたずまいは花のよう。けれど、決して花にはあらず。
そんな彼女達の生き方を、しばし愛でてみませんか。
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