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紙の本
デスぺレーションのスピード
2001/08/08 00:07
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投稿者:ぐん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前々から読もうと思っていたこの『デスぺレーション』上下巻、一気に読んでしまった辺り、省みると物語に吸い込まれたように思います。
時間が非常にゆったりと流れる中で、人間の思考がいかに多くのことに頭をめぐらせているか…登場人物たち一人ひとりの息遣いが、余りにもリアルで体温さえ感じるほどの描写。凄みを感じました。
読み終わり、一人ひとりの回想シーンにもっと思いをめぐらせればよかったと後悔。彼らの語る話には、一つひとつ伏線が張られていて、見逃すことが出来ない。
一つの言葉を装飾するものの多さにも驚く。簡潔に書いてしまえばなんて事の無い文章が、言葉のリンクによって広がりを見せる。ただ、イメージを頭の中に描きながら読み進めていくと、余りにも多い情景に多少混乱させられたのも事実。
一方で、現在に戻り話が進み始めると恐れていたことが、狼が身を潜めることもしないで一気に襲い掛かるかのように、予期せぬスピードで襲い掛かる。あっという間に殺されてしまう、捕まってしまう、逃げおおせてしまう辺り、振り回される感じでした。
それも狙いの一つと思えば良いのですが。
宗教倫理観みたいなものが前面に出ているのも見逃せない。人生における真実と事実の矛盾、理想と願いの隔たり、物事の心理を宗教における信仰とシンクロさせる辺り、のめりこんだ原因と考えます。
時間を掛けてもゆっくりと読みふけると更にこの作品のよさが出てくるように思う。
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