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これ程の大著であるのに、論旨の明快さによって、その要約は容易である。これは驚くべきことである。
1.生命の織物
リアリティは、全体/部分、すなわちホロンから構成されている。以下に展開するのは、全象限における進化の歴史(AQAL)である。
2.結び合わせるパターン
右側の領域における考察。システム理論を基に、20の原則が提示される。20の原則によってホロンの概念が強化され、後に左側領域にもこの原則が適用されることになる。
3.個体と社会
20の原則に従って、深度と幅を明確に区別し、Individual HolonとSocial HolonをAQALのなかに適切に位置づけている。
4.内面の視点
外面的なアプローチの限界と内面領域の復権。四象限理論の提示により、特定の領域を特権化しないことの重要性を訴えている。
5.人間性の出現
人類の集合的な進化の形成段階(左下)を描写。
6.呪術、神話、そしてそれを超えて
個人の発達(左上)の考察。前/超の虚偽に陥ることの危険を回避しつつ、合理性までの段階を追っていく。
7.人間性のさらなる到達点
ヴィジョン・ロジックからトランスパーソナルの段階まで。神秘主義、および内面領域における妥当要求について。
8.神性の深度
神秘主義の各段階。心霊・微妙・元因・非二元。
「コスモスは永遠に、時間のある世界で時間のないものを求めて前へと動かされる。そしてそれがけっして見つけることのできないがゆえに、けっしてその探索を止めることはない。」したがって、空間・時間のなかに真の解放を見出すことはできない。
読了。