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フジモリやムラマツにはない強度。要素が景観を作っているっていう態度が徹底している。しかもその景観を「よい」「わるい」とか言ってないし。ただ、その要素と景観から帰納的に風景がつくれるわけじゃないかもしれない。風景は演繹だから。
口調は邦訳のカントっぽい。命令形。せよ。
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集まって住むことの意味がわかる本。
哲学的だったり、観念的だったり
抽象的だったり、具体的だったり。
レベルはいろいろとあるが、
集まって住むとなんかいろいろと
意味が生まれてくるらしい。
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コミュニケーションの舞台を担う「集落」のハード部分のみならずソフト面までを論じた一冊。
世界中の人々の暮らしの一端を知るという意味で、
建築や都市計画などの基礎知識のかけらもない門外漢の私でも十分楽しめました。
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内容(「BOOK」データベースより)
建築家原広司が、そのライフワークである世界の集落調査をとおして受けた空間デザインに関する教え100フレーズは、『建築文化』1987年4月号を初出とする。本書は、初出から十年余、それら100のキーフレーズそれぞれに熟成された書下ろしの論考および充実した補注を加え、かつ100集落の写真・図版を添えて構成し、決定版としたものである。
内容(「MARC」データベースより)
建築家・原広司が、世界の集落調査を通じて受けた空間デザインに関する教え100フレーズに、書き下ろしの論考・補注を加え、集落の写真・図版と共に構成。〈ソフトカバー〉
目次
あらゆる部分
同じもの
場所
離れて立つ
すべてのものにすべてがある
なんでもある住居
共同幻想
伝統
秩序
矛盾〔ほか〕
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集落調査の結果をこの本に載せている1冊。
2ページにつき1テーマみたいな。
ものすごい細かく分けていて読みやすくなっています。
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世界各地の集落の構成を、命令形にすることで、つまり「教え」とすることで可視化する。
集落は何/何者かに従うように、ある法則性をもってつくられる。その要素を暴き出し、100のチャプターで分け解説している。そして解説の言葉の選び方に、著者の考察の深さを見ることができる。
この本に登場する集落の延長上に、私たちの生活があるようにも感じた。教えは絶えず継がれている。しかし、いくつかの集落は時代とともに文明化され、消えてしまったことを考えると、少し悲しくなってしまう。
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それぞれの項目の関係性のグラデーションを所々曖昧にしながら、建築設計に反映できる集落から学べることを記してくれている。集落に若干の偏りがあるのが気になるが、集落から読み取れる精神性には頷けるものが多かった。
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原広司による、空間デザインに関する100の「教え」と呼ばれる表題およびキーフレーズ、および各フレーズ・用語・集落に関する定義付け・論考・補注を収録した本。「教え」の一つ一つは、原広司が7-80年代において研究室で行ってきた集落調査、および調査された集落の分析・モデル構築の過程において受けたものとされており、多くの集落における100の写真とともに紹介されている。
「教え」の表題およびキーフレーズがあらわしている事象は多岐にわたっているが、前半のものは集落全体から得られるマクロな視点、後半はディテールに注目したミクロな視点といったように大まかな分類がなされている。しかし、決して階層的なものとして集落を考察しているわけではなく、スケールを排除して享受できるような「教え」となっている。
原広司は集落を人間の構想力の記録であると解釈しており、この本において言及されているのはあくまで集落の局所的な場所性に呼応し発現した人間の建築的な構想力であるとしている。「教え」について、それぞれのものは集落から着想を得てはいるが、これら「教え」・論考から集落に存在する歴史的および地域的な意味付け、また狭義の風土論が極力排除されていることがそれを示している。
それに伴って、「教え」と論考、それに付随し掲載されている集落の写真の間の関係はあくまで互いに手がかりである程度のものとなっており、集落の紹介を行っている本では決してなくなっている。
また、調査方法について、ケヴィン・リンチが行ってきたイメージマップによる人々の意識下にある景観・イメージによる都市の解析とくらべて、場所性と呼応して発現している人間の無意識下における構想力に着目しているぶん、より空間そのものへ言及する要素が強いとも考えられる。
これらを総合して考えれば、本の中で原広司が語っている「建築を作ることは集落の解釈という性格を持つことを避けられず、そのため私たち建築を集落のようにつくる姿勢ではなく、集落の教えを受けて立つ態度が要請されている」という主張も納得がいくものとなっている。この本は、集落から場所性およびそれを解釈した人間の構想力を学び取り、そして一般的に用いることができるようにそれを体系化・理論化し、新たな解釈行為につなげていくための記録、すなわち新たな解釈行為への「教え」なのである。このように一般性があり、またあらたな解釈手法の誕生といった新規性の発生の可能性を含んでいる点で、建築理論の展開において重要な役割を担うであろう本であると言える。
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100の集落から建築空間においての教えを100個記した本。見開きで世界の集落の写真とその集落に対する解釈が記されている。しかしその解釈が集落の全てを語っている訳ではなく、一部抽出した部分のみを語っている。つまり深掘りした解釈では無いのだ。だから集落固有の特徴を述べているわけではなく、普遍的な特徴を述べている。普遍的な特徴を述べることにより、それは建築を作る者に対して「建築空間とは何か」を考えさせるのである。
普遍的な情報で、しかもそれは集落から抽出された情報。しかしその情報が今の建築空間にも共通する。
集落という感覚的に遠いテーマから現代の建築に共通事項を見つけることができて、本当に面白い本だった。まだ完全には理解しきれていない為再読が必要だと思った。
特に以下の3つが特に印象に残った。
[12]集落が好むのは、不動たるものではない。絶えざる変化であり、展開である。
[20]祭りが集落の様相を変えるように、いろいろな出来事が集落や建築を変える。場面を待つように、それらを作らねばならない。
[91]装飾は、あってもよいし、なくてもよい。少なくてもよいし、多くてもよい。しかし集落や建築自体が、風景のうえからすると、自然に対する装飾である。